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空想支社の受付でカードを提示し、来館の登録をしてもらう。
World World Co.,Ltd の支社間であれば、受付で登録してもらうと社員証で来館できるようになる。
これだけは本当に楽なシステムだと思う。
RPG課に案内してもらい、担当者を呼んでもらう。
すると、田嶋ちゃんを彷彿とさせる冴えない男の子が出て来た。
「あ、え、あ、え。」
おかしいな。
言語翻訳システムが機能していないのだろうか。
「え、あ。」
「あー、もしもし?」
「あ、あ、あ、あ、もしもし。」
ダメな子のパターンっぽいぞ。
「まずは、えっと、銀河世界 地球支社の斉藤ルタンです。」
「ち、ぼ、ああああーる、……PG課の。者です。」
名乗れよ。
「ぴっ、ぴぴぴピーターです。」
「……ピーターさん?」
「はいぃぃっ!!!」
これは、苦戦するぞ。
そう覚悟した矢先、ピーターさんを呼ぶ怒声が聞こえる。
可哀想に、怯えきってしまっておろおろとしてしまっている。
「フアンさんから話は聞いています。自分で探すんで、許可証の発行だけお願いできますか?」
「あ、はい、はい、やっておきます、すみません。」
そういってぺこぺこと頭を下げた後、奥のデスクへと走り去って行った。
怒声を背中に受けて、俺は受付へと戻る。
「テメェコラピーター!!!! ぶっ殺されてぇのかよおお!!!!!」
「すみませんすみませんすみませんすみません」
今だけ言語翻訳システム壊れてくれないかな。
「フアンの野郎の仕事なんか受けんじゃねえって何回言ったと思ってんだボケが!!!!」
「すみませんすみません、でも、あの」
「でももさってもねぇだろうがよ!!!」
ウチでした、すみません。
でももう俺には関係ないんで、仕事戻ります。
早足で受付に戻ることにした。