第八十四話 神様、国王はまだ諦めていませんでした
オレ達が退室した後もまだ国王はイラついていたらしい……
「ギルドマスターは何処だ」
「ここに控えております」
「先ほどハモンが言っていた神の勅命を遂行中とはどう言うことだ」
テトロンさんはオレから聞いていた話を陛下にそのまま伝えた
「それは真の話か」
「その通りでございます」
「神官をよべ。神の神託なら神官も承知のはずだろう」
陛下の呼び出しを受けたこの街の教会トップ、司祭様が連れてこられた
「メルーサ協会。司祭のミモザ・ムルザでございます。お呼びと伺いまかりこしました」
「司祭殿にはご足労をかけた」
「とんでもございません。それで、私をお呼びになられた御用とは何でございましょう」
「うむ。この地でよろず屋を営んで居るオオサキケンモがイーカン神の勅命を遂行中とこと。教会はそれを存じておるか」
「申し訳ございません。教会では存ぜぬ事でございます」
「では、イーカン神の神使は知っておるか」
「はい。それは存じております。フェンリルでございます」
「そうか。そのフェンリルの名前は聞いておるか」
「はい。確かポーチン様と聞いております」
「あい分かった。下がってよいぞ」
(ミモザよ。久しいな)
「そのお声はイーカン神様」
(これより神託を伝える。そこなるメルテナ王に伝えるがよい)
「かしこまりました。国王陛下に申し上げます。ただいま。イーカン神様よりご神託が下りましたので、陛下に御伝えさえて頂きますがよろしいでしょうか」
「構わぬ。もうしてみよ」
「それでは……」
「(わしが作ったダンジョンの立て直しに尽力するよう、ケンモに命じ神使のポーチンを使わせておる。これは教会の神託でなく、ケンモに直接頼んだゆえ、邪魔は許さぬと伝えよ。それがたとえ王だとしても許されることは無い)このように申されております」
「なんと。あの獣が申しておった事は真のことだったか」
「陛下、発言をお許し頂けますでしょうか」
「ギルドマスターか。許す」
「実は、よろず屋店主が当ギルドに協力を求めに来ましたおり、私にもイーカン神様のお声が聞こえてきました。正に今のお話其のままでございます」
「ではやはりあの獣は余の元には連れてこれんと申すか」
「ご神託が神の御心です。例え陛下であっても曲げることは出来ないものかと存じます」
「では、古龍だけでもどうだ」
「それも難しいかと。古龍様が我ら人間に従ずるなど過去に例がございません。古龍様も承知されますまいかと」
「ではどうすれば良いのじゃ!」
「うまく。店主殿をお使いなさる事かと。幸い、ハモン殿下もお近くにお出でです」
「陛下にご奏上申し上げてもよろしいでしょうか」
「司祭殿か。申すが良い」
「有りがたき幸せ。陛下に置かれましては、国を挙げてこの件を後押しされることをお勧め致します」
「後押しだと」
「左様でございます。神様の事業を後押しされることで、更に陛下のご名声が広く国民の間で高まるかと」
「……ラトスはどう考える」
「私も司祭様のご進言に共感するものでございます」
「そうか。あい分かった。従魔は諦める。それと国の後押しをどう進めるかを店主と決めるが良い」
「早速そのように……」
「ダンジョンのご視察は如何されますか」
「うむ。このまま行うぞ」
あぁ~まだ陛下の話しが続くのか……
(作者もネタに困っとるようじゃな)
早く終わらせてほしいよ……
(お主も出番が無かったからか)
違うし……