悪魔を呼び寄せし者
我々は、海で心を洗うように、浮き輪にもたれかかり、プカプカと浮かんでいた。
[はぁ、なぜこんなことになったんだろうな]
それは、あの時に遡る。
〜〜〜〜
[先生〜、ちょっと泳いだら、イカ焼きを食べに行きませんか?]
サンダルを忘れ、暑い砂浜をあちあちと走って海に向かう先生にいう、
[あぁ、いいけど、俺我に水球で勝ってからな!]
そういい、先生は、私に向かってボールを叩きつける。
[先生まだ陸です。まぁ、負けたら奢ってくださいよ?]
私は海に入り、ボールを弾く。
[おら!]
[そい]
何回が続き、先生は大きな胸が揺れているのに気がついた。
[あぁ、こういうのがやりたかったんだ……]
そういい、打ち返そうとした時、突然サイレンがなり始めた。
[きゃーーーーーーー]
と女の子の叫ぶ声が聞こえ、我々は走って見に行くことにした。
[すいません、何かあったんですか?]
集まっていた野次馬に聞く。
[は、はい、あそこでイカ焼き屋の前で倒れてる人を見つけて、起こそうとしたら、血がついてて……]
[とうとう、起こってしまった……]
[先生あそこ見てください!]
生徒が指を指した先には、探偵と治癒使いが来ていた。
[はぁ、こんなところでも、事件が起きちゃうなんて、ついてない……]
[まぁまぁ、早く解決して、遊ぼ?]
[う、うん]
そこに居たのは、事件が起き、落ち込んでる女の子とそれを慰める男の子であった。
[ち、ちょっといいかな?私医者のもので本当に死んでいるのか、確かめたいんだけどいいかな?]
[ダメです、私達が、確かめるので必要ないです。なぜなら、私達は探偵、あなた達は、部外者or犯人、なら、近づかせず、遺体に触らせて証拠処分などされたらめんどくさいですもの]
[あはは]
と少年の方は、笑いながら倒れていた男の脈と心臓の音を聞く。
[どうやら、ダメだったみたいだね]
[さぁ、誰か見た人はいないかしら?どんな小さな情報でもいいわ!]
[あ、あの、私は第一発見者なのですが、その男がイカ焼きの店の前で倒れているのを見つけました!]
ふむふむ、と頷く。
[ここにある、打撃痕とさっきの証言を聞く限り、イカ焼き屋の中から殴って被害者を殺した可能性があるわ!]
みんなの視線がイカ焼き屋の主人に目がいく。
[ま、待ってよ!まだ明羽ちゃんの推理は終わってないよ!]
[そう、私はこの事件が起こる前にここを通ったけど、ここには誰も倒れてなくて、イカ焼き屋もやってなかったかしら!]
[そうだ、彼女の言うとおり、このイカ焼き屋の亭主は、毎日12時半になるとご飯休憩として、海の家の知り合いの家に行くんだ]
[つまり、犯人は、たこ焼き屋のあなたよ!]
[な、なんで、俺が……]
[理由はふたつあるわ!1つ!たこ焼きとイカ焼きはライバルだから!]
[2つ!イカ焼きの中にイカ焼きで絶対使わない爪楊枝があったからよ!]
しばし、静寂がきた。
[あぁ、そうだ、俺が罪を被せようとこの人を殺したんだ……]
[やったね!明羽ちゃん!これで……]
少年は、死体の横に座り、胸の上に手を乗せ、呪文を唱える。
[お、俺は、寝ちまってたのか?]
被害者が起き、周りに歓声が沸く。
[す、すごい……まさか、本当に復活させるなんて、先生これは、決まりですね……]
[あぁ、一応明日まではここにいるぞ]
そういい、その場から去っていく。
[やったー!また復活させちゃった!くれはくんつよ〜い!]
後ろでは、そう言いながらみんなが笑い合い、喜びあっていたのであった。
[あ、先生さっきの勝負負けたから焼きそば奢ってくださいよ〜]
[なっ!?]
たしかに、打つ前にサイレンがなり、落ちてしまった。
[あぁ、焼きそばとかき氷食べようか]
こうして、この街への不信感が高まりながらも、自分は楽しんでいくのであった。