番外編 12話 第二ダンジョンの公開
冒険者ギルドのギルマスから相談を受けてから半年、ようやく第二ダンジョンを公開する事になった。
ジジィには今後の出番を失くすと言う脅しが効いたのか態度が一変し、すこぶる協力的になった事から一気に作業も進んだ。もちろんセーフエリアによろず屋の出店も予定されてる。
ギルマスと話し合いで第二ダンジョンは一般とⅮランク冒険者までとし、肉フロアとか果物フロアなどはこちらに移した。更には最後まで攻略すると冒険者ランクをCランクに特進出来る特典も付けられた。それに伴い、従来のダンジョンを第一ダンジョンと名付け難易度も上がりCランク以上の冒険者しか入れないように決定され、すみ分けをした事で入場者数の制限も解除されることになった。
この告知は公開1月前から行われ、3日前からは最終調整ですべての冒険者が第一ダンジョンに入れなくなった。既に入っている冒険者はジジィに強制排除され、いよいよ公開の当日を迎えた。
ここ、よろず屋でも……
「魔方陣を書くために今日は第二に入るけど、ついて来てくれるよね」
『我はいつものダンジョンに潜るぞ』
『わしも同じじゃ。腕がなるわい』
『俺は肉を拾いに行くから主について行くよ』
『ジャルラも肉~~』
どうやらポチととかチャンは第一ダンジョンに。タマとジャルラが第二ダンジョンに行くらしい。
「では私も第一に同行しましょう」とプラムさんが言えば、リョウ君も鉱石堀りがしたいと言い出し、ユウゴ君が「では僕は第二で薬草を取ってきます」と組み分けが決まった。
「ちょっと。私とセリナに留守番させるつもり!」
「俺も居るけど……」
「ポタンさん忘れられてる」
「突っ込むとこ違わないか……」
「良いのよ」
「夜の仕込み時間までには戻りますからお願いしますね」
「任せておいてください」
「じゃ~プラムさん、お願ね。私は休憩してるから~」
「リーゼさん。仕事しないと減給になりますよ」
「それは勘弁して……」
こうして第一ダンジョンにある売店のピーク時間を終えたよろず屋の一行はそれぞれのダンジョンに行った。
第二ダンジョンにはまだ痕跡の魔方陣が仕込んでないので、正規の入口から入ることになり、受付を済ませて中に入る。
一階層は草原で、ウサギや鳥など小動物がメインで子供でも狩りが出来るエリアになっていて、多くの子供たちで賑わっていた。
タマとジャルラが欲しがっている肉は5階層より出始める事からさっさとセーフエリアに痕跡の魔方陣を書いては進んでいく。4階層に着いた時にはユウゴ君が薬草採取に熱中しすぎてジャルラに早く行こうと急かされいたよ。
(おい。わしの出番はどうした。失くさん約束では無かったのか!)
失くさんとは言ったけど、今回出すとは言ってないよ……
(……それはそうだが……出してくれても良いだろうが……)
二話も独占しといて言える立場??
(そ…それは……)
みんな怒ってたよ。
(そ…そうなのか……)
しばらくはおとなしくしておいた方が良いと思うけどね~
(わ・・・わかった。今日はこれで帰るわい)
これでジジィもしばらく大人しくなるかな