第二十九話 神様、衝撃の事実が満載でした
冒険者ギルドからの強制で、プラム・ハモンさんが仲間に加わりました。
「いやぁ~若いイケメン君が居るだけでヤル気がでるわ~」
「年下のイケメン大事……」
リーザさんもセリナさんもテンション上がっているし……
「ココにも若いイケメンが居るじゃないですか……」
「あっちへイケメン」
「そっちにイケメン」
「「どこでも行けメン」」
あぁ~~ポタンが泣いちゃったよ。どうすんの二人とも……
「オッサンが泣いても可愛くないし」
リーザさん… 何気に酷いよ……
「オッサンって……俺まだ23なんだけど……」
えっ、え~~~~~~~23! オレより年下!
まさかの発言に仰天だよ。
ちなみにプラムさんは?
「私ですか? 35ですが」
はぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ 35?
どう見ても10代だよ。君はエルフか?エルフなのか?? 耳は尖ってないぞ。
これは全員の確認が必要だな……
リーザさんとセリナさんはおいくつで……?
「女性に聞くことじゃないわよ」
「レディは永遠に18なの」
ということは、お二人とも30と思って良いってことですね。
「「まだ28よ」」 ふたりからボコられました……。
だけど、衝撃の事実だよ。一番年上に見えたポタンさんが一番若かったなんて……。
あっ、店の隅でポタンさんがいじけてるよ…… しばらくそのままにしておこう。
「ところで、店主どのは?」「ケンモさんは?」「店長の知りたい」と聞かれたので……
「25歳です」
…………………
なぜ無言? 反応なしですか??
「見た目通りですね」「驚きが無いわ」「平凡」
……何を期待してたの?
なに?その期待外れの反応……
オレもポタンさんの仲間入りをしました……
プラムさんは元Sランクの冒険者で、30歳の時に怪我をして引退し、ギルドの職員としてうちに派遣されたのだとか。得意なのは水魔法と土魔法。風魔法で現役時には魔導士をしていたとか。
さて、テトロンさんからの押し付けだけど、帰ってもらう事も無理そうだし……何をしてもらうか??
「店長。そろそろ明日の仕込み。始めましょう」
メニューを考えて無かったよ……
そういえば、野菜が少なくなってきていたなぁ~。
そうだ!裏庭に畑も有ったから、そこで野菜作りでもしてもらおうかな???
プラムさんを呼んでお願いをしてみたら、快く引き受けてくれた。
現役の頃は獣や魔物ばかりを退治していたから、農作業のような自然を相手に何かを育てるのに憧れていたのだとか。植える野菜はこちらが指定するけど、あとは自由にしてもらうつもりだから、気楽に楽しんでもらうことにして、畑に案内した。
「ところで店主殿。私の住まいは何処でしょうか?」
「えっ?住込みなの??聞いてないよ」
「商業ギルドのポタンさんが住込みなら、冒険者ギルドの私も住込みでお願いします」
「でも、いま住んでる部屋が在るでしょ??」
「ギルマスに言われて、引き払いましたから」
テトロンさん……、なに勝手に決めてくれてるの……
「ポタンさんと同室でも良いですか?」
「嫌です。私も豪華な部屋を独占して使いたいですから」
「なんで知ってるの?」
「ポタンさんが自慢していましたよ」
はぁ~~って、ため息しか出ないよ……まったく。
「ケンモよ……そろそろわしを出さないと、バックアップもせんぞ」
「オレに言われてもなぁ~。って、バックアップしてくれてたの??」
「…………」
してなかったんだ……。