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お互い両想いなのに

 頭が痛くなったらしいクルツが額を抑えながら、


「もう少し兄さんの気持ちも考えてください。ああ見えてオウル兄さんはラデュレさんの事が大好きすぎるので、次はどんな行動をとるのか分からないんですよ?」

「それくらい愛されているのは分かっているよ。でも僕だって同じくらいオウルを愛しているし、それゆえに自分の欲望を抑えきれなくなるんだ。でもこれ以上ここにいるとクルツの小言が多くなりそうだから逃げるね。ばいばーい」

「ラデュレさん! ……行ってしまった、はあ。あの人も人の話を聞いてくれないんだよな」


 疲れたようにクルツが呟く。

 こう見えて結構苦労性なのかもしれない。と、


「まったくなんであんな風に拗れてばかりなんだ。お互い両想いなのに。ラデュレさんは兎族だから、というのもあるだろうが、もう少し何とかならないのか」


 そんな愚痴をこぼすクルツ。

 そこで僕はあることに気になったので聞いてみる。つまり、


「種族によって、性質が違うのですか?」

「ああ、と言ってもそこまでの強い種族の違いは普通は出ない。だが貴族といった魔力の強い人達の場合は、その傾向が強く出るらしい。例えば、ウサギは一年中発情しているとか」

「あ、はい。オウルさんとラデュレさんがこじれている原因ですね」

「そうだな。でもラデュレさんの場合は、昔からオウル兄さんにああ見えて一途だし、オウル兄さんも本心では……だし、俺としてもどうしようかと」


 そうぼやく様に、クルツは呟いたのだった。

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