第三十一話 神様、セーフエリアで話を聞きました
ただ今、6階層のセーフエリアで昼食を取っています。
二人?が……
今日の日替わりはブラックバッハの牛丼風。大鍋ごと空間収納に入れて持ってきた。
『ふむふむ。これもイケるぞ』
『脂身が美味しいねぇ~』
『おかわりくれ』
『おいらもおかわり~』
匂いに釣られてギャラリーが集まってるけど、二人?の胃袋を満たすまでは気が付かない振りをしたよ。
大鍋の半分以上を食べた二人?は食休みとか言って昼寝を始めた。
残りが有ったので、看板とテーブルを出し、出張?販売をすることにした。
ほんと、空間収納は便利だ。ご都合展開に持って来いとだけ言っておこう。
結果。希望者全員に行き渡った。もちろん代金の50ギルは頂戴したよ。商売だからね。
冒険者たちから聞いた話では、一階層の攻略に早くて2日。長いと20日位掛かるとかで、ポーションが不足したり、武器の耐久性が低下したりとかで、苦戦を強いられることが多いとか。
自販機でポーション補給が出来たのは奇跡に近いと感謝されたよ。
他のセーフエリアにも自販機を置いてほしいと言われたが、さすがにね~~ こればかりは雷属性の魔石が必要だし、買うにも先立つものが要るのさ……。
時々、ドロップ品で出ることがあるらしいけど……そこまでは展開も甘くないよね??
甘くないよね。
甘くないよね……
ジジィ。せっかく振ったのに今日は食い付いてこんのか?
よし、もう出番なしな
「まて。待つのじゃ」
遅い!
「わしの出番か? 出番なのか??」
はい。作らせて頂きました。
「嬉しいのぅ~ 今日はもう特別じゃ、何でも望を叶えたるぞい」
そんなに嬉しいんだ……
「当然じゃ~ 待ちに待った出番じゃぞ。嬉しいに決まっとるわい」
じゃ~気分が良いところで、お願ね。自販機に使う雷属性の魔石が欲しいな。
「魔石か……………… 無理じゃ!」
「何でも望を叶えたるぞい」ってさっき言ったよね? いったよね??」
「あっ!ラノベの続き読まねば…… さらばじゃ~~」
逃げた! なにがラノベの続きだよ……
(欲しけりゃ、15階層に行くことじゃ)
さっさと帰れ!
まったくジジィは使いもんにならんわ。あれで神様だって?? ふざけるな!
何が15階層に行けだよ。誰のためにやってると思ってるだ!! まったく……
よし、当分干してやる。
えぇ~っと、気を取り直して話を進めねば……
とにかく、如何に自販機を増やすかだよね……
やっぱりドロップ品が高値で売れないとダメって事か……
だけど、早くなんとかしてあげたいよね……
「ポチ……ポーチン。ミタマ。休憩は終わりだよ。魔法陣書いたら次に進むよ」
『いまポチと言うたな。ボス戦決定だな』
えぇ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ
ご勘弁を……ポーチン様~~
『ダメだ』
……ガックシ……