第二十二話 神様、明日の為にチャーシュー丼を仕込みます
夕方になり、ポーチンとミタマが戻ってきた。
得物はピッグキトン。見た目はイノシシに似ている獣を4頭。
『我らの食糧じゃ。これで美味い物を作れ』
『ケンモたんも食べていいよぅ~』
「ミタマは優しいなぁ~~ ありがとう」
だけど、どうやって処理すればいいの?
やったことないよ……
「魔法で解体すればいいのじゃ~」 出たなジジィ!
『親愛なる神・イーカン様をジジィ呼わばりするな』
「今はわしの出番じゃ。ポチは出しゃばるな!」 いや、出番じゃないし…
『ポーチンです……』
「ほれ。これはピックキトンに部位表じゃ。これで解体イメージも湧き易いじゃろ」
「部位表って…… これだけ? まさかその都度だすつもり?」
(ギクッ)やっぱりね…
でも、教えてもらったからな~ ここは素直に「ありがとう」
「おぉ~素直なお主は気持ちが悪いのぅ」
「うるさいよ。感謝の気持ちを返せ!」
部位毎をイメージして……「解体」
おぉ~~ 簡単じゃん。
「ポーチンもミタマもどんどん狩ってきて良いからね~」
『お主も現金だのぅ』
『美味しいの、たくさん作ってくれるぅ~?』
「もちろんだよ。でも、少しはお店で使っても良いよね?」
『我らの分が減るだろうが』
『ミタマは良いよ~狩りは楽しいからさぁ~』
「ミタマは良い子だねぇ~ ほら、このお店もイーカン様案件だよ」
『ムムム…… わかった。使うがよいぞ』
「二人とも、ありがとう~」これで支出が抑えられる。ラッキー
『何がラッキーじゃ』
えっ…… なぜわかった?
「お主、すぐ声に出るからのぅ~ まる分かりじゃて」
あぁ~~~ そうだった…… 反省
解体したピッグキトンの肉がどんなのか、焼いて食べてみた。
うん。豚肉に似ている。
よし、夕食はチャーシュー丼にしよう。明日の日替わりもこれだ。
適当な肉塊をたこ糸?で縛り、全面に焼き色を付けたあと、
大なべにしょうゆ・砂糖・みりんを合わせ、ショウガとねぎ。
それに人参と玉葱も入れた煮汁に投入。
あとは鍋に密閉と高圧力の魔法を掛けたら出来上がるのを待つだけだ。
もちろん材料はネットショッピングで購入したさ。肉以外はね。
出来上がったチャーシューを取り出し、厚めにカットしていく。
その間に煮汁をさらに煮詰めておく。
丼ぶりにご飯を盛り、キャベツの荒切りを乗せたら主役のチャーシューをたっぷり乗せ
少量の煮汁を回しかけて出来上がり。
さぁ~トロトロのチャーシュー丼を召し上がれ! ってね。
ポーチンとミタマには浅めの鍋に盛り付けて出してあげた。
『美味い。美味いぞ。もっと寄こせ』
『おいらももっと食べたいよ~』
おう。まだまだ作るからな。どんどん食え~。
「……わしの分は無いのかのぅ~?」
まだ居たんかい!