別の意味で怖くなるようなことを
闇人形について僕は聞いてみる。するとクルツが、
「先ほど襲われた青白い透明な怪物を覚えているか?」
「はい、それはまあ……」
「あれが闇人形と呼ばれるものだ。負の感情を持った魔力によってできていると言われているな。それに襲われると、動物の場合は魔王になって、人間の場合は軽い症状の時は体調が悪くなったりいら立ちが強くなったりする。それにより犯罪行為に走るものもいるし人によっては死に至る。……後は力の強い闇人形だとそれだけで、会者と同じだけの力を持つから、それに教わられて死者が出る場合もある、といった所か」
クルツが説明してくれたが、そういった危険な存在であったらしい。
それにここにきて一番に遭遇してしまった僕は凍り付いた。
もしもあのまま……。
僕がクルツに保護されなかった恐ろしい未来について震えていると、
「もっとも、異世界人のルネだったなら殺されることはないだろうな。今までもそうだったし」
「そ、そうなのですか?」
「うん、その闇人形たちにとって異世界人の魔力は美味しいらしくて。しばらく複数の闇人形にとらわれて、その……ええっと、“感じさせられる”程度にその、いろいろされるらしい」
「……え?」
「あ! 魔力は奪われるけれど、その間の生活の食べ物といった面倒は闇人形が見てくれるらしい。そして捕まったままでも時間が来れば異世界に戻れるから、そこまで怖がらなくても大丈夫だ」
などと、どう考えても別の意味で怖くなるようなことをクルツは言ったのだった。
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