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第七十三話 神様、ポチが激オコで叱れています

現在、ネチネチとポチから嫌味を言われながら腹ペコ軍団のご飯を作っている。



『我らの飯を忘れるとは何事か! 店で使っておる肉も我らが狩ってきたものだぞ。それを黙って使わせてやってるのだ! その労い出来んのか!』

「だから、ゴメンって言ってるでしょ……」

『フン、本当に悪いと思っておるのだな!』

「思ってるよ。思ってるから……」

『だいたいお前は、我らの事をよく忘れておるだろうが!』

「あ……いや、そんな事ないよ。ただちょっと遅くなるだけで……」

『こないだのダンジョンも途中で切り上げおっただろ。あれも腹が立ったわ!』

「あの~ ポーチン様……」

『普段はポチと呼んでおるのに、都合が悪い時だけポーチンと言うか!』

「ははは…横でグチグチ言われると、ご飯が作りにくいのですが……」

『我は腹が減っておるうえ、腹も立っておるのだ!』

「分かってるから、もう少しだけ待っててくれても……」

『分かっておるなら、極上に美味い飯を早く作れ!』


あぁ~ ポチがこんなにもネチネチネチネチとネチッこいとは思っても無かったよ……


『ねぇねぇ~ ケンモたん……おいらも早く食べたいな~~』

もう出来るから……

『主殿……老い先短い年寄りをどれだけ待たすのだ。老衰の前に飢え死にしそうだぞ』

老い先短いって…… 間違いなくオレの方が早く逝くだろが

『あるじ~ あるじ~ ジャルラもお腹ペコペコだよ』

あぁ~ ジャルちゃん~~ 直ぐに食べさせてあげるからねぇ~~~


出来上がったのは、超高級美味とされているサーペントのステーキとカツだ。これは5階層のドロップ品が肉になった初日の戦利品で、あの時は陸だろうが海だろうが関係なく、生き物の肉という事で何でも出てきたからだ。


『おっ! これはサーペントか。これは間違いなく美味い肉だな』

「それはもう~ ポーチン様に喜んで頂こうと、感謝の気持ちを込めて最大限に奮発をさせて頂きました」

『……あやしいものだな』

『ねぇねぇ~ ポチ。もうケンモたん許してあげなよ~』

『ポーチン様、ジャルラからもお願いしますです。あるじを許してあげて』

タマもジャルも優しいなぁ~

『ポチよ。主殿が逆切れせんうちに許してやれ。でないと美味い飯が食えなくなるぞ』

『……我だけ悪者か??』

『そうではない。矛先の納め時を間違えるなと言うておるだけだ』

『……わかったわ! みんながそう言うのであれば、もう許してやる』

「ありがとう~~ ポチ」

『ほれみろ。許した途端にポチと呼んどる』

『お主も細かいのう~』

『あのね。美味しいのを食べるときはね、楽しく美味しく食べると、もっと美味しくなるんだよ』

『ジャルは良い事いうねぇ~。おいらもそう思うよ~』

『ポチよ。このカツも美味いぞ。ほら。食え』

『…………』


ポチはタマ、とかチャン、ジャルラの取り計らいでなんとか機嫌を直してくれたようだ。


「ケンモさんも大変ですね……」

「ははは……」

「でも、従魔たちのおかげで肉は万全ですからね」

「そうですよ。雑にしてると逃げられますよ」

「分かってるよ。だから、感謝を込めて今日はサーペントの肉だしたじゃん」

「でも、機嫌を直してもらえてよかったですね」

「店長……私も食べたい」

「そう言えばお腹すきましたね」

「ダンジョンの方がラクだわ」

「でも、リョウ君なら武器修理とかが来たら即対応ができるからね」

「分かってるわよ!」

「さぁ~ みんなもたべましょう」


それからはちょっとした宴会が始まった。














(これがサーペントか。確かに美味いな)

また食いに来たのかよ……

(良いではないか)

まったく抜け目がないな

(ほら、初日成功のお祝じゃろ)

そうだけど……

(わしも仲間じゃからの)

いつから?

(初めからじゃろ!)

えっ、そうだった??

(もうよいわ…… おっ、これはカツじゃな)

まだ食うのかい!

(当然なのじゃ~)



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