第四話 神様、半年たちました
メルーサに来て、半年が経ちました。誰が何と言おうとも半年が経ちました。
冒険者ランクも薬草集めにスライム駆除と、なんとかCランク目前までやってきた。
だれ?しょせんはDランクって言ったのは??そうだよ。Dランクだよ!
勇者じゃないんだから、都合よくランクアップなんかしないよ。
でも、何とかこの街にも慣れイーカン様に貰った1万ギルもそのまま。いよいよ開店準備だ。
今、オレは商業ギルドに来ている。
イーカン様と相談した結果、地上の売店とダンジョン内のセーフエリアに異空間ウィンドウで売店を開くことになった。さすが神様が作ったダンジョン。何でもありだ。
オレは通勤?をしなくていいから大助かり。という事で早々に店探しだね。どうせなら住居も兼ねたいから広い家が良いな。
「住居兼、店舗をお探しなんですね?」
「出来たら庭付きが希望です」
「…となりますと、商業区の外れ辺りに有りますが、立地に希望は有りますか?」
「庭付きなら気にしません」
「でしたら、一件だけ庭付きの住居兼、店舗があります」
ということで、早速その家を見に来ました。場所はダンジョン入口まで徒歩30分位。冒険者ギルドも商業ギルドも20分位と、思ったより悪くない。ただ商業区の外れとか言っていたが、ほとんど居住区だ。けどメインはダンジョン内の売店だから地上の店舗は気にしない事にした。
入口直ぐが店舗で、奥にキッチン。聞けば元は食堂で、広めの厨房に設備も備品もそのまま。
2階は居住スペースで、居間に寝室と客間?あと納戸にミニキッチン。浴室にトイレと申し分ない。
(ワシの部屋も有るかのう?)
いや、要らんでしょう。ってか、想念でも今は話しかけないで…
(じゃ~ワシの出番はどこにあるんじゃ?)
作者に聞いてくれ…
(つれないのぅ~)
庭に来てみたら広い畑があった。店で使う野菜を作っていたのだろうか?
あとは納戸棟があり、これで一月の家賃が1万ギル。これだけの広さだもんな~妥当…いや、安いよな?
「もう少し安くなりません? 8000ガルとか…」ダメもとで言ってみた。
「いいですよ」 えっ、いいんだ…
「何年も借り手が居ませんでしたから。ご希望なら買取りも出来ますよ。ローンも組めますし」
買取りか…考えてもいなかったな。でもローンだから金利とか心配だなぁ~
「買取りだと、条件はどうなるんですか?」
「条件は、売出し価格の300万ギルを15年以内に返済して頂きます。返済の割り振りは自由に決めて頂き、金利も付きません。ただし、毎月1000ギル以上は返済して下さい。1回でも返済を滞った時はペナルティーが在ります」 なるほどね。
「あの~、途中から変更は出来ます?」
「契約書にその条項を加えることで出来ます」 これも出来るんだ。
「その時は契約日まで遡り、家賃として支払った分は返済金扱いとなり、期間もその分短くなります」
「では、それでお願いします」
そして契約のためふたたび商業ギルドにやってきた。