第三十二話 神様、ボス戦やらされています
ポチをポチと呼んで何が悪い! ポチポチポチ~~~~!!
ついでにタマタマタマ~~~~
くそ~~~っ、ほんとにボス戦やらされてるよ……
相手はブラックゴキゴキ。日本の夏に出てくる虫、Gの超大型版と思ってくれ!
奴を見た瞬間、半径1メートルの範囲で結界障壁を張ったさ。怖いし気色悪いし……
デカイくせに動きは速いでさぁ~ もう必死。必死に風魔法で鎌鼬を放ったよ。
奴ときたら結界障壁の上を這い廻るわ、ドンドン叩くわ、体当たりしてくるわで、ほんとに嫌!
しかも、しかもだよ。だんだん数が増えてくるんだよ…… あの黒いのが……
もう気持ち悪くて目を開けているのが辛かった。
助けを求めようとポチを見たら、タマと一緒に笑い転げて居やがる。
てめ~ら今日は飯抜きだ!
ほんと、だんだん怒りとイライラがピークでさ! もうアレを放つしか策がない!! と思ったね。
空中の水分を分解し、(H)だけを集め、圧縮したところに火を放つと大爆発を起こすやつだ。
案の定、ブラックゴキゴキは全滅した。ポチとタマの毛も少し焼けていたような……
『お主…そんな大技をだまって放つな!もう少しで死ぬかと思たわ!!』
『あれは反則だよね~ おいらの結界が持たなかったんだよ~~』
『我の美しい毛並みが焦げて台無しだ』
『おいらの毛も少し焼けたよ……』
エモノも持たないオレにボス戦なんかやらせるからだ! しかも、ゴキゴキだし……
周りの迷惑やなりふりなど考えてられるかって!!
ブラックゴキゴキが消え、気持ちも落ち着いたところで周りを見たら、なんか風景が変わっていたかな?
足元を見るとたくさんの魔石が転がっていた。すべて鑑定してみたが雷属性は無かった……
部屋の奥には宝箱も有り、罠が無いか鑑定をしてから箱を開けてみた。
中には、魔剣ブラックソードが入っていた、鑑定したら、光属性の魔力が込められた魔剣で、アダマン鉱石で作られている。
(それは、わしからのプレゼントじゃ)
出たなジジィ!
(お主がエモノを持っとらんと言うておったからのぅ~ 使うがよいぞ)
いや……これは使えんでしょ……
(なぜじゃ?)
重くて振れん……
(軟弱な奴よのぅ~)
うるさい! ラノベ読んでろ!
(ほほほっ……)
ポチ・タマ!7階層に行くよ。
『ポーチンだ』
『ミタマだよう~~』
ふん。ポチとタマで十分じゃ!
『またボス戦がしたいらしいのぅ』
『ダメだよ~ またさっきの出されたらおいらの命もやばいし~』
『うぬぬぬぅ……』
こうして初のボス戦を勝利で納め、次の階層に進んだ。
『おいポチよ。ケンモたんは追い詰めたら危険だよぅ』
『我も死ぬ思いをしたのは初めてだ』
『ケンモたん怒らせたからお昼ご飯も出なかったし……』
『あれこそ反則だ。飯を抜くとは……』
『美味しいご飯の前ではポチタマになろう~』
『飯の為だ、仕方が無いか……』
今日から二人?はポチタマな。嫌なら飯抜きだ!
『『……美味しいご飯をこれからもお願いします……』』
人?生で初の屈辱を味わった神使と霊獣であった。