1話 記憶とフェンリル
新作です。
ほのぼのした物語を書きたいと思います。
お読み下さい。
1話 記憶とフェンリル
気持ち良く寝てたら顔を何かに舐められてる?
「ウザイなぁーもう少し寝かせてよ。」っと思いながら目を開ける。
「あれ?青空?……外で寝てしまったの?」と恥ずかしくなり 慌てて立ち上がる。
その時、「キャン」っと犬の鳴き声?
毛並みが白?銀色?の20センチ位の可愛らし子犬が目に入る。
「可愛い♪」と言いながら子犬の顎らへんを撫でる。
子犬は気持ちよさそうにしてる。
「ここは何処かなぁ?」と思いながら周りを見てみる。
草原???目に見える範囲全部が草原やん……。
「此処は何処?」と呟く。
子犬は私の足下を「キャンキャン」と鳴きながら走り回ってる。
って………「私は昨日何してたかなぁ?」と思いだそうとする。
私は松井好花16才の高校1年生。
大阪の女子高に通う剣道部で剣道2段。
家は大阪と京都の府境の集落でまっ大阪の片田舎やね。4人家族でお父さんは家の土地の隣で刀鍛冶をしてる。でも、仕事のほとんどは料理用の包丁がメイン。結構なお高い値段で売れてるみたい。職人気質だけどお母さんには頭が上がらない。私にはかなり甘いお父さん。
お母さんはお父さんの事務と営業の仕事をしてる。料理が美味しく優しい。家事と仕事が完璧な綺麗なお母さん。
お兄ちゃんは京都大学経済学部2年の秀才。お兄ちゃんはお父さんの後を継ぐ気が満々で小学高学年の頃から暇を見付けてお父さんの仕事場に通ってる。お父さんもお母さんもお兄ちゃんに後を継がなくても良いと言うてるけどね。妹の私に甘いお兄ちゃん。
私は小学校1年から近所の剣道道場に通って高校も剣道部で続けてきた女の子。
昨日は他校の剣道部が学校に来て練習試合をした。
その試合で左の耳の上辺りに相手の攻撃をかわそうとしておもいっきり攻撃を受けた。
その後、何か頭が微妙に痛いなぁっと感じながら練習試合をこなし部活も終わり家に帰る途中から気持ちが悪くなってきた。
あれ?そこから記憶が無い?
私の今の格好は学校の制服紺色のブレザーにチェック柄のスカート。学校指定の紺色の膝下までのコート。
荷物はアディ○スの黒色リュックと竹刀。
リュックの中にはスマホに財布に朝買った10本入りスナックパンと1リッターの麦茶のペットボトルと500ミリリットルのミネラルウォーターとノートパソコンとタブレットとスポーツタオル3枚と教科書とノートに筆記用具に最近読み始めた古武術の本と化粧品入れ。
寝てて盗まれた物は無し。
って…マジで此処は何処なん?
誘拐?…違うなぁと思いながら座り子犬を抱く。
子犬に「此処は何処なの?教えて?」
子犬は「クゥン」と鳴きながら首をふるだけ。
「此処に居ててもしゃあないし移動するかなぁ?」と子犬に話し掛ける。
子犬は「キャン」と鳴き好花の手から離れ先導するように歩き出す。
好花は子犬の後ろについて行く。
暫く草原を歩き子犬に「名前とかあるの?」と聞いてみた。
子犬は振り返り首をふりながら「クゥン」と鳴いた。
好花は子犬を抱き上げて雌だと確認して「名前を私が決めても大丈夫?」
子犬は「キャン」と嬉しそいに鳴いた。
リュックからメモ帳とボールペンを取り出し『小恋』と書き子犬にその文字を見せながら『ここ』と「読むのよ。」と言い「可愛い子犬ちゃんの名前は『小恋』。」と名付けた。
子犬は嬉しそうに「キャン」と鳴いた時、光輝き その光は好花を包んだ。
光が消えて好花はビックリした表情をした。
「今のは何?ビックリしたやん。」
子犬の小恋が「キャンキャンキャン」と鳴いた時、好花の頭の中に声が聞こえてきた。
「好花!名付けしてくれて嬉しい♪」
「頭の中に声が聞こえる…。小恋の声なの?」
「そうだよ。小恋だよ。」
「どうして突然声が頭の中に聞こえるの?」
「小恋は好花の従魔だよ。小恋って名付けして小恋が受け入れたから従魔契約が成立したの。それと小恋は犬じゃなくてフェンリルだよ。」
「フェンリルって何?」
「フェンリルって種族の魔獣だよ。」
「魔獣?魔獣って…ゲームとかぁ?小説とかに出てくる悪魔みたいな生き物?」
「悪魔じゃないよ。小恋はフェンリルでも上位種のシルバーホワイトフェンリルだよ。今は魔獣だけど大きく成ったら神獣に進化するだ。」
好花「私は夢を見てるの?」と頬っぺたをつねってみる。
痛い……。夢じゃないと……現実なんや。
誰が人と出会える場所に行かないとと思い小恋に「人!人間が住んでる街とか村とかの場所をわかるかなぁ?」と聞いた。
小恋は顔をあっちこっちに振り匂いを嗅ぐ仕草をしてから「キャンキャン」と『こっちだよ。』と頭の中に聞こえてきた。
好花は「小恋ちゃん、先導をよろしく。」とお願いした。
小恋は歩き出し好花は移動を始めた。
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