砂煙が上がったのだった
そうクルツに説明された僕だけれど、、僕としてはなんでそんな、エロ的な意味で危険な生物のいる海に連れてきたんだろうと思った。
まさかクルツは僕が、その生物に襲われるのを見たくて……。
などろ邪推しているとその視線に気づいたらしいクルツが、
「だが今の時期は昼間はほとんど出てこない。実際に浜辺を散歩している人がいるだろう?」
そうクルツに言われて周りを見回すと、確かに人はそこそこいる。
ここにいる全員が服を溶かされたいという性癖がある、とは考えられないというか、考えたくない。ただ、
「でも手をつないでいる人が多いね」
「それはまあ、ここが恋人同士で歩くと“結ばれる”といったジンクスがあるからかな」
「そうなんだ。でもいいの? クルツは。気になる人とかいないの?」
「……今は恋人がいないから構わない。それにルネが転ぶ方が一大事だから手をつないでいた方が良い」
クルツがそういった所で、僕達のあるく先の方から悲鳴が聞こえたのだった。
人の悲鳴が聞こえた。
何が起こったんだろう。
僕がそう思って悲鳴の上がった方を見ると、
「ピンク色をしたグミの大きな塊? それが大量に打ちあがっているけれど、なんだろう」
「あれが“海スライム”の変異種だ。通常は水色をしているが、変異したこれはピンク色になるんだ」
「どっ、どうしよう。というか僕の方にきて……」
「ふぎゃああ」
そこで僕はピンク色のスライムに襲い掛かられた。
まずは顔の部分にべちっと当たり、そのまま首の下にのそのそと這って行き、僕の服の中に侵入した。
「やらぁあああ」
「ルネ! ……これは仕方がないな。うん、ルネ、服を脱がすぞ」
「ふえええ、そ、それでもいいから、なんとかしてぇぇぇええ、やぁああああんんっ」
もぞもぞと肌を這い回り、僕の感じる場所を見つけて吸い上げる。
そのピンポイントで僕の感じる場所を見つける“海スライム”に僕は涙目で喘ぐ。
そこでクルツの手が僕の服の下の方から入ってきて、ぐっとその“海スライム”を掴んだようだった。だが、
「ふええ、押したり擦ったりしないでぇえええ」
「ルネ、もう少し我慢するんだ。このっ」
「やぁあああああああ」
そこで僕はようやくクルツの手によって“海スライム”を取り除かれる。
その“海スライム”はクルツの手によって砂浜に落とされて、剣で倒された。
切り裂かれた後は霧のようなものになり、周囲に消えて、後には透明な石が一つ転がる。
「その石は魔力の塊だから、後でアクセサリに加工してもらおう。ルネには似合いそうだ」
「アクセサリ? この……魔力の石? みたいなもので?」
「うん、ルネが守られるならいいなと思って」
「ありがとう、クルツには迷惑ばかりかけている気がする」
「前も言ったが俺がしたくてしているだけだ。むしろもっと甘えてくれていい」
そう微笑むクルツ。
すごくいい人すぎてどうしようかと僕は思う。
何か僕にできることはないだろうかと考えて、一番できそうなのは料理だと気づく。
よし、頑張るぞと思っているとそこで、
どおおおおおん
突如砂浜に、砂煙が上がったのだった。
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