第八十話 神様、13階層に臨時店を開きました
セリナさんの猛抗議で今日は朝からカレーになりました。
「店長~ こんな美味しいのを内緒で食べたてたんですね」
「僕は毎日でも飽きませんよ」
「同感です」
今日は古骨鶏の肉を大量に使ったチキンカレーにしてみた。
『今日は肉がゴロゴロしてこれまた美味いな』
『昨日のカツも美味しかったけど、煮込んであるからさらに美味しいよ~』
『あるじ~あるじ~ ジャルラいっぱい食べて良い?』
「たくさん食べろ~~」
『主殿、おかわりをたのむぞ』
『我もおかわりだ』
『おいらもね~』
みんな朝から良くカレーが食えるな……。オレには無理だな。
朝食も終わり、魔力チャージを求める声が多いと聞いて13階層に臨時店を出す事を決めたが、その前にポチを連れて少し様子を見て回ったら、かなりのパーティーがあちらこちらで戦闘状態に入っていた。
「おらぁ~ もう少しでセーフエリアだ持ちこたえろ!」
「頑張ってるよ!」
「ヒール頼む」
「弱って来てぞ! もうひと踏ん張りだ!!」
「ポーション頼む」
「ほれ! 残り少ないからな、無理そうならセーフエリアに逃げ込むぞ」
「了解だ」
どこも苦戦しているようだった。こりゃ早急に店を出してサポートに入らないと、せっかくの15階まで進めないと思い、予定では5階店と連動させるはずだったが単独で出すことに決めた。
開店も10時と早めに開けるようにリーザさんにお願いした。
「あっ、店が出てるぞ!」
「助かった~」
「ポーションの補充が出来るぞ」
「俺は槍の修理をしてもらうぞ」
「順番にお聞きしますので慌てないでください」
「ハイポーションとスタミナポーションとマナポーションを10本ずつ下さい」
「各10本ですね。はいどうぞ」
「魔石のチャージをお願いします」
「こちらにお出し下さい。今からですと、30分後位に出来上がってきます」
「俺も魔石のチャージをしてくれ」
「お受けしました」
「この槍だけど、治せるか?」
「鍛冶職が直接確認しますので少々お待ちください」
開店からこんな調子で、休憩がてら出来上がりを待つ人でセーフエリアが狭そうに見えた。
「ココは自販機だけだと思ってたら、店が出てて大助かりだ」
「魔石のチャージが出来るとは思ってなかったしな」
「武器の修理もだせ」
「だけどよ、急に魔物が多発してねえか?」
「おれも感じてた」
「あれじゃねぇ~、簡単に15階に行かせないようにしたとかさ……」
「あり得るな」
聞こえてくる冒険者の声からも店を出して善かったと感じた。
ジジィ、急に厳しくし過ぎじゃねぇのか……
(実力を付けてもらわねばと言ったのはお主じゃぞ)
そうだけど、ほどほどにって言ったろう
(大丈夫じゃて……ちゃんとボスは弱くしてある)
…………
(ところでケンモよ。ちと聞きたいことが有るんじゃ)
なに……改まって……
(カレーはまだ有るかのう……)
そっちかい!