誰かに恋をして
僕の前に突然オウルが現れた。
しかもちょうどいいらしい。
嫌な予感しかしない。
しかもなんとなく機嫌が悪そうだし。
逃げよう、全力で逃げよう……そう僕はそう思っていたのに。
がしっ
僕が逃げようとした瞬間、僕はオウルに襟首を掴まれた。
じたばたしてみるも全然外れない。
オウルもこう見えて結構力があるようだ。
それに身長差といった体格の差もあるのか。
僕だって好きでこんな小さくなったわけじゃないのに。
そう僕が涙目になっているとそこで、
「まさかこんな所で異世界人のルネにであうとはな。私としては実に都合がいい。ちょうど何かいい薬草はないか探していたのだが、異世界人の能力ももう少し調べたいと思っていたのだよ」
などとオウルが楽しそうに言う。
だが、だがその口調や様子から僕は何となくだが、感じるものがある。
この前の件の時と様子が似ているのだ。
だから僕は聞いてみることにした。
「オウルさんはラデュレさんと一緒にいたのでは?」
「……ここに来て再びあいつの名前を聞くことになるとは思わなかった。この不愉快な気持ちをどうしてくれようか。そしてここには可愛い異世界人のルネがいる。さあ、どうする?」
などとにたりと笑いながらオウルが僕に話しかけてくるも、そこで僕は大体の事を察した。
つまりこの前と同じで僕は関係ない。
だから僕はムッとしながら、
「オウルさん。ラデュレさんと痴話喧嘩をしたからといって、僕に八つ当たりをしないでください」
「……別に私は痴話喧嘩などしていない。私が一人で怒って出てきただけだ」
「……そうですか」
なんだかこの人頑なにラデュレさんが好きだと認めないなと思っているとそこで僕は気づいた。
仲が微妙とはいえ恋愛関係に関してはオウルは先輩である。
何か参考になるような話を知っているのではと僕は思った。
確かオウルの方がツンデレっぽい所があるが、完全にラデュレを邪険にしているわけではない。
多分少しくらいは恋人らしくお付き合いみたいなことはしているだろう。
だから僕は目の前のオウルに、
「あの、一つ聞きたいことが」
「なんだ?」
「オウルさんはどのようにしてラデュレさんを好きになったのですか?」
「いつ私があの『年中発情鬼畜変態ウサギ』が好きだと言った」
「え、えっと。その~、ラデュレさんとの出会いといったものを聞きたいなと言いますか、ラデュレさんをどうやってオウルさんは好きになってもらったのかを知りたいのですが」
「私が誘惑したとでも言いた……ん? 待てよ? 好きになってもらった?」
「はい」
「誰かに恋をして好きになってもらいたいのか?」
「そ、それはその……はい」
そう答えるとオウルは真剣な表情になり、
「誰が好きなのだ? そんな人とは接触していなかったと思うが」
「え、えっ、言わないとダメですか?」
「そうだな、言ったら私も少しは話してやってもいい」
そうオウルは言う。
僕は少し悩んでから意を決して、
「僕はクルツが好きです」
そう答えたのだった。
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