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第六十一話 神様、みんなでギョウザパーティーです

カレット殿下の説得に成功したことで平和がもたされるはずだった……


「これから明日の仕込みを兼ねて夕飯を作りますから、カレット殿下も食べて行かれませんか」

「良いんですか! ぜひお願いします」

「ケンモさん……直ぐに帰らせますから……」

「なんでぇ~せっかくの好意なんだから、僕は食べていくからね」

「では、しばらくお二人でお話でもして待っていてください」


ひとり厨房に戻ると、そこには全員集合をしていた面々からの質問攻撃を受けた


「プラムさんが王子様ってどういこと?」

「第三王子もここに住むの?」

「プラムさんはここから居なくなるんですか?」

「みんな落ち着いて。それはプラムさんが決めることだから、オレには分かりません。それより、明日の仕込みと腹ペコ軍団のためにご飯を作りますから、持ち場に戻ってください」

「今日はなに作るんですか?」

「ギョウザだよ」

「やった~~~! ギョウザ~~」

「……ユウゴ君も食べたかったら手伝って」

「ラジャ~!」


ユウゴ君にピッグキトンの肉をミンチにしてもらっている間に、巨大白菜を下茹でして水気を抜き、他にも畑で出来た香味系の野菜も一緒に細かく切っていく。あとはショウガとニンニクの摺りおろしも用意した。


ミンチにした肉を良く捏ねて、用意した材料をすべて混ぜ合わせ、しょうゆ・砂糖・オイスターソースとごま油で味を調えたら、ネットで買ったギョウザの皮にみんなで包んでいく。

その時、一部を大葉やウメボシ・チーズなどを混ぜ込んで味に変化も付けてみた。


ポチとかタマジャの腹ペコ軍団も狩りから戻ったところで焼き始め、先に食べさせる。


『おぉ~これは何というものだ』

「ギョウザだよ」

『肉汁と野菜の甘味が美味いのじゃ』

『あるじ~ 美味しいね』

ジャルラ~たくさん食べるんだぞ~


ミタマは黙々と食べていた。よほど腹減ってたのかな……

『主~ この白いのが入ったのおかわり~』

はいはい。チーズが入ったのが気に入ったのね。どうぞ。


「?? ユウゴ君……何泣いてるの」

「ギョウザが美味しいです。懐かしいです」

「そんなにギョウザに飢えてたの」

「はい。ギョウザはカレーとラーメンに並んで、僕の三大好物なんです」

はは・・・ そうなんだ…… でもみんなが揃うまで待とうよ。


ポタンさんにプラムさんたちを呼んで来てもらい、カレット王子も一緒にみんなで食べる。


「殿下、ケンモさんの料理は美味しいですからね、たくさん食べてくださいね~」

「店長の料理は絶品」

「カレット、あまりガッつくなよ」

「ささ、温かい内にたべましょう」


「美味い!美味すぎる!! プラム兄さんは毎日こんな美味しい料理を食べているのですか」

「まぁ~そうですけど……」

「城の料理よりも美味しいですよ。しかも初めて見る料理だし」

「あぁ~ケンモさんの料理は私も初めて見る物が多いですね」

「やっぱり僕もここに住んでケンモさんの料理を食べたいです」

「その気持ち分かるわ」

「店長の作るのは何でも美味しいから、毎日完売」

「僕には懐かしい料理ばかりです。こんど肉ジャガ作ってください」


肉ジャガって……、三大好物が食べたいんじゃないんだ……


「ケンモさん。やっぱり僕もここに住みます。美味しいご飯が食べたいです。よろしくお願いします。」


「なりません。殿下!」

「げっ、ラトス!」

「げっ、ラトスじゃありません殿下。至急お城にお戻りになって頂きます。ハモン殿下にも近く一度お戻り頂くことになりますのでご承知おきくださいませ。これは陛下のお言葉です」

「……承知したから、早くカレットを連れて帰ってくれ」

「えぇ~まだギョウザ食べるもん」

「殿下をお連れしろ!」

二人のお供が殿下を抱えて連れて行った……


「あぁ~~ ギョウザ~~~ 僕のギョウザ~~~~~」


こうして嵐は過ぎ去ったのであった。








(思ったより早く解決したのじゃ)

こういうの……もう要らないから……

(ほんと、遊び心が無いのう~お主は……)

遊んでるのはジジィだけだから、オレは迷惑だし

(じゃ~わしにもっと優しくするのじゃ)

……しないよ

(…………泣いてやるのじゃ…)


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