ふもふしたものが
異世界人は、この世界にやってくるとハムスターの耳が生えるらしい。
そんな馬鹿な、と思った僕だけれど、話はそこで終わらなかった。
「そうだ、だからハムスターの耳が……えっと名前は」
そこでクルツが僕に名前を聞いた。
そういえばまだ名前を名乗っていなかった、と思い出した僕は、
「佐々木流音といいます。名乗っていませんでした、ごめんなさい」
「いや、聞きそびれてしまった俺がいけなかった。可愛いなと思ってみていたから忘れていた。だがその容姿に似合って可愛い名前だ。えっとどこまで話したか……まず異世界人はこの世界に来るとハムスターの耳が生えて、後は、服装も変わるらしい、とのことだったか」
「え?」
そこで僕はようやく自分の服装に気づいた。
あまりな展開に周りの状況を見るのに精いっぱいで、そこまで気づく余裕がなかったのだ。
よく見るとフリルのついたファンタジーっぽい服装……なんだこれは、と思いながら僕は頭に手をやると、
「なんだかもふもふしたものが……み、耳が生えて……こっちの耳もあるし……」
「あ、えっとその、可愛いよ」
などと僕の不安? をフォロー? しようとしたのか慌てたようにクルツが言う。
だがそれは何もフォローになっていない。
というかどうして頭にこんな耳が……引っ張ってみると、感覚があるし!
僕が新たに気付かされてしまった事実に混乱していると、そこで部屋のドアがたたかれる。
誰か来たらしい。
そしてそのドアをたたいた人物は、クルツの返答も聞かず、勝手にドアを開けて部屋に入ってきたのだった。
評価、ブックマークありがとうございます。評価、ブックマークは作者のやる気につながっております。気に入りましたら、よろしくお願いいたします。