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ベネット遠征伝~女を汚す奴は、許さねぇ!~  作者: 神羅神楽
第八章 エラリー~苦闘!デスゲーム編~
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7人目の招集者

皆さん分かりますでしょうか。ヒントは新約聖書、イエス・キリストを殺したあの人です。

 エラリーは推理を続けた。


「7人目の人物はこの部屋のどこかにいるはず……そして異能で身を隠しているはずです。微生物レベルに小さくなるか、壁のタイルと同化するか、透明になるか……。しかしもし彼がリチャードと同じく独り勝ちを狙っているなら、誰かと口裏を合わせている、そう考えるのが自然です」


 みんなはお互いの顔を窺い合った。


「この中に一人、その人物Xと共謀している人物がいます。そこの御三方か、ジェイムズさんか、私か、あるいは死んだリチャードか。一人ひとりに聞きましょう。目覚めたときのことを教えてください」


 そしてエラリーの聴取について得られた情報がこれ。


 一番最初に目を覚ましたと主張するのはベネット。彼が目を開けたときみんな眠っていたと証言した。

 それから彼はエリザベスとウィッカムを起こし、他の三人が起きた。しかしそのとき、部屋には6人しかいなかった。


「こうなると誰も人物Xを見ていないことになります。つまり誰かが嘘をついているのです」

「一体誰なんですか! 人物Xに何か弱みでも握られているというのか!?」


 ジェイムズが声を荒げる。


「確かにそうです。誰かが人物Xに何らかの弱みを握られているか、あるいは心の内でXの味方をしておいて、裏切るつもりでいるか」


 すると。


「……嘘をついたのは私であーる」


 ウィッカムが手を上げた。


「ウィッカムさん!?」


 エリザベスが目を見開く。


「私は彼の異能を利用し、脱出しようと試みているのであーる。全て話そう。拷問でもなんでもすればよーい」

「ウィッカム、てめぇ……そんなに自分が可愛いか!?」

「HAHAHA! 当然であーる。生き残れるのは一人であるからーな」


 するとジェイムズが加勢して、


「そうだ、ふざけるな! エラリーさん、事件は解決しましたね」

「どう解決したのですか?」

「説明するまでもないでしょう、あなたは探偵でしょう? この男は、Xと口裏を合わせて脱出しようとしたんです、Xの透(・)明(・)に(・)な(・)れ(・)る(・)と(・)い(・)う(・)異(・)能(・)を使って!」




「ん? そんな異能知らないのであーる。 初耳であーる」




「────!」


 嵌められた。ジェイムズは頭が真っ白になった。


「ジェイムズさん、どうしてあなたはXの異能が透明になるというものだと知っているのですか?」

「それは……その……」

「ベネット、やれ」

「《ポインター》!」


 ベネットは矢印を何もない空間に飛ばした。そして何かが刺さった感触がして、どろどろと血が流れ、傷口からその人物Xの姿が見えて来た。


「てめえは……」

 

 人物X──男は倒れ、死んだ。


「すべて話していただけますね、ジェイムズさん」

「……はい」


 ジェイムズは役者で、寝る演技をしていたのだ。

 ベネットが目が覚めるよりも先に目を覚ましていて、その人物X──スティヴンと共謀し、彼の異能、《インビジブル》を利用し、脱出するヒントは分からないけれど、とりあえず他の参加者を皆殺しにすることを計画していた。

 しかし誤算だったのは、脱出することができるのは1人だけという点。それでスティヴィンは動けなくなってしまい、エラリーとウィッカムによって見破られてしまったのである。

「こいつのアルファベットは“T”であーるか。それでは、女性の方は女性同士で、お互いの背の文字を見せあうのであーる」


 そうしてできあがった文字列──。


「P」「I」「L」「A」「T」「U」「S」


「人名っぽくなってきたな」

「どう発音するんでしょうね……」


 エラリーが戸惑っていると。


「あっ、ジェイムズ、てめえ! 何してやがる!」


 ジェイムズがディスプレイの電源を入れた。


『回答権を与えます』


 ディスプレイの音声が流れた。


「わかった! わかったぞ! デスゲーム伯爵! お前の本名は──」


「『ピラタス』だ!」




『──残念でした』


「え?」


 床が落ち、底にある無数の針に貫かれ、ジェイムズは死んだ。


「……ピラタス、じゃ、ねぇのかよ……?」


 ベネットは唖然としていた。


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