合わせミス!
「喧嘩をするな!」
ダークエルフの娘と富豪の家に産まれた娘が、
死の島の1等地で喧嘩をしている…。
スコーンを救助して、2日程たったが…
この2人は反りが合わないのだろうか?
とにかく…少しでも話すと直ぐに揉めてしまう。
「私は着替えたいのよ!イザベル!」
「私の服…勝手に盗らないで!」
向かい合う2人はピンク色のTシャツを引っ張り合っている。
(あのピンクTシャツ人気だよなぁ〜)
海人はピンクTシャツを見て春先の雪解けしたばかりの沼ではピンクワーム強いでしょ!と2人に言ったのだが返答はなく…
「王は…黙っていろ!」
「イザベルだけに、優しくするなバカ!」
こんな…感じになってしまった。
まぁ…俺の想像付与が、もう少しレベルが上がれば量産出来そうなんだけど…今は色まで上手く付与出来ないから…運任せなんだとは言ってはいるのだが…。
当然、2人は納得しない!更にヒートアップする。
「私は、この国の農林大臣なんだぞ!」
「オホホ!2人の国って何ですの?」
はぁ…。これは、当分続くんだろうな。
結局、ピンクTシャツは海人が没収した。
2人はブーブー言いながら、イザベルは畑へ行き。スコーンはペンと手帳を取り出した。スコーンは死の島を自国で、どう教えられたのかは不明だが、海人の部屋から出たがらない。
石の怪物達が現れるかも…とビクビクしている。
(そんな奴等…居ないんだけどな。)
しかし!スコーンも良い所がある。彼女は部屋にある家具類や生活用品に興味津々だ。「これはなんですの?」
2日間で1番多く聞いた言葉だ。俺が少し説明しただけで瞳を潤々させてしまう。何かに記録したそうにしていたから、部屋に置いてあったノートとボールペンを渡したら…「革命が来るのです!」とか言って涙を流す始末だ。商人の血が騒ぐのかも知れない。
まぁ…コミュニケーションを取る為に付き合っているのだが、俺も反応が楽しくて退屈はしない。
「死の島の王よ!」
「海人…って呼んでくれないか?」
「死の島の海人王よ!」
「ま、まあ…良いか…な?」
スコーンは扇風機を発見してしまった様だ。
この流れはイザベルの再来か!
「海人王よ!この小さな丸い檻の中に誰を入れるの?」
ほう…そう来たか!
イザベルとは違う発想だ。これは…楽しめるかも知れない!
「スコーン。檻の中に必ずしも生物を入れる必要ないのだぞ?」
スコーンはボールペンで羽をガードしている網目のカバーをツンツンしている。
「スコーンよ!これは暗黒拷問器具なのだ!」
海人の言葉に、ツンツンが止まるスコーン。
「暗黒…ですか?」
絶対、ビビってるし!
「この青い凸部を押し込むと、生きたまま心臓が檻の中に入るのだ!生きたままでだぞ!」
「キャッ!!」
ビックリしたスコーンは、咄嗟に口に手を当てる。
革命と呼ばれたボールペンを落とした事には、本人は気が付いていない様だ。
駄目な王だ…。海人の悪ふざけが加速する。
「スコーンよ!安心しろ、この暗黒拷問器具は俺には絶対に逆らえない誓約を結んでいる。」
その言葉に胸を撫で下ろすスコーン。しかし眼差しは怯えたままだ。
「例えば、コイツに心臓を奪われたとしよう。どうなると思うスコーンよ!」
「分からない…怖い!」
「コイツは嘘を見抜く能力が有る!」
そんな能力が有るなら騎士達が欲しがる。とスコーンはまた扇風機の近くに寄ってくる。
「良いか…例えば今スコーンの心臓が暗黒拷問器具の中に有るとしよう。」
小さく頷くスコーン。
「スコーンよ!デートにバス釣りは本当は嫌だ!イエス!ノー!どっちだ?」
「バスヅリ?分からない…怖いよ海人王!」
「やはりノーか?だが…正解はイエスだ!俺のラインはフロロ20lbだ!ビッグなラブも余裕でフルキャストだぜ!」
「不正解!!」
そう言いながら扇風機の入スイッチを押す海人…中の強さで羽が回り風が2人に向かってくる。
その羽の動きは、正しく地獄の魔物の鎌の如く鋭い回転をする。
スコーンの心臓は入って居ないのだが…余りにも衝撃的な回転力と聞き慣れない羽音に…白目を剥き倒れてしまった。
しまった!やり過ぎた!
合わせミスだ。バラすのに警戒しすぎて飲ませ過ぎた!
自己満にバスを…違うスコーンを虐めすぎてしまった。
夏のジカ置きは…常識的に禁止だろ…俺の馬鹿野郎!




