第六十三話 神様、まさか・・・新キャラ登場ですか
コンポートを食べながら、カレット殿下が爆弾発言をかましました。
「そう言えば、店の前で人が倒れてましたよ」
「なに~~~! それを早くいいなさい!!」
「だって、これが美味しそうだったんだもん」
「だもんじゃありません!」
「それより、早く見に行かなきゃ」
店先に行くとボロボロの服を纏った男の子?が倒れていた。
呼吸が有ることを確認し、急いでオレのベットに寝かせ保護をした。
「ユウゴ君、この人の状態わかる?」
「待ってください。診てみますね」
「判りました。多分……寝てるだけですね。空腹で倒れたと言ったとこでしょうか」
「えっ?病気とかじゃなく??」
「じゃなく」
「寝てるの?」
「正確には、気を失ってる感じですかね」
「大丈夫なの?」
「そのうち気が付きますよ。後で何か食べされば元気になりますよ」
この時ばかりはユウゴ君が居てくれて善かったと思ったよ。
「ケンモさん……この時ばかりとは酷いです……」
なぜわかった??
「声に出てましたよ……」
またかぁ~~~~~~ 直さねば……
「あれ? ここ何処? 天国じゃなさそうだし……」
「おっ、気が付かれましたか。良かったです」
「あの……ここは?」
「ここはメルーサの街だよ。オレの店の前に倒れてたから中に運んで寝かせたんだよ」
「ありがとうございます。僕……空腹に負けて倒れたのか……」
「あっ、おかゆを用意してあるけど、良ければ食べる?」
「良いんですか?」
「どうぞ。熱いですからゆっくり食べて」
「迷惑かけてすいません」
「気にしなくて良いから食べな」
「じゃ~ いただきます。熱っ」
「……誰も取ならないし」
『おい、そ奴が食べてるのは何だ』
『おぉ~ いい匂いがしておるのう』
『ミタマも食べたいな~』
『あるじ~ あるじ~ それ美味しいの?』
「ひぃ~~魔獣が……」
「お前ら……急に出てきたら驚かれるだろ。大丈夫ですよ。オレの従魔達で何もしないから」
「はぁ~ それは安心しました」
『我らにも食わせろ』
「わかったから、向うに行ってて、じゃないと作らないよ」
『ふむ』
『待ってるね~~』
『あるじ~ あるじ~ ジャルラ待ってる』
『楽しみじゃのう』
ポチとかタマジャの腹ペコ軍団にもおかゆを出したが、淡泊すぎたのか肉を入れろと大合唱が湧き起こるオマケが付いた。
おかゆを食べて落ち着いたのか、話を聞くことが出来るようになった。
名前はムライリョウ。19歳。読者のお察しの通り地球人で同郷出身の者だ。ほんと、作者の手抜きが見て取れる。たまには地球以外の転生者も出せと言いたくなるよ。
いかんいかん……話が脱線してしまった。
リョウ君いわく、突然こちらに飛ばされ時、旅の鍛冶師に保護されそのまま弟子入りしたと。その後、寄った街々の工房で仕事をしながら師匠と一緒に旅を続けていたが、半年前に師匠が急な病気で他界。独りで旅を続けることに。けど師匠と一緒の時とは違いなかなか仕事を受けることが出来ず、所持金も使い果たした挙句、空腹にも負け気を失ったと言うのが事の真相だった。
「それで、あなたは誰ですか」
「オレはこの店の店主で、オオサキケンモ」
「もしかして、日本人?」
「ごめん。そのネタ振りは終わってるから……」
「そうなんですか……残念です」
「何が残念なの?」
「僕もボケとかツッコミがしたかったなと……」
「……要らないから」
「残念です」
「それで、リョウ君はこれからどうするの?」
「はい、お金も無いから何も考えていません」
「いや、考えようよ。どこかの工房に入るとかさぁ~」
「師匠は一人だけですから、今さら誰かの下には付けません」
「じゃ~腕前はどんななの?」
「認定は受けてないけど、……師匠が言うには多分、A級は堅いだろうと……」
「根拠は?」
「金属系ならどんな鉱石でも扱えるし、石の加工も扱えるから」
「……それは凄い。でもなぜ認定を受けてないの?」
「受け方を知らないから……」
なんと!
「ポタンさ~~~~~ん」
(いよいよ予定のメンバーが揃ってきたようじゃな)
ふん? なんのこと??
(ほら……薬師といい鍛冶師といい、規定路線じゃろが)
だから何で……
(作者の設定が……)
なんで知ってるの??
(わ…わ…わしは……わしは神じゃ! 何でも知ってるのじゃ!!)
ふぅ~ん……じゃ~おれの誕生日知ってる?
(…………知らんのじゃ)
あれ? 何でも知ってるんじゃなかったの?
(……お主は意地悪なのじゃ!)