ダークエルフを助けました!
夜中…外は大荒れだが海人はルアーを眺めている。
そのまま寝てしまった海人。
翌日。
昨日の嵐が嘘の様にピーカン!の空。
リンゴを食べながら海人は浜辺に向かう。
「何か役に立ちそうな物、流れついて居ないかな?」
木の板に金属片。縄に木箱何かが打ち上げられている。
「想像付与で何か創るときに使えるかもしれない!」
物色しているとフニュ!とした物に触れる。
何だ柔らかいな?板が邪魔だと板をどけてみる。
「ウギャー!」
人だ!長い髪…女性か!心臓がバクバクする。
死体何だろうか?駄目だ頭が回らなくなる。死体だからと放置も駄目だ…どうしたらいい?
焦る海人。
倒れている人の指先が僅かに動く。
(い、生きてる?)
「ごめん!」
そう言いながら無理やり背負いアパートに向かう…
「重い…」
必死に背負う海人。知らない人だけど、こんな場所で
出逢ったなら助けてやらなきゃ!釣り人の風上にも置けない!釣り場でこまった人が居たら助けてやるのがアングラーの責務だ!
何とか部屋に到着した海人
「ハァハァ、ベットに寝かせよう。」
女性と思わしき人を横にさせる。びしょ濡れだ。
「う、う」
身体が震えだす。めちゃくちゃ冷たい。
「低体温症かも…」
「ごめん!」
女性の服を脱がす。免疫がない海人は顔を赤らめながら女性を裸にし自分も布団の中で服を脱ぎ抱きしめる。
必死に抱きしめる。身体を擦る海人。
脇や首もと股の間に手を入れ暖める。
次第に海人は寝てしまう。
「ん…んあ!寝てしまった!」
抱きしめていた女性を見る。
布団の中から綺麗な青色の瞳で海人を見つめている。
「うわ!」
慌てて布団から飛び出す海人。見事に全裸を披露してしまう。
「うお!」
再び布団に潜り込む海人を青色の瞳の女性が黙って見ている。
「やあ!こんにちは!いい釣り日和だね!」
女性は瞬きをするが返答がない。
「こんな天気は池もターンオーバーしてバスの動きも悪いんだよね?」
女性は瞬きをするが返答がない。
(釣りから離れなければ!切り替えろ!)
「寒くないかい?」
うん!と頷く女性。
良し!言葉は通じる見たいだ。後は緊張を解してあげないと!
「ベイトリールは左ハンドル?右かな?」
女性は瞬きをするが返答がない!
(俺が緊張してんじゃろが!)
水を持って来よう!
布団から出る海人!またしても全裸を披露し直ぐ様、布団に戻る。
じーっと見つめる女性。
「フフ」
笑った!笑ったぞ!
「助けてくれたの?」
海人は頷く。
「そう。ありがとう。」
海人は頷く。
「名前は?」
「海人です!」
「カイト?私はイザベル・ハーマット。」
イザベルさんですね。今、水を持って来ると海人が言う
床に落ちているパンツを布団の中で素早く装着する。
起き上がる海人の腕を掴むイザベル。
「カイト。もう少しだけ暖めてくれないかしら?」
そう言いながらイザベルが抱きついてくる。
心臓がバクバクの海人の胸に顔をつけて目を瞑る
イザベル。
海人は背中を擦る。
どうやらイザベルは寝てしまった様だ。
今のうちに水と、そうだお風呂も準備しよう。
食べ物はリンゴしかないけど。無いよりは良い!
色々準備するクローゼットから服をだすが当然女性物がない。考える海人。
海人は自分の服を触り「女性服」を想像する。
光る服…海人の服が何故かメイド服に変わっていた。
(何故メイド服?おれの趣味なのか?)
とりあえず…服を準備出来た。
後は下着…駄目だ!わからん女性の下着がわからんぞ!
デザインは?形は?わからん!
スピナーベイト見たいなブレードの輝きが必要なのか?
また釣りの事が頭に浮かぶ。
ガチャ!寝室から物音がする。
イザベルが起き上がってくる。
素っ裸のイザベルに悲鳴をあげる海人はバスタオルを渡しテーブルの下に隠れた。
「恥ずかしがり屋なのかな?カイトは。」
バスタオルを巻いて下さいと叫ぶ海人。
「巻いたわよ…」
明るい部屋に立つイザベル。
初めてまざまざとイザベルを見る海人。
(み、耳が尖ってる…少し肌も…日焼けかな?)
「改めて助けてくれて、ありがとう。」
「私はダークエルフ族のイザベル・ハーマット!」
「魔王軍から脱走してきた逃亡者よ!」
海人は頭が混乱する!
(何か異世界ぽい単語が沢山でた!)
「夏日のインレットは激アツです!」
瞬きをするイザベル!返答は無い。
次回へ続く。