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4-1

ドゥーアの女神の一件から、俺の元には毎日のように手紙が届いていた。


基本自由に暮らせて、たまの祭りと戦で暴れるだけの女神の仕事がいたく気に入ったらしい。


前の世界での死を以て転生する転生者は、その死が代価として認められる。

弊社(うち)としては、前の世界の記憶操作や、時間調整が不要となりかなり社員が楽になる。


しかし、わざわざ高い代価を支払ってでも転生する人はいる。


特にここ、地球支社の日本で人気の転生先。


ーー勇者だ。


「斉藤君、斉藤君。これ。」

「嫌です。」


フアンさんから受け取った書類は赤い文字でデカデカと規約違反疑いのハンコが捺されていた。


「期限は明後日まで、見つけてきて。」

「なんで俺が……。」

「田嶋ちゃん貸したじゃないか。」

「行ってきます。」


田嶋ちゃんに押し付けておけば良かった。



フアンさんからの仕事はこうだ。


地球支社から転生させた勇者と連絡が取れない。

地球支社の担当者がある年ばかすかと転生の契約を取ってきたからお前らの責任だ。

だから仕事は任せた。


空想支社のゲーム本部RPG課から来たいつもの押し付け合いの仕事だった。


ちなみに、このばかすかと契約を取って来たのはフアンさんだ。


言いたいことは分かるね?


上司が金に目が眩んだ結果、今こうして部下の俺は重労働をさせられているのだ。


「キティさん。RPG課までお願いします。」

「フアンさんから聞いてるわよお。可愛がってもらってるみたいね。」


そういって事前に用意してくれていたらしいカードを渡される。

あンのくそ上司、初めから俺に押し付ける気だったのか。


「ちなみにルタンちゃん。RPG課、今人事異動があったの知ってる?」

「いや、初耳ですね。」

「んっふふふっ。こないだね、マシュちゃん。ルタンちゃんの同期の男の子いたでしょ。」

「ああ、元気そうですか。」

「高跳びしちゃって今新入社員になってるらしいの、頑張ってね。」



聞きたくなかった。

どうしてこの会社は毎日毎日嫌な話で溢れているんだ。

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