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第八十五話 神様、陛下がいよいよダンジョンへ

正直。早く陛下にはお帰り頂きたいと心底感じています。


店に戻ってしばらくして陛下の視察が行われるとギルドからの使いが来たが、従魔軍団が反発して宥めるのに苦労した。ポチととかチャン怒りは収まらなかった。


『我は絶対同行しんぞ』

『わしも行かんからな』


これ以上は時間も無いことから、ジャルラとタマが行ってくれることになった。


『おいらもさぁ~ 本当は行きたくないんだよ~』

『あのね、ジャルラはあるじ守るよ~』

「タマとジャルラには特別に美味しいデザートも用意するから。我慢してね」

『なに? 美味いデザートだと!』

『主殿。聞き捨てならんな。美味いデザートとはなんだ』

「ついて着て来てくれたお礼に用意してあるんだよ」

『それを早く言わぬか! 我も行こう』

『わしも行くぞ。美味しいデザートを頼んだぞ』


まさか食い物に釣られるとは……さすが腹ペコ軍団だな。


オレたちは1階層のセーフエリアで合流すると決めた。それは従魔達の僅かな抵抗だった。このことをプラムさんに伝えて貰う為に、ギルドの使者と一緒に陛下の元へ行ってもらった。



「陛下。それではこれよりご案内いたします。ダンジョン内では魔物が出て参りますので、本日はAランクパーティのサンライズが同行します」

「陛下、いえ父上、ダンジョン内は危険ですので、我儘はお慎みください」

「分かっておるわい。ハモンも護衛を頼むぞ」


ダンジョン入口には陛下を一目見ようとする街の人たちでいっぱいだった。そんな中で一緒に入って行かなくて良かったと思ったのは後でのことだ。


「ここが入口です。初めにサンライズが入り、お付きの護衛、ハモン殿下。陛下、私、お付きの護衛の順で入ります。よろしいでしょうか」

「構わぬ」

「では、出発!」


「この初めの階層は冒険者でなくても倒せる魔物しか出ませんので、子供とかも多くが狩りに来ています」


1階層は何事も無く順調に進んでいった。もう直ぐセーフエリアに到着しようとしたところで魔物が出てきた。


「魔物です。陛下、お下がりください」


出てきたのは兎魔の群れだった。普段は5匹位の群れだが、今回は20匹位の群れだった。


「おい、なんだこの数。多すぎないか……」

「普段の3倍? いや4倍は居るぞ」

「俺たちには準備運動程度だがな」

「行くぞ!」


兎魔の動きが早く駆逐は少し時間が掛かったが難なく終わり、セーフエリアに到着した。


「陛下お待ちしていました」

「よろず屋の店主か」

「これより、移転魔法陣を使い、3階層の自動販売機と5階層の売店をご覧いただきますが、一度に移動できる人数が限られているので、陛下と殿下。ギルドマスターに私と従魔だけとなります。他の方はこの場にてお待ちいただくことになりますのでよろしくお願いします」

「ケンモ殿。私は侍従です。陛下に同行させて頂きます」

「ラトスさんもお連れしたいのですが、私自身を含め4人が限界なので、陛下の事は殿下にお任せください」

「ラトス、私に任せて置け。これでも元Aランク冒険者だ」

「分かりました。陛下をよろしくお願いいたします」

「では、こちらに来て、私にどこでも良いので触れてください」

「こうで良いのか?」


皆がオレに触れたことを確認して魔方陣に魔力を流した。













今日も終わらなかったのか……

(ケンモよ、顔がやつれておるぞ)

そりゃね、陛下のお供だよ……

(先ほど少し脅しておいたからの、お主の邪魔はせんだろうて)

脅しったって、陛下に何言ったの??

(さて、何て言ったかのう~)

いいよ。たぶん「邪魔は許さん」と言っただけだろ

(なぜわかった? 聞いておったのか??)

ポチと発想が同じだ



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