第11話 冒険者ギルド
ニーナに連れられて、10分ほど歩いた所に冒険者ギルドがあった。大きな二階建ての石造りの建物だ。両開きのドアを開けて中に入ると、ギルドの一階は半分は酒場のようで、仕事が終わったおっさんが酒を飲みながら、今日の狩りの出来を自慢し合ってなかなかに騒がしい。
ニーナが「こっちだよ〜」と言いながら、受付の方に向かっている。
受付は3つあり、右からとんがった耳の金髪美人さんはエルフ、その隣はスリムに見えるけど胸のボリュームがハンパない茶髪の美人さん、左側が猫耳がもふもふで可愛い美人さんだった。(ここの受付は美人しかなれんのか!)
ニーナが先に依頼達成の報告を金髪のエルフさんにする。
「エリスさん薬草取ってきました〜」
「あらニーナちゃん、上手く採取出来たみたいね、初めての依頼達成ですね。おめでとうございます」と達成報酬を受け取った。
「次の方どうぞ、今日はどうなされましたか?」
「初めてやねんけど、登録お願いできますか?」
「初めてですか?それでは登録いたしますので、こちらの用紙に記入お願いします、代筆は必要でしょうか?」と受付に記入用紙を用意していた。
「大丈夫や、書けるよ〜」
記入用紙には、名前、年齢、住所、所持スキルとあったのでエリンさんに「私は旅のもんやから、住所はないねん、それと家名とか所持スキルって書かなあかんのん?」
「住所は書かなくても問題ありません、このデルファンにしておいても良いですし、家名は出来たら書いておくほうがいいですね。言っていただければ、見えないようにしておけますし。スキルは得意なスキルを書いていてくだされば大丈夫です」
言われたように書くことにする。
【名前】 ユリ・アリス
【年齢】 15才
【住所】 デルファン
【所持スキル】 鑑定・全属性魔法初級
記入し終わりエリスさんに用紙を渡す。その時に家名は見えない様にしてもらう。
「はい、大丈夫ですね、冒険者カードを作成致しますので、その間にギルドの説明を致します」
エリスさんの説明で冒険者にはランクがあること。ランクはSSSからGまで。新規登録したらGランクになること。依頼はランク毎に別れていて、1つ上のランクの依頼までが受けれること。依頼期限内に依頼を成功させなかった場合は、失敗となり違約金を払うこと。常時依頼の薬草などは採取してから依頼書と一緒に提出しても良い、但しその日に採取した物のみ。ランクアップするにはDランク迄は、依頼をある程度こなすと上がれるが、Cランク以上はランクアップ試験を受けるか国の危機などに対する貢献などで可能になる。ほとんど発生しないがギルドが発行した緊急依頼は、その緊急依頼のランクに該当するものは強制参加しなければならない。参加拒否には罰則がある。冒険者同士のいざこざにギルドは関与しない。
以上が簡単な説明で、残りの細かい規約が冒険者ギルドの手引書に書かれているので、よく読んでおくようにと手引書を渡してくれた。
「カードが出来ましたので、お渡し致します」とカードを受け取った。
カードを確認すると
【名前】 ユリ
【年齢】 15才
【ランク】G
【住所】 デルファン
【所持スキル】 鑑定・全属性魔法初級
となっていた。
ニーナが待ってくれていたので、エリスさんに「ありがとう」とお礼を言ってから、一緒にギルドから出て行った。