最後の夜
我々たちは、海とは反対側の方向にある神社に向かった。あの子供がいたところを通らないと、安心し、我々たちは、昔のお祭りトークや花火の話をしながら向かっていったのであった。
[でも、以外ですよね!先生がまさか、祭りに1、2回しか行ったことがないなんて]
[こういうものは、1人で行けないし、大体どこでもやってること同じだから、行くのやめたんだ…]
ふふふ、と笑いを堪えられず、思わず笑う
[何がおかしいんだ……はぁ、よく妻にも笑われたもんだ]
[え!?]
びっくりして固まる。
[あ、あの……]
[ん?なんだ?祭りで好きなのは、焼きそばだ。いつも車で待ってたら、娘が買ってきてくれてね]
[む、娘!?]
[あぁ、今は都会の中学校に行くために一人暮らししてるよ]
[略奪……若い方が絶対いいんだから……]
そう小声で囁く。
[ほら、先生!はぐれないように、手を繋ぎましょ?]
先生の手を取り、走り出す。
[ほらほら、早く行かないと、チョコバナナが溶けちゃいますよ!]
[チョコバナナは、冷凍庫に入れられてるから、溶けないと思うんだが……あぁあああ]
思いっきり、引っ張られ、叫んでしまう。
[つきました!チョコバナナ屋さん!すいません〜2つください!]
[お、お二人さん親子かい?1つおまけしておくよ]
[はっはっはっ、うまいこと言うじゃないか、お兄さん我々は、生徒と教師さ]
[そ、そうなのかい?お嬢ちゃん]
[そ、そうですよ!私達まだそんなに年齢離れてないし!言うなら夫婦かカップルでしょ!!!]
[実際は、どれでもないんだけどな、ありがたくおまけもらうぞ]
チョコバナナを食べながらほかの屋台を見ていく。
[ねぇ、先生]
[どうした?]
[射的で、私が勝ったら、仕方ないですから、娘と離れてて寂しそうな先生を慰めるために先生の娘として扱ってもいいですよ!]
[はは、それはありがたい、じゃあ、私が勝ったら、妻として今日1日、妻として過ごしてくれるかな?まぁ、もう今日も終わりそうだけど。]
今日1日、夜……ぽーと赤くなり、チョコバナナをいっきにたべる。
[さぁ、行きましょう!]
[すいませーん、2人でしたいんですけど、ポイントとか付けることって可能ですか?]
[ポイント?]
[あぁ、我々は射的で勝負するのだが、それで点数勝負がしたいんだ]
[なら、でかいクマが100、小さいお菓子が10、おもちゃが50でどうだ?]
でかいクマの人形は、絶対この弾じゃ、倒せない見た目をしていた。
[おし、やるぞ]
弾を5つ貰い、1つ目を詰める。
なかなか当たらない。
[くっ、まだ小さいお菓子しか取れてないんだが……]
[ふふ、先生見てください!おもちゃと小さいお菓子が取れました〜]
[くっ、ならここで一発逆転を狙って、くまさんを狙いに行くしかない]
[そういえば、今何時だ?]
[今は、20時59分ですね……]
なら、と構えたまま動かない。
すると後ろでドーンと音が鳴りはじめる。
[いまだ!!]
その瞬間、くまを撃つが、全く動かず、終わるのであった。
[そんな……花火の風が合わさって絶対行けると思ったのに……]
[先生、どんまい!]
[それにしても、よく当てれたね、えらいえらい]
頭をなで、褒める。
[ふふ、先生の娘なんだから、もっと大胆にしたり、屋台奢ってもらうぞ!!]
どっちに転んでも、生徒の勝ちになるのであった。