第五話 神様、お店を改装したいのですが
契約を済ませ鍵を貰い、新居にやってきた。契約金や今日からの家賃を支払ったら、手持ちは残り80ギル。これじゃ~数日分の食費だよ。まだまだ改装や商品の仕入れもしなきゃいけないのに…。
「イーカン様、イーカン様」取り敢えず神様を呼んで、これからの相談をせねば…。
「なんじゃ…せっかく良いとこじゃったというのに」
「良いところって、何してたんですか?」
「ラノベを読んどったんじゃ」
「ラノベって…まさかこの先の展開の参考にするつもりじゃないですよね?」
(ギクッ)
「なに?ギクッって聞こえたけど?」
「き…気のせいじゃよ。気のせい。地球神に薦められて読んどるだけじゃ」
…やめよう…精神的ダメージを受けそうだ。
それよりも話を進めないと。ぜんぜん設定回から脱出ができん。
でね、イーカン様…「と、言うわけなんです」
「フムフム、早く新展開に進みたいとな」
「いや、ベタなボケはいらないから…」
「つまらん男じゃのぅ~そんなんじゃモテんぞ。彼女もおらんじゃろ?」
「うるさい。ちゃんと居ました!」
「わかっとる。わかっとる。見栄を張りおって。改装と仕入れの資金じゃろ。」
「……」
「改装は空間魔法を使うのじゃ。外見は変わらんが、広さや部屋数は無限に増やせるぞい。資金は追加出来んからのぅ、ギルドの依頼で稼いでくれ」
「はぁ?」
「そうじゃ、お主、料理はお手のもんじゃろ? 弁当を作って売るのはどうじゃ!」
「それって、いま読んでるラノベ情報じゃないですよね?」
(ギクッ)
「やっぱりね…」
「では、がんばるのじゃぞ~ さらばなのじゃ~~」
逃げやがった。なにが全面的にサポートはするだよ。いい加減なんだから。
でも、空間魔法と弁当の販売か…。良いかも知れん。
手始めに店の改装でもするか!
うん。レジはこのまま使える。弁当もココに置くか?
元飲食店だからイートインスペースも有りだし。
あとは余分な物を片付けるだけだし、キッチンもこのままで行こう。
って、改装してないじゃん。
よし、住居部だ住居部! 住居部こそ改装するぞ!!
息込んで2階に上がったが、手を入れることなく使えました…。
くっそ~~ 意地でも空間魔法を使うぞ! じゃない、改装するぞ。
そうだ! 日銭稼ぎに木賃宿もやろう。風呂とトイレは共同。部屋にはベットだけ。
飯は弁当を買ってもらえば良いし…、イケそうじゃん。
よし、空間魔法で作業はじめ! おう!!