第二十三話 神様、店員が欲しいです
ダンジョン店2日目。ポーチンとミタマは今日も狩りに出かけた。
さて、昨日の轍は踏まないぞと、用意したチャーシュー丼は500個。
器は、駅弁で使われている折を用意した。もちろんネットショッピングで。
ポタンさんにも試食を「あと、300個は追加してくだい」 えっ?もうですか?
急いで作ったよ。チャーシューも仕込んだ。教訓教訓。
余ったら異空間保存が出来るから。安心して作れる。
あっ、夜食の見返りでイーカン様に教えてもらったんだ。
(神を脅すとは……お主くらいじゃ)
出てこなくて良いし……。
(出るなら今!ゴッドタイミングじゃったろ?)
あぁ~いま読者が離れたな……
(それはいかん。いかんぞ~~)
(読者よ……カミバ~~ック)
ジジィ退場!!
今日の日替わりランチ「チャーシュー丼 50ギル」見本とポップを置いたら、
いよいよ開店。
地上店は見慣れた風景。店の前には人だかり。
ダンジョン側は……
??なんで行列??
先頭の人に聞いちゃったよ。なんでも噂を聞いた人たちが来ているとか。
中には、買ってから先に進むパーティーもいるそうだ。
恐そるべし、口コミ。
行列が収まる気配はなく、一時間が過ぎた。
「ケンモさん。500個追加してください」
えっ??800個あったよね? もう無くなるの??
そこからは昨日と同じ……エンドレスで作ってた気がした。
我の食い扶持が減ると、ポーチンに怒られなきゃいいけど……
「今日のチャーシュー丼は昨日より好評でしたよ」と大喜びのポタンさんを横目に、放心状態。
「明日はもっと売れますよ~」と、トドメを頂いた。
忙しいのは嬉しいことだけど、一人では無理だ。
人手が欲しい…… 少なくとも2人。店番と料理補佐。
ポタンさんに相談しよう……。
ポタンさんは仕事が早い。その日の内に商業ギルドから派遣して貰えることになった。
その前に、面接だよね。名前はリーザさんとセリナさん。二人とも美人で華のある女性だ。
リーザさんはどちらかというとキャリアウーマン? ハキハキとした話し方の中に、気の強さを感じさせ。それらを覆い隠す笑顔でカバーしているのかな? うん。店番を頼もう。
セリナさんは名前の如く気の弱そうな雰囲気を持っているが、キビキビした動きで頭の回転も速い。
手先も器用だと言う事で、調理補助を担当してもうことにした。
給料は商業ギルド経由で払う事ように言われた。
そういえば……ポタンさんを当たり前のように使っているけど、良いのかな?
「私はこちらの専属担当。それにタダで部屋を使わせてもらっていますか、気にしないでください」
それでいいなら、いいんだけどね……って、なんでわかったの? 声出てた??
二人には明日から来てもらう事にして、夜食を作ろう。
ポーチンとミタマも帰ってくるころだ。
今夜はピッグキトンの肉で、ショウガ焼きだ!
(ワシの分も頼むのじゃ……)
はいはい。