ハムスターの耳
なぜ僕はこんな男だらけの世界に、と思って呟いたのだけれど、それをクルツは誤解したらしい。
安心させるようにだろう、僕に向かってほほ笑んで、
「ああ、突然、異世界に連れてこられたら確かに不安に思うかもしれないな。でも時期が来れば、元の世界に戻れるから安心するといい。それにその後はこの世界と元の世界を行き来して遊びに行けるようになるらしいぞ」
と、軽い口調で僕に説明してくれた。
それを聞いて別な意味で僕は安堵して、
「そ、そうなのですか。よかった。もう帰れないのかと」
そう答える。
何しろ突然異世界に連れてこられて生活をしろと言われても、どうすればいいのか分からない。
だからもう一度僕は小さく、よかったと呟いているとそこで、クルツが優し気に僕を見ていることに気づく。
この人身長も高いしイケメンだし助けてくれたし優しいな~、などと僕が思っているとそこでクルツが小さく咳払いをしてから、
「それでこの世界について説明した方が良さそうだ。多分、そちらには全くなさそうだし」
「は、はい」
「いい返事だ。まずこの世界の名前だが、“エリュシオン”と呼ばれている。これまでの異世界人の話だと、獣人と呼ばれる者たちの世界だそうだ」
それを聞いて僕は、クルツにも犬耳が生えているなと思う。
獣耳がついているのは女の子しか許さないと思っていたけれど、クルツには似合っている気がする。
そこでクルツが僕の頭に目をやって、
「そして異世界人はこの世界にやってくるとハムスターの耳が生えるらしい」
などと僕に言ったのだった。
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