第三十七話 神様、2基の自販機を設置しました
朝、セリナさんと日替わり弁当のローストバッハ丼とブリ大根弁当の2種を仕上げた。
この間、ポタンさんとリーザさんは宿のチェックアウト業務をしてもらっているし、プラムさんは畑仕事をしているよ。
もうすぐ11時になる。開店準備にも余念がない。
いつものように地上をポタンさん。ダンジョン店をリーザさんに任せるが、その前に、ダンジョン用自販機の設置と稼働方法を二人に教え、商品の補充も朝の内にしておくことにした。
これでオレが居なくても大丈夫。なにせ今日は自販機を2台作り、設置する予定だ。
さぁ~11時、開店だ。
地上店には常連さんに混じり見慣れぬ冒険者もたくさんいる。その中には宿泊の申し込みもあり
ポタンさんが忙しく動いている。当然オレも手伝っているよ。
だけど、お客には14時までは入室を待ってもらっている。部屋のクリーンが終わってないからね。
いつも日替わり弁当の販売が落ち着く13時頃から行ってるからしょうがないよね。
初めて報告するが、客室も開店時より10室増やして20室にした。
もちろん例の本。全国の温泉。一度は泊まりたい高級宿100選に掲載されてる部屋をコピーしたんだけどね。(第六話参照)
ダンジョン店は12時を過ぎた頃からパラパラと冒険者が集まり、リーザさんが余裕で対応している。
なんか、こちらの風景も定着してきた感じだ。
厨房の仕事も初めにたくさん用意してあるから、追加作業も減りゆとりが出来てきてた。これもセリナさんのおかげだよ。
お店も落ち着き、客室のクリーンも終わったので、自販機造りをすることにした。
すでに1台あるからイメージはしやすいが、今回は3階層と7階層に設置する予定だ。
両方とも24時間の連続稼働で、補充も朝と夜の2回にしようと考えている。
商品も3階層は初心者層だから弁当を多めに。7階層は中級者層だからポーションを多めにセットが出来るように改良してみた。
自作の雷属性の魔石は1グラムに付き100時間。約4日は使用できると鑑定で分かっているから、7.5グラムの魔石を組み込めば一月は交換をしなくて済む。
さっそく計量器を買って適合する重さの魔石を2個選んだ。
そう言えば、5階層で使っている魔石の対応時間は鑑定してないや……今度調べよう。
イメージ通りに改良した自販機に魔石をセットして、あとは動作テスト。結果、問題無し。
よし、設置しに行こう。お店は営業中だから、プラムさんに手伝ってもらう事にした。
まずは7階層。この時間だとセーフエリアにいる冒険者も少ないからね。
自販機を配置して5階層と同様にお弁当部分は保温機能と腐敗防止機能。ポーション部分には常温に。
後は破壊防止と犯人拘留機能と……あれやこれやで以下省略して完成!!
ついでに、ここでもダンジョン温泉に続く階段を設けたよ。初心者層に比べ魔物の強さも段ちだからね。疲れを癒して先に進んでほしいし、希望も多かったからね。
次は3階層に移動しての設置作業だ。
ここのセーフエリアは予想通り、それなりに冒険者がいた。
設置の邪魔だけはされたくないから、ここでプラムさんの出番!
冒険者が邪魔しに来ないように警備をしてもらう重要な役なのです。
元Sクラスのプラムさん。威圧感もさすがだね。他の冒険者達は遠巻きに見てはいるが、近寄っては来なかった。
おかげで先ほどと同じ作業だけど、スムーズに終える事ができた。
プラムさんありがとう。
でも、ここではダンジョン温泉は設けなかった。頑張って5階層まで来てほしいからね。
いわゆるご褒美的な存在? 多少のブーイングも有ったけど、プラムさんの一睨みで静かになった。
プラムさん。ありがとう。これからも頼りにします。
(ほほほっ…… 順調に計画が進んでおるのぅ~)
それより、とかチャンとは仲直りしたの?
(とかチャンとはだれじゃ?)
シトリンさんだよ……
(あやつ、とかチャンと呼ばれておるのか!これは面白いことを聞いたわい)
しまった……。