恩返しができればと
そして休憩を少ししていると、そこでクルツが、
「でも特殊能力がどんなものか分かってよかったのでは」
「そうですね。でも“効率チート”って何だろう。効率をよくするチートらしいけれど、今一、イメージがわかない」
そう聞くとクルツが少し黙って考えてから、
「魔法を使うときに特殊能力を使ってみるといいかもしれないな」
「魔法? でもどうやって使ったらいいのか分からないのですが」
「簡単なものであれば俺でも教えられるから、人のいない場所で試してみるか?」
「本当ですか!? わーい、魔法使いデビューだ」
そう僕が言う。
だって漫画やゲーム、小説のように魔法が使えるのだ。
出来る事なら誰だって試したいだろう。
僕が喜んでいるとそこでクルツが、
「もしルネに魔法の才能があるならオウル兄さんに聞くといい。兄さんは魔法の線も可だからな」
「そうなのですか? 僕に魔法の才能があるといいな。そうすれば色々な魔法が使えて……クルツのお手伝いもできるかな?」
「俺の?」
「うん。この世界にきて親切にしてもらっているから、恩返しができればと思って」
「そういった事は考えなくていい。俺が好きでやっているだけだし」
そう答えながら、クルツのしっぽが嬉しそうに揺れているのが見えた。
しっぽに感情が現れるのだなと思いながら僕は、そこでクルツに手を握られる。
クルツが微笑んでいて、それを見ているだけでソワソワするような変な気持ちになったのだった。
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