第三十話 神様、再度ダンジョンに潜ります
5階層の売店は皆に任せて、次は10階層まで進む事にした。
ポーチンとミタマにダンジョンに入ると伝えたら、すぐにも行こうとしたので止めるに大変だった。
『今から行くのでは無いのか?』
『そうだよね~待ってたんだよ~~』
「明日の準備をしてからでないと行けないから……」
『トロい男だな~』
『明日必ずだよ~』
そこにプラムさんが、「私も同行して良いでしょうか?これでも元Sランクなので……」と言ってきたけど、たぶん活躍の機会も回ってこないだろうと留守番をお願いした。
決して、作者が魔物退治のシーンを書けないからではない。
あくまでも、プラムさんの身体の事を考えての話だ。
予定は前回と同じで日帰り。目標は10階層だ。
忘れている人の為に改めて書くと、本来の目的は各階層のセーフエリアに痕跡の魔石で魔法陣を書き、その魔法陣で店まで戻れるかのテストをすることにある。
しかし、今回は少し違う。
自動販売機の増設に使う魔石の購入資金を捻出する目的も増えた。
要は、魔物もドロップ品も売れる状態で持ち帰らればならないため、ポーチンとミタマには最小限の攻撃で仕留めるようにお願いをしておいた。
今日の分の日替わり弁当は用意した。追加が欲しい時の対応はセリナさんにお願いもしておいた。
魔石の魔力チャージは一時預かりの翌日返却で対応することを決め、いよいよダンジョンへ向かう。
5階層には魔法陣で飛んで、いきなりボス部屋だ。
出てきたのはジェネラルオークが5体。ポーチンとミタマによりあっという間に葬られ、二人?には手ごたえが無いスタートとなったようだ。
部屋の奥に宝箱が有ることをミタマが見つけ、鑑定で罠が無いか確認後、開けてみた。
中には、金の延板が2枚とマジックバック(小)が入っていたので、これを空間収納に収め6階層へと進んだ。
ここからは中級者向エリアになっている。
確かにここに居る冒険者は少ない。といっても5階層までに比べてだけどね。
出てくる魔物はポーチンとミタマが片付けてくれるので、オレはドロップ品拾いと冒険者ウォッチをしている。
「あの自動販売機には驚いたな、初めて観たぞ」
「俺も初めてだけど。ポーションが補給できたは助かったな」
「しかも、格安だったしな」
など、冒険者たちの会話も聞こえていた。
『おい。あまり離れると責任もてんぞ』
『ミタマが居るから大丈夫だよ~』
『セーフエリアに入ったら飯な』
『おぉ~賛成。良いこと言うな。ポチ』
『黙れ!タマ』
わかったから二人?ともケンカはしないように……
二人?がじゃれ合いながらセーフエリアにやってきた。
(ケンモよ…… わしゃ寂しいぞ……)
なんで?
(出番がないからじゃ……)
そんなに出たいの??
(当然じゃ!わしも主人公の一人じゃぞ!!)
はぁ? サブじゃん
(ナント!!!)