第二十七話 神様、冒険者ギルドから呼び出しです
ダンジョンの5階層にアンテナショップを出して十日が過ぎた。
メインの日替わり弁当もセリナさんの助言で肉と魚の二種類に増やしたのが功を奏し、更なる人気を集め、武器の修繕サービスが効いたのか、魔石への魔力チャージも増えだした。
また、閉店後の自販機も結構な利用があり、日替わり弁当はほぼ完売状態が続いている。驚いたのは中級ポーションの売れ行き。店頭では売れないのに売れているからだ。野営するパーティーが一日の回復か補充に買っていくのだろう。ココにも早すぎる閉店に問題が有ったようだ。
ダンジョン温泉の利用者も、男女合わせて毎日50ギル以上の売上がある。
全員が1ギルと思いたくないけど、なかなかの数字だよ。
一日の疲れを癒すのは、やっぱ温泉だよね。
そろそろ10階層まで進もうと考えていた頃、冒険者ギルドのギルマスから呼び出しがありました。
急に呼ばれても直ぐには行けないので、多忙時間も終わり、一息ついたところで冒険者ギルドに来た。
「お久しぶりです。テトロンさん」
「忙しいのに呼び出して申し訳ない」
「いえ、構いませんがご用件は?」
「実は、ダンジョンから戻ってきた者達から、他の階層にも売店を出してほしいとの声が多くてな。現状で出せるのは君しかおらんのだ。なんせ神様の密命だからな」
「それですか……現状では難しいですね。準備も出来てないですし……。今でも商業ギルドの協力を受けてやっていますが……」
「何、商業ギルドだと! なぜこっちに来ない!! ダンジョンの事だぞ!!!」
「いや…あの……以前こちらで門前払いされた後、商業ギルドでこちらへの紹介状を書いてもらいましたよね……その時すでに専属担当者が付けられ店も手伝ってもらってて……」
「おのれドレース~~ もう入り込んでいたのか……」
「まぁ~うちは商店ですから……」
「よし、冒険者ギルドからも人員を出そう!」
「えっ! それは……おこと…」
「断るとは言わせんぞ! ドレースだけに美味しい思いさせるものか!!」
「あっ…やぁ……ほんと………。給料も出せないから……」
「遠慮はいらん」
「と…取り敢えず今日は帰りますね。従魔のご飯も作らないといけないので……失礼します」
ギルドを出る前に、近く5階層より深く潜ることだけは伝えてきた。
……しばらくは近づかないようにしよう……うん。
しかし他の階にも出店か……。有人は無理だけど自販機ならいけるか? これも皆に相談だな。
店に戻ってきたら、そこには一人のイケメン君が立っていた。
「いきなりで申し訳ありませんが、よろず屋の店主さんです間違いないですか? 私は冒険者ギルドより、貴殿担当として遣されました、プラム・ハモンと申します。ただ今からよろしくお願いします」
「はぁ~~~~~~~っ」
おいジジィ。こういう時に出て来て助けろ
(わしゃ知らん~~)