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地上戦

 ダイブ機器を使い、すぐにドルグのボディに乗り移る。

 何度やっても慣れないが今後利用する事は無いだろうからな……押し付けられても返品するわ。


「おはようございます」


「うぉっ、びっくりした……」


 銀ピカボディのアンドロイドが素っ裸で立っていた。

 こう、ターミネーターの骨格むき出しみたいな奴。

 ……あ、一応骨盤の形は女だ。


「マスターアナスタシアを確認、ご命令を」


「……どうやって判断したのかは後で聞くとして、状況はどうなっている」


「はい、現在養成所の学生教員共に武装し敵対勢力と交戦中。また地上からマスドライバーを用いて上空の敵機の排除を試みています」


「敵勢力の質と数、それと宇宙ではなく上空の敵機数と質を」


「敵勢力はいずれもアンドロイド、あるいはレプリカントで構成された部隊です。損耗を気にせず直進してくるため脅威度は低いものの数は万を超えています。正確な数は不明ですがアンドロイドだけで3万7821体。上空の敵はハンガーを破壊した後警戒態勢で各種方面の船を見張っております。マスターがそのボディで乗っていたダンゴムシも既に抑えられています」


 なるほど……アンドロイドの数は分かったがレプリカント、つまりはクローンや今俺が使っているドルグみたいなボディの数は不明か。

 もしかしなくても協力者の中にもいたんだろうな、顔繋ぎ役としてこれ以上なく便利な存在だ。

 なにせマイクロチップとかで縛ってしまえば口外することも無ければ、死んでも惜しくない。

 いざという時は自爆させられるとなればそりゃもう重宝した事だろう。


「武器はあるか」


「ブラスターを3丁とエネルギーアモ20個、プラズマグレネードを3ダース用意してあります」


「……そうか」


 武装面では圧倒的に数が足りないな。

 ここから打って出るにも武器の量で負けている以上すりつぶされるのを待つばかり。

 メリナがハッキングで宇宙を奇麗にしても地上に降りるのは難しそうだ。


「メリナに打診、ハッキングと並行しつつ地上戦力の出現位置とアンドロイドやレプリカントをコントロールしている場所を大至急」


「送信完了、返答、無茶を言いますねぇ、でもやってみせます。3分持ちこたえてくださいとのことです」


「5分やるから確実に敵の要所を見つけ出せと伝えてくれ、一つも逃すな」


「了解、とのことです」


 さて、これである種の反抗手段は見えてきた。

 とはいえこの攻撃、惑星規模となるとどこに何を隠していてもおかしくない。

 あの野郎は諸共死ねと、ベルセルクも死ねと言ってきた。

 下手しなくても反物質くらいは隠していそうだ。

 対処法はあるにはあるんだが……少なくない犠牲者は出るだろう。


「所長の所へ案内してくれ。道中の敵は残らず潰す、ブラスター2丁とグレネードはお前が持っておけ。……こんな時だが名前がないと不便だな。この場にて命名する。お前は今からマリアを名乗れ」


「合わせて了解いたしました。個体名称マリア、これより養成所所長の現在地まで案内を開始します。戦闘モードオン、索敵開始、道中までの最短ルートを検索、問題発生、最短ルートに敵多数、安全なルートへの変更を打診します」


「却下だ。敵が500以内なら対処可能と考えて最短のルートを突き進む」


「かしこまりました」


「それともう少し人間らしい喋り方してくれた方が俺としては接しやすいんだが……」


「りょっ! そんじゃチャンマス! こっちだからついてきてね☆」


「すまん、無茶言った。さっきまでの喋り方でいいわ……」


 ターミネーちゃんにギャル語で話されるって滅茶苦茶きついな……メリナなら大爆笑してたかもしれないけど、シリアスな局面でそれやられると俺は萎える。

 というかやる気が削がれる。

 今のだけでメンタルにダメージ入ったわ糞が。

 少しは気を紛らわそうとしただけだったのに……この怒りは敵にぶつけるか。


「部屋を出てすぐ接敵予定です」


「近接武器はあるか? 鉄パイプでも何でもいい。それとマリアのボディの装備で使用できるものも教えてくれ」


「ソニックナイフが一本あります。このボディの装備ですが現在大半がエネルギーの問題、並びに整備の問題で使用不可能です。腕に取り付けられたブレードも右腕に装着された一本だけ展開可能ですが、収納ができないためブラスターの使用に影響が出ます」


「ナイフをくれ。それと右腕のブレード展開、ブラスターは左で狙い右で弾をばらまけ」


「了解」


 ジャコンと飛び出すブレード……まるでカマキリだな。

 なんかこう、サイバーチックな感じでかっこいい。

 俺も機械化するときはあれつけてもらおうかな……。

 しかしソニックナイフか。

 レプリカント相手に不意打ちできる武器が欲しかったんだが、高周波ブレードとも呼ばれる類を手持ち装備として使えるようにしたこいつならアンドロイドの首も落とせるだろう。

 問題があるとすればこいつもエネルギーパック使うし、アンドロイドかどうかの見分けがつかないなら確実性を求めて常に振動させておいた方がいいってことくらいか。


「そんじゃ行くぞ。3、2、1ゴー!」


 ドアを蹴破り外に出る。

 同時に敵アンドロイド……幸いな事に皮は付けてない奴が5体歩いていたのでブラスターで二発、敵の頭をふっ飛ばして続けざまにナイフでもう一体の首を落とす。

 アンドロイドの指令受信送信は頭部で行うからそこを切り離せば大抵問題は解決する。

 たまに虫みたいに関節ごとにそれらを持ってる奴もいるけど、皮を惜しんでいるくらいだからそんな事はしないだろうとあたりをつけてだ。

 問題があってもマリアが何とかしてくれるだろう。

 一方マリアだがアイアンクローで一体をしとめて、もう一体はブレードで真っ二つにしていた。

 頼もしいじゃないの、こいつの本領を発揮する場面が早く見た……いや、あんなオーバーキルスペックな本領発揮するような場面にはいたくないな、うん。

 とりあえずメリナの索敵が完了する前に所長に会いに行くとしよう。

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