表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
78/102

第七十八話 神様、このお礼は必ずしますから……

17階層の魔物を見た瞬間、防御壁を展開したが一歩も動けないでいた。


『これは……あ奴が一番嫌いなものだよな』

『あの時のケンモたんは異常だったよね……』

『ねぇねぇ~ これあるじが嫌いなやつ?』

『これは食ってもうまくないからのう』

『アレを使われも困るからな。早々に片付けるか……』

『アレって、なあに?』

『すごく恐ろしいケンモたんの攻撃魔法だよ』

『そんなにも恐ろしいのか』

『うん。おいらもポチも死にかけたんだよ……』

『お主たちがか…… そりゃ恐ろしいのう』

『アレだけは使わせていかんぞ』

『そうだよね~』


やっと我に還ったオレはある作戦を思いついた。


「オレに考えがあるから任せろ」

『お主に任せられるか!危険だ。我はまだ死にたくないぞ!!』

『おいらもポチに賛成だよ~』

「今回は安全策を取るから大丈夫……」

『本当だろうな』

『ケンモたんの作戦を聞いてみようよ』

『それが良いのう。話を聞こうか』


題して「お煙大作戦」空間収納から煙式殺虫剤を5個取り出して説明をした。


『本当にこれで大丈夫なのか』

「たぶんな。あと、匂いだが、無臭を選んだがお前たちには気になるかも」

『多少の事は我慢するから良いよ~』

「では、これに賭けてみるぞ」

『ダメな時はその時また考えるとすれば良い』


梱包を取り、カップに水を入れセットする。煙が出てくる前にポチに避難用の防御空間を張ってもらい、微量の風魔法で煙を17階層全域に広がるようにした。あとは待つこと2時間。


「よし、おやつタイムにするか」

『やった~ おやつおやつ。あるじ~ おやつ食べる~』

『ゆっくり待つのもオツなもんじゃな』

『早くだせ』

『ポチはせっかちだねぇ~』

『黙れ!タマ』


出したのはカスタード入りアップルパイ。ダンジョン産フルーツの中にあったリンゴを使って焼いてみた。実はオレの好物だ。


「でも、ケンモさんがゴ○ちゃんを苦手とは知りませんでした」

「リョウ君は平気なの?」

「俺は平気だよ」

「ユウゴ君も?」

「密かに研究で使っています」

「えっ、部屋で逃がさないでよ」

「気を付けますが、約束は出来ません」

「勘弁してくれぇ~~」


みんなに大笑いされたよ…… トホホホ……

それもこれもみんなジジィのせいだ。それに仕返しって言ってたよな……

冗談にも程があるってことを教えねばならんな……

フフフ…… 覚えてろよ。このお礼は必ずさせてもらうからな。



2時間後、思惑通り黒い物体は消え、ドロップ品がいたるところに転がっていた。それをユウゴ君が薬に使えると一生懸命に拾い集めていたよ。おれは使いたくないけど……


『こんなにも簡単な方法、なぜ前にも使かわん!』

『そうだよねぇ~ おいらたち死ぬ思いしたんだよ~』

「ゴメンゴメン。あの時はパニックになって必死だったから……」


ポチタマに怒られてしまった……。


『おい、セーフエリアに行くぞ。やること有るんだろ』

そうだ。魔方陣を刻まないと……。


セーフエリアに魔方陣を刻んで、ボス部屋へ。


『いよいよおいらの出番だよ~』

ボス部屋に入るとやはりブラックゴキゴキ。タマは火炎砲で一気に焼き尽くした。ってか、そんな大技を隠してたんだ…… これは怒らせないようにしないと……










「出来た。今夜はカレーを作ったぞ~。カツとかエビフライとか好きなのを乗せて食べても美味いからな」

『おい、カツ3枚乗せてくれ』

『おいらはカツとエビフライがいいな~』

『あるじ~ あるじ~ ジャルラもカツとエビフライ』

『ワシはカツ2枚でたのむぞ』


はいはい。それぞれの前に出してやる。


「ユウゴ君もリョウ君もどうぞ」

「わぁ~ カレーだぁ~~」

「すげぇ~ 泣きそうです~」

「美味い! こっちに来てカレーが食えるとは思ってなかったよ……」

「俺も…… あっ、涙が出てきた……」


(ケンモよ…… そのカレーわしにもくれるじゃろ)

……

(ケンモ……)

……

(おい。返事くらいせんか)

さっきからケンモケンモって、爺さん誰?

(なにを言うとる……この星の神のイーカンではないか)

……知らんな

(まさか、まだ怒っておるのか?)

……

(……悪かった。すまん。意地悪が過ぎた。許せ)

「みんな~もっとたくさん食べていいからなぁ~」

(ほれ、このとおり。頭を下げて謝るから、カレーを食わせてくれ……)

『主殿よ。そろそろ許してやったらよかろう。時期を外すと仲直りも出来んぞ』

「フン。とかチャンが言うから許してやるけど、二度とゴ○など出すなよ!」

(わかったから、はよ食わせてくれ~)

『我が主様もこ奴の料理には勝てんか……』

(面目ない……)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ