家が出来ました。
荒れ地を進む海人。
本当になんにも無いな。死の島と呼ばれるだけの事は
ある。
島の中を探索する海人の目の前に石の積まれ山が現れる。何か建物があったのだろうか?
ほぼ崩れ落ちた外壁後も発見する海人。
「こういう石畳にバス着いたりするんだよな!」
異世界に飛ばされ、生きるか死ぬかの時にバス釣りの事を考えてしまう海人。正しく釣りバカである。
建物があったとしても、ずっと昔の事だろう。
それ程、この場所は風化している。
石を触りながら思う
「はあ、コレが「アパート」だったら幾らか楽か!」
触った石が光だす!ま、眩しい。
ゆっくり目を開ける海人は尻もちをつく。
目の前には住んでいたアパートがある!
急いで自分の部屋に入るポケットから鍵を取り出す!
ガチャ!
「開いた!」
扉を開け部屋に入る。
自分の部屋だ1LDKの…間違いない俺の部屋だ!水も電気もつく。テレビは砂嵐だが…電源は着く。
「ウオオ!!」思わず叫ぶ海人!
冷蔵庫も開けるが中身は無い…しかし冷蔵庫は使える!
冷房も使える!トイレも!
跳ね上がり喜び海人!
寝室の扉も開ける海人。
「オッケーカモーン!」
ルアーのイレギュラーな動きにリアクションバイトするバスの様にベットに飛び込む!足をバタバタさせる。
「すげーよ!想像付与!」
壁側を見る海人は涙を流す。
壁びっしりに並ぶロッドに棚びっしりに並ぶリール。
「おいでおいで〜!」釣り具に頬ずりする海人。
正に釣りバカである。
玄関を出て隣りの部屋をノックするが無反応。
「し、失礼します。」
勝手に部屋に入る海人、中は完全に空き家だ。
残りの部屋も見て見るが全て空き家だ。
「はあ誰か居れば少しは寂しさも和らぐけど、そんなに上手くはいかないよな!」
残っていた瓦礫を触り「お城」を想像するが何も反応しない。
「だめか?」
子供の頃、父親と造った「犬小屋」を想像してみる。
瓦礫が光り犬小屋が現れた。
「な!ポチ!」
ポチは居ないがポチの為に造った、あの犬小屋がある。
「想像力か?細部までわかってないと想像しても付与出来ないって事か?」
わからない‥わからないが生存率がぐっと上がった気がする海人。
「後は沼か川があれば…バス釣りができるな!」
他にも必要な物がまだ沢山あるのに、すぐ釣りを優先する。それが釣りバカである!
荒れ地を戻りリンゴをとる海人。
風が強い。
「何だか荒れそうだな。帰ろう!」
アパートに戻りルアーを眺める海人。
部屋の窓がバタバタする。
「荒れるなこの感じ。こんな時はお風呂でルアーの動きチェックだ!」
ルアーと一緒に風呂に入る海人。
この色気のある動きがたまらん!
因みに海人は彼女が出来た事が無い。
理由は釣りしか考えていないから休み=釣り日なのだ。
異世界に来ている自覚はあるのだろうか?
次回へ続く。