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ベネット遠征伝~女を汚す奴は、許さねぇ!~  作者: 神羅神楽
第七章 ロッテ~ベネットの脱獄作戦~
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ベネットの監獄生活

短いです。これ投稿したら少し寝ます。

 ベネットは、鉄格子の部屋に入れられ、手足に拘束はされていなかった。トイレと布団があるだけの部屋で、窓は高いところに格子がついて開いている。

 ただ鍵はカードキーになっており、《ポインター》で開けることは不可能。

 それでは格子を切ればよいのではないか? 実を言うとそれも無理。格子には高圧の電流が流れている。触れることは《ポインター》であっても無理。

 なによりも、交代制でジョーカーズの部下が監視しているため、下手な動きをすればイライザにすぐ伝わってしまう。


 食事は格子の下の方の窓から渡される。主にパンと缶詰と水。非常にひもじい。

 しかしベネットは3日の間、その生活に耐えた。


 だが、4日後。

 格子のドアが開けられ、ベネットは背中に拳銃をつきつけられ、ある部屋に連れていかれた。

 ここで《ポインター》を使って部下を殺して脱獄することも可能なのだが、ベネットにはトロイメライから首輪の鍵を奪わなければならないということ、下手な動きをすればイライザの《エクスプロージョン》でこのアジトごと吹っ飛んでしまうということが、彼の足かせになっていた。

「入れ」

 ベネットは中に入り、冷や汗をたらりとひと筋たらした。


 X字の拘束具や、アームが天井から伸びているベッドなどがある。

 一目で拷問部屋だと分った。


 ベネットは上半身裸にされ、X字の拘束具に固定され、動けなくなった。

 そして反対側のドアから。

「ジャーリジャリジャリジャリ! 監獄生活は楽しくやってるかなぁベネット?」

「…………」

 トロイメライが鞭を持って、にやりと笑っている。

「さぁ、楽しい拷問の時間だぜぇ。ジャーリジャリジャリジャリ! 何を要求しようか。そうだな……ジョーカーズに入らねぇか? ベネット?」

「……断る」 

 するとトロイメライは鞭を振るい、ベネットの肌に傷をつけた。そればかりでなく、鞭は電流が通っていて、ベネットは鞭の電流を喰らった。

「がああああっ!!」

 悲鳴を上げるベネット。鬼畜少女トロイメライはジャーリジャリジャリジャリと笑い、

「もったいねぇなぁ。ジョーカーズに入れば好待遇だぜぇ? こんなまずいパンと缶詰なんざ食わせたら死刑だな。ジャーリジャリジャリジャリ! どうだ?」

「……あのクソ女の下につくくらいなら、死んだほうがマシだ」

 そこでトロイメライはまた鞭をふるう。

「この状況下で姐さんの悪口を言うたぁ肝が据わってるねぇ。だがジョーカーズに入ると認めない限り永遠に鞭は止まらねぇぜ?」

「……上等だ」

 そしてベネットは鞭を50発ほど喰らい、胸や腹部はすっかり蚯蚓腫れで痛々しいものになった。

「……今日はこれくらいで勘弁してやる。よくよく考えることだな。ジャーリジャリジャリジャリ!」

 ベネットの拘束が外された。

 そこでベネットが、トロイメライの背に向けて《ポインター》を放った。

 だが、トロイメライは意図も容易くそれをキャッチし、

「《ホーンデッド》」

 と言い放ち、ベネットは再び動けなくなった。

「ぐっ……」

「おいおいベネット。おめぇはそんなに馬鹿野郎だったのかぃ? まぁいい、今回は許そう。しかし次そういう真似をしたら殺す」

 トロイメライは黙って部屋を出て行き、ベネットは牢屋に連れていかれた。


 ベネットはその夜、エリザベスの夢を見た。


 エリザベスが、目の前で宙に浮いている。

 青い光を帯び、視界の奥ではイライザの死体が転がっている。

 エリザベスは、

「私は、オリジン・イヴ……」

 と呟き、ベネットは腕を見ると、みるみるうちに腕が砂と化してぼろぼろ崩れていく。

「やめろ、やめろ、やめてくれ!」

 ベネットは叫ぶも、砂化は止まらない。

「エリザベスを返せえ、オリジン・イヴ!!」


 そう叫んで、目が覚めた。まだ外は暗く、恐らく午前3時頃とみた。


 夢の内容は全く理解できなかった。

 愛するエリザリスが出てきてくれたのは、苦しい日々にとっては潤いだったが、夢の内容は悲惨だった。

「エリザベス……てめえは一体何者なんだ……?」

 ベネットはそう呟き、再び布団にもぐった。


 そうして、12日間が過ぎていった。

 その間にトロイメライに5回拷問をされ、ベネットは満身創痍になっていた。

 だが、それがベネットの狙いだと、誰が気づけようか。

(……そろそろ、LEVEL2に能力値が上がるだろうな)

 そしてまたドアが開かれ、トロイメライが出て来た。

「楽しい拷問の日々だったが、もう最後の拷問の日だ。もうお前は2日後に死ぬ。ジャーリジャリジャリジャリ! 何もできないクズだな、お前は、ジャーリジャリジャリジャリ!」

「あ?」

 ベネットは怒りに満ちた目でトロイメライを睨む。

 トロイメライはその目を見ると、唾を吐き、

「さっさと行くぞ」

 と、部下に指示を出した、が。

「おいガキ」


「ひとつ俺と手合わせ願えないだろうか?」


 トロイメライは振り返り、にやりと微笑み、

「そうか、明後日が待てなくなったか。いいだろう。殺してやる、ジャーリジャリジャリジャリ!」

 トロイメライは大きな口で歯を見せて笑い、

「ついて来い」

 と、拷問部屋を通り抜け、広い部屋へと連れて行った……。


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