第十四話 神様、庭に猫がいました
ジジィに押し付けられた犬のために小屋でも作るかと、庭に出てきた。
『犬ではない。フェンリルだと、何度言えばわかるのだ』
でもその大きさではどう見ても犬なんだよなぁ~ってか、犬以外に見えないもんね。
『フン。騒ぎになると思って小さくなっておったが、本来の姿になってやる。ほれ!』
うおぉ~デカい。10tの大型トラック並? この庭が小さく見えるよ。
だけど…… フワフワの毛並みは魅力的。モフりたい。モフらせてくれるかな?
『恐れ入ったか。我の偉大ささを』
「うん、わかった。わかったから、あの~ぅ…」
『モフらせんぞ』
だから……なぜ分かるんだよ。
『一回だけ。一回だけでいいから……ねっ」
『ダメだ。断る』
「ケチ。モフらせてくれないならさっきのサイズに戻って……」
『ねぇ~、おまえイーカン様のところのポチだよね~?』
『ポチでは無い』
ちょぅ、オレを睨むなよ。オレじゃないからな。オレは言ってないぞ。
『おいらだよ』
『ふむっ?お主はタマではないか』
えっ、タマちゃん? どこどこ??
よく見るとポチの足元に可愛い猫が1匹いた。
『今のはお主だな……』
だから睨まないで。怖いから…
『おいらはミタマだよ。縮めないで』
『我をポチとか言うからじゃ』
『だってお前さんは飼い犬だし、ポチじゃん』
『お主は野良猫のタマでよいではないか』
「ちょっと、口論は止めて、うるさいから。で、この猫ちゃんはタマちゃんで良いんだよね?」
『おいらはミタマだよ。おバカな人間君』
「わかった。ミタマね。で、猫君で良いのかな?」
『おいらは猫ではないよ。ダイヤモンドタイガー。霊獣だよ』
「もしかして、君も大きくなれるの?」
『なれるよ。ほら』
おぉ~ 透明感のあるホワイトタイガーって感じ?
例えが下手で伝わらないかと思うけど、光りに反射してキラキラしてて……
霊獣と言われたら、頷けるほど綺麗だよ……
堪能したから、ありがとうって、猫ちゃんサイズに戻ってもらいました。
『ポチはなんでここに居るの?』
『ポチは止めろ。イーカン様の命で、こ奴とダンジョンに行くんだ』
『ダンジョンか~。おいらも行こうかな?人間君いいでしょ?』
「別にいいけど、あっ、オレの名前はケンモね。お世話も何も出来ないよ?」
『おいら霊獣だから、お世話もご飯も要らないんだよ』
わっ、ポチと同じこと言ってるし。
『ポチではない』
でも、猫ちゃんの方が可愛いから和むよね。
という事で、二匹を連れてダンジョンに行くことにした。
その前に冒険者ギルドでこの2匹を連れて入れるか聞いてこよう。
「二人?をダンジョンに連れて入れるかどうかをギルドで聞いて来るから、待っててもらえる?」
『ついてく~』『我も同行しよう』
というので、みんなで冒険者ギルドにやってきた。
(まてまて、なぜワシを出さんのじゃ。サブタイトルにも神様が付いとるじゃろが!)
そだね。次からその文字外すわ。
(それはダメなのじゃ~)