なんとかする
それから僕はクルツに連れられて、クルツの家にやってきた。
正確には部屋であるけれど。
作りは一番初めに連れてこられた騎士団の詰所に似ている。
小さめな部屋ではあるが一人なら十分な広さはある気がする。
とはいっても二人くらいはいられそうな広さではあるが。
ただそこを見ていて僕張ることが気になった。
「生活感がないような」
「普段はあまりここに寝泊まりしていないからな」
「そうなんだ。でもどうして?」
「……騎士団の詰所に泊まり込む場合があるから」
少し口ごもったようにクルツが答える。
あまり褒められたことではないがら、あまり言いたがらないのかもしれない。
だからそれ以上聞かないでいると、
「それで、この部屋はルネが自由に使っていい。他になにかあるかな?」
「今は生活ができれば十分です」
「そうか、では食事をとったら今日はここでお別れだ」
「え?」
どうやらクルツはほかに行く場所があるらしい。
異世界に来たばかりなので不安があった僕は聞き返してしまうとクルツが、
「その、俺もいかないといけない場所があって。でもこれからはここで寝泊まりできるようにするから」
「う、うん。でもそんな無理は……」
もしクルツの負担になってしまうのならと僕は思って聞くとクルツが笑う。
「遠慮しなくていい。それにルネの能力を放置している方が色々な意味で危険だ。だからなんとかする」
「ありがとうございます」
そう僕が答えるとクルツは僕の頭を撫でて、夕食に向かったのだった。
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