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第七十五話 神様、15階層に売店を開きました

上店を食事処に変えてから10日程が過ぎて、ご祝儀利用の客も落ち着いてきた。



結局、新しい従業員は増えることは無かったので皆には負担を掛けてしまった。


「みなさん。明日は幸い宿の予約も入っていないのでお休みにします」

「明日と言わずに、今日休みにしましょうよ」

「それでも良いけど、今日は宿のお客様に食事を出さないといけないので……」

「休みにしたら店長のご飯が食べられなくなるからイヤだな」


「あとですね、10階層の売店を15階層に繋げて売店を開こうかと思っています」

「でも、15階はほとんど人が居ませんでしたよ」

「そうなんだけど、冒険者に楽しく安全にダンジョンで来てもらう事が大事だからさ、15階にも出来たと知ったらもっと下まで進もうと思ってくれるはずだし……」

「そうですね。10階層も以前よりは冒険者が増えてきています」

「自販機の売上も予想外で良いんだよな。一番驚きは温泉だけど。なぜか売り上げが増えてるんだ」

「ケンモさんは知らないのですか? 冒険者が自発的に多めに入れてるらしいですよ」

「そうなの? なんで??」

「マッサージ器を無料で置いてから、冒険者の有志が経営を心配して自主値上げされたようです」

「気が付かなかった……そうだったんだ」

「ありがたいことですね」

「ところで、14階層の自販機の売上はどうなんですか?」

「ポタンさん……」


ポタンさんの説明では、5階層が肉。10階層が高額で売れるフルーツのドロップ品に替わってから、

10階層までは売店を含めて利用は良いが、12階・14階はほとんど利用が無いそうだ。

確かに、弁当の用意も当初よりかなり減らした。それでも売れ残る事も有る。


「現状で15階は要らない気もしますが……」

「ほかの魅力を15階に無いと降りてくれないのでは」

「なにか、良い案はありますか。ジジィ……イーカン様にはなして改良してもらうけど」

「そうですね。15階層は魔物を無しにして、素材収集層にするのはどうでしょう」

「それいいかも。私も魔物退治は苦手だけど、素材はほしいし」

ユウゴ君……

「それに、中級者層の最後ですからね、休憩ゾーンがあっても良いと思います」

「わかりました。イーカン様と話してみます」



(聞いておったぞ)

ジジィ……また盗み聞きかよ

(神聞きの悪い事を言うでないわ)

じゃ~ するなよ

(初めから説明するより楽じゃろが……)

そんな気遣い要らないし。それで出来るの?

(なにおじゃ??)

ボケは要らないから……

(出来るぞよ。主に薬草と鉱石になるがのう)

他には……

(隠し部屋にお宝とかもできるぞい)

それ良いね、宝探しゾーン

(ではそれにするかのう。しかし、3日は待ってくれ。改良に時間が掛かるのだ)



ジジイとの話もまとまり、プラムさんを通じて冒険者ギルドに報告をしてもらった。


冒険者ギルドは翌日には発表し、それに合わせてダンジョン内の売店・自販機にも告知書を張り付けた。あとは2日後の開始を待つだけとなり、10階層にいた冒険者は14階層に向けて降りて行った。


こちらも今回は10階層に繋ぐので準備は要らない。いつでも開店できる。

そして開放当日にここまで来れたのはわずか7組のパーティーだけど、増えて行くことだろう。


さぁ~オレたちの店も開店だ!












(思ったより少ない人出だのう)

これから増えるよ

(だといいのじゃがのう)

10階層より簡単に来られたらそれも問題だよ

(どうしてじゃ……)

この先に進むためにも実力を上げて貰わないとな

(そうじゃな。では14階をもっと難しくするか……)

いいけど、ちゃんとここに来れるようにはしてあげてね

(……お主がそんな優しいこと言うとは……)

俺はいつでも優しいよ……ジジィ以外にはね

(はやり意地悪なのじゃ!) 


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