必殺異能、キラー・チューン!!(挿絵あり)
英語の文法とかかなり無視してよくわからない歌詞を書いてます。すみません。ちなみに歌詞はオリジナルのつもりです。
「何の真似だ……ふざけてるのか……?」
派手な格好になったダーシーにサムズは苛立ちを覚える。
「おばあ様……? 俺はどうすれば?」
「ギフテッドは直感で異能の使い方が分かる。自分を信じな!」
「ふん……《パンデミック》で消しさってくれる……」
サムズは手を前に出した。
「《パンデ……》」
「ええいやけくそだ! ミュージック、スタアアアアト!!」
ダーシーはギターを鳴らした。
すると。
「ぐあああ! 頭が、頭が痛いいい!」
サムズが頭を抱えた。
ダーシーはギターをかき鳴らす。
「Come on Come on Come on crime! Come on Come on Come on commonsense~♪」
意味不明な歌詞を歌いながら、演奏する。
「ギャアアアアア!!」
サムズは地面に伏した。
「すごいわ、ダーシー、なんかめちゃめちゃダサイけど、カッコいいわ!」
「やっちゃえやっちゃえ~!」
「おらサビに入るぜぇ! Angel is sex machine!! Angel is sex machine~♪」
ダーシーのギターから音符が現れる。それがサムズの眉間に激突し、サムズは電撃を喰らう。
「ギャアアアアア!! まさか……この……私が……」
サムズは身体の隅々から煙を出し、大きかったからだは崩れて縮小化し、とうとう仮面が外れ、中からガイコツが現れ、サムズは完全に消えた。
「Happines forever!! ……フィナーレだ」
「ダーシー!」
ハーマイオニーが叫ぶ。
女史たちはハーマイオニーの拘束を解いた。
ハーマイオニーはダーシーに抱き付いた。
「無事でよかった……お前、本当によくやってくれたねぇ……」
「おばあ様、こんなになるまで助けられず、申し訳ございませんでした。ですが」
ダーシーはハーマイオニーを突き放し、
「私には、まだ助けなきゃいけない仲間がいます」
──外。
「ビショップ・ガール。あなたはもう十分やってくれた。私がエリザベスを持ち帰るわ」
「え~姐さん、エリザベスともっとうち遊びたいんやけど~」
「私に立てつくの?」
イライザは鋭い目でビショップ・ガールを睨み付ける。ビショップ・ガールは怯え、ひるむ。
「さあ、エリザベス。いらっしゃい。悪いようにはしないわ」
一歩一歩近づいてくるイライザ。
「……command;type-B!!」
エリザベスは機関銃の形からボウガンの形に変え、エリザベスを狙って。
「発射!」
「《エクスプロージョン》」
ボウガンから放たれたレーザーは、イライザの指先の爆発によってかき消された。
「嘘でしょ……?」
「あんまり手を煩わせないで。さあ、来るのよ!」
イライザはエリザベスの袖に手を触れた。
そのとき。
青い光が強く発光した。
「──っつ!?」
イライザは初めて動揺した顔を見せ、手を離した。
「くっ、ヴァルハラが完成しつつある……。厄介ね。もういいわ。ビショップ・ガール。あなたの好きにしなさい」
イライザは船から降り、巨大な日傘を差し、船から飛び下りてそれをパラシュートにしてふわりふわりと降りて行った。
「やったぁ♡ 遊ぼな、エリザベスちゃん。あんたの血が全部外に出るまでな! 《エクトプラズ……》」
「ミュージック、スタアアアアト!!」
ギターの音が鳴る。
「いやああああ! なんやねんこの音! 頭が割れるぅ!!」
ビショップ・ガールは頭を抱える。
「ビショップ・ガールだな。お前のために特別リサイタルを開いてやる」
「な、何やお前……まさか、ダーシー・カリカチュア!?」
「そうだよ!」
ダーシーはギターを掻き鳴らす。
「いたたたたたた!! こ、こんな攻撃、慣れてしまえばどうってことないわ。《エクト……プラズム》!!」
ビショップ・ガールは霊体を7体出現させた。
「うちのかわいこちゃんたち、やったれや!」
霊体はダーシーに銃を集中砲火した。が、ダーシーの前には、五線譜が出てきて、それがシールドになる。
「はああああ!? あんたの能力チートかい!?」
「Boys want to be superman!! Girls want to be cube suger!!」
ダーシーの音符が次々と出現し、霊体に激突する。すると、霊体は電撃を喰らい、消える。
「うせやろ!? 霊体に攻撃は効かないはず……」
「俺の勝ちでいいかい~?♪」
「ボケが、あたしがやったるで!」
ビショップ・ガールは猛スピードでダーシーの前に行き。
釘バットを胸もとから取り出し、思いっきりダーシーの腹部を殴った。
「ぐはぁっ!?」
ダーシーは3メートルほど飛ばされ、倒れた。
「ダーシーさん!」
「アハハハハハ!? どないした? 演奏中止かワレェ!」
ビショップ・ガールは銃を構え、
「うちをさんざんコケにした奴は、7万回死んでもらうでぇ。死ねや」
発砲し、ダーシーの胸部を銃弾で貫いた。
「ダーシー!!」
女史がかけつけた。
「死んじゃ嫌、ダーシー! 起きて!」
涙を流しながら、ダーシーの体をゆする。
「……誰が死ぬっつった?」
「!?」
ビショップ・ガールはひどく驚く。
ダーシーはおもむろに起き上がり、
「銃を喰らっただけで演奏を中止するなんて、ロックじゃねぇんだよぉ!!」
再びギターを掻き鳴らし、
「Heaven is smilling us!! Let’s toss all of us!!」
音符を次々と繰り出し、ビショップ・ガールにぶつけた。
「いやあああああああああ!!」
ビショップガールは電撃攻撃にダウンし、崩れ落ちた。
ダーシーは演奏をやめ、こつこつとビショップ・ガールの許へと向かった。
「嫌……嫌や……こないで……もう許して……」
そしてビショップ・ガールの目前に立ち。
「フィナーレだ」
ギターを外し、それを思いっきりかかげて、
「Rock fuck drug!! And Love and peace!!」
「あかん、これ完全にやばたにえん……」
「ジャスティス・クラッシュ!!」
ギターを思いっきりビショップガールの頭に叩きつけた。
ビショップガールはそのまま、倒れた。
「ダーシーチェアマン!」
降りてきたウィッカムが駆けつける。
そして、ビショップ・ガールの脈をとる。
「……死んでいるのであーる」
「「いよっしゃあああああ!!」」
ダーシーはみんなとハイタッチし、再び同心円状の光に包まれ、元のスーツ姿に戻った。
「あー……疲れたぜ」
「素敵よ、ダーシー」
「ずるいや、あんなカッコイイ異能!」
「ダーシーさん、すごいです! ベネットさん、いい加減起きてください!」
「……面白くねぇから起きねえ」
ダーシーはハーマイオニーを飛空艇に乗せて、エリザベスの異能で傷と服を修復させた。
ハーマイオニーは語りだした。
「ダーシー、今まで黙っていたけどねぇ。あんたは処女懐胎で生まれた、天使なんだよ」
は? と全員が口をあんぐりと開けた。
「おっしゃっている意味が全然分からないのですが……」
「ジニーは不妊の子でね。でも敬虔なる信徒だった。あるとき神からお告げがあり、お前のお腹に子をやどし、異能を授ける、ただし、時が来るまでそれを使わせてはいけない、そうおっしゃったんだ」
「じゃあ、私の羽根は……」
「そうさ、天使特有の羽根だよ」
クローバーズ全員は驚き、顔を見合わせた。
「ダーシー、お願いがある」
「なんですか?」
「あたしを逮捕してくれ」
「……それはできません。私は警察ではないですから。ですが、私もお願いが」
ハーマイオニーはほほ笑んだ。
「どうかシェルターに入り、来るジョーカーズとの戦いに加勢してください。あなたの異能、《プラズマ》で」
ハーマイオニーは、相手に強力な電撃を喰らわせることができるギフテッドだった。
「そうかい、こんなおいぼれでも役に立つだろうか……」
「あなたはまだお若い方ですよ」
「ダーシー……」
ハーマイオニーはダーシーの手を取り、
「どうか、ジニーにもよろしく言っておいてくれ。それと、私は孫の成長をこんなに嬉しく思った日はないよ」
「おばあ様……」
じわりと浮かんだ涙をぬぐうダーシー。
「私、絶対にジョーカーズを壊滅させます!」
「ハーマイオニーさん、空賊はやめるんですか……?」
エリザベスがおずおずと問う。
「そうだね。いや、一からやり直すよ。気が変わった。あたしもダーシーに負けてられないからね!」
そしてクローバーズ本社に戻り、ダーシーは、ハーマイオニーをジニーと一緒にシェルターに連れていくことにした。
ジニーも泣き、ダーシーに接吻した。
──シェルターの前。
「随分お金をかけて作ったのね」
「必要なものがありましたら何でもおっしゃってください。すぐに用意させます」
「ダーシー」
ハーマイオニーが声をかけた。
「生まれてきてくれて、本当にありがとう」
「……はい!」
ダーシーはまた涙をぬぐった。
数日後、事務所に出勤すると。
「……は?」
ウィッカムが白いタキシードに赤いゴーグルをかけ、ギターを弾いていた。
「ミュージック、スタアアアアト!!」
そして音の鳴らないエレキギターを適当にがちゃがちゃ弾いた。
「Angel is sexmachine!! Come on Come on Come on crime!!」
コリンズ女史はそれを見て大爆笑していた。
「おやダーシーチェアマン。見てくれ。私が完全にお前の異能を再現したコスプレなのであーる」
「……誰の差し金だ?」
「ほかでもなく、コリンズ女史なのであーる」
「あははははは!! あははははは!! ウィッカム、決め台詞決め台詞!」
「ジャスティス・クラッシュ!」
コリンズ女史は大爆笑。
ダーシーは激怒し、
「ざっけんじゃねえぞてめえら!! 解雇だ! 解雇だ!」
エリザべスやエルザたちもお腹を抱えて笑い、クローバーズは笑顔に包まれた。
「もうあんな異能、二度と使わねえー!!」
喫煙室でベネットは、今晩のエリザベスの作るおかずは何かぼんやり考えていたのであった。
第五章 完




