第八話
~序章~
第八話『東京迷宮 調布デート編 その2』
「もう~!! 本気で怒ってるんだからね!?」
あたしは部屋に戻り
アクアちゃんに説教をしていた
だって~!!
アクアちゃん・・・あたしの食事しているところ見ながら
「こんなの!! 唯ちゃんじゃないよ~!?」
って泣いたんだよ!!
何これ、侮辱??
正直、ちゃんとわかってもらえるまでは・・・このままです!!
「うう~、唯ちゃん・・・ごめんなさい、もう食事のことで泣いたりしませんから」
本気で反省はしてくれているけど
実際に、また泣いてしまいそうなので
もう少しだけ・・・威厳を示してみた
「・・・まだ、甘いです!! ちゃんと反省してよ」
「してます!! だから・・・デートして下さい」
デートはするよ、あたしが楽しみにしてるんだもん
そんなの、中止にする理由ではないわよ!!
「まあいいわ・・・アクアちゃんは真面目だから、次しないって言ってるし」
「じゃあ!! 許してもらえますか??」
さぁ~、どうしようかしら・・・
って、アクアちゃん
もう、怒ってないから安心してね
でも、忘れたわけではないから
これに関しては、あたし相当ショックなんだからね・・・
「唯ちゃん・・・ごめんなさい!!」
「震えてるの?? ああ、あたし以上に繊細じゃない・・・もう、心が壊れないうちに許しますから」
アクアちゃん・・・本当にあたしを純情可憐な乙女だと思ってるのね
複雑すぎて、色々と言いにくいよ・・・
それを守れるだけの行動は、あたしにはできません・・・ごめん、アクアちゃん
「アクアちゃんとのデートは、あたしがやってみたいと思ってるから」
「・・・」
違う意味で、泣いてしまっていたアクアちゃん
食事以外は、出来るだけアクアちゃんの理想な・・・唯を自然な形でできるようにします
「今更言うのも、変ですが・・・無理はしないで下さい??」
「うう・・・沈まれ、この左腕!!」
ああ、うう・・・左腕が勝手にアクアちゃんに殺意を覚えてしまっている
アクアちゃん、逃げて~!!
「あたしの理性があるうちに・・・謝ってみて??」
もう、自分でも制御できなくなっている
いろいろな意味で・・・
あたしって、ここまで不思議な娘だったんだ~
「いや、謝らなくていい・・・ごめんなさい、あたしが悪いの」
あ~、涙が出てきた
おかしな暴走をしているんだけど
アクア(唯ちゃんに、変な幻想とか抱きませんので・・・ありのままのあなたでいて下さい)
あたしが泣いてしまったから
慰めてくれるのね・・・本当に健気で優しいアクアちゃんです
恋人でこちらから、お願いします・・・あたしを見捨てないでね??
恋人同士でも夫婦でも相手の知らない行動とかで興ざめして別れるとかあるって聞いたし
ああ~アクアちゃん、あたしのこと嫌いにならないで~
そして、別れるって言わないで~
じゃなかったら、今すぐ女神になってやるぅ~!!
「嫌いでも別れもありませんので・・・それだけは、絶対にやめて下さい!!」
「あ・・・ううっ、アクアちゃぁ~ん!!」
女神は、そのうちになるべくして目指します・・・
すぐとか、無理だろうし
「このまま、部屋に居ても・・・寂しいのでデートを始めても構いませんか??」
「あ、ああ・・・うん、出かけようか」
そうそう、デートが今日の目的なんです!!
調布デート~♪
まあ、本来あたしの知っている調布ではないんですが・・・
(元々行ったことないから、少し微妙なんですよね・・・)
「一応、グリーン様へ出かける報告だけしておきます」
そう言うと、部屋を出てその隣の隣にあるグリーンさんの泊まる部屋に向かう
ノックして
「グリーン様、おらっしゃいますか??」
すぐに、扉が開く
「ん?? ああ、デートかな・・・楽しんで来て下さい」
「あ・・・はい、行ってきます」
相変わらず、グリーンさんは察しは良すぎます・・・怖いくらいに
でも、その分無駄な会話とかがなかったりもするんだけどね
1階のフロントで、外出手続きをして
街に出ました~
「唯ちゃん・・・フロントの方から、デートスポットを何箇所かお聞きしました~♪」
「うん・・・聞いてたよ、心で覚えようとしてたからね」
必死に、覚えようと心の中で何度もつぶやいていたアクアちゃん
だからね、ある程度はわかるよ
詳しい場所までは不明だけど・・・
って、デバイスで案内できたりするのかな??
「可能みたいです・・・今日は、ワタシがエスコートしたいです??」
「おお~、アクアちゃんのエスコートでデートできるの・・・やった~!!」
既に、行動がルート設定されている
流石アクアちゃん、素敵です
「噴水広場・・・太陽の位置で、虹が見られるようです」
「虹・・・わーい、素敵な場所~♪」
男女のカップルが結構多いかも・・・
みんな、デートに来てるんだ
「ワタシたちもです!!」
「あ、うん・・・そうだよね」
あたしたちもデートの真っ最中です
他のカップルよりもラブラブなんだからね!!
って、大声で叫びたいくらい
アクアちゃんが大好きです
「・・・」
あ、アクアちゃんのお顔が真っ赤です
あたしの言葉責めに耐え切れなくなってるな~♪
大好きなものは仕方ありません
一度好きになったらね、簡単には消えたりしないんだから!!
しかも、その気にさせたのはアクアちゃんの方なんだよ
ラインさんを利用して・・・わかってるの??
「・・・わかってます」
恋愛感情なんて、あたし無かったんだから
急に芽生えて
しかも、一気に成長したんだよ
「そろそろ、ワタシ耐え切れなくなりそうです・・・」
「じゃあ、キスしてくれたら許してあげる~♥」
ふふふ~♪
どうするアクアちゃん??
「えい~!! ちゅっ♥」
んんっー!!
アクアちゃんにキスされっちゃった~
アクア(唯ちゃんが悪いんです・・・せがむから、でもワタシもしたかったので、しました・・・許してくれますか??)
唯(もうどうでもいい、アクアちゃんのくちびる柔らかいよぉ~?!)
このまま、アクアちゃんとひとつになってもいいくらいに
気持ちのいい感覚です
アクアちゃんも同じ気持ちでいるのかな??
アクア(唯ちゃんのくちびるも柔らかくて素敵です)
あたしのくちびるも・・・同化してるんじゃないのかな
離れたくても、離れないよ??
気持ちの問題だけど
アクア(スポットに行く度にキスをせがむんですか??)
急にアクアちゃんの顔が赤くなってるよ
よし・・・
唯(不意打ちでキスするかもしれない・・・)
あ・・・何するの??
何でキス終わらせたの!!
「次の場所に行きましょう!?」
「ぶーぶー」
ちょっとだけ不満だったけど
まあいいか、次でもキス狙うからね・・・覚悟なさい!!
「唯ちゃん・・・怖いです」
「襲わないだけ、いいでしょ??」
アクア(襲うって・・・ワタシ、本気で号泣しますよ)
唯(いやいやいや、襲わないから・・・アクアちゃんが望まない限り)
そう、アクアちゃんが襲って欲しいと言えば
よくわからないけど、襲うということをしてみるかもしれない
どうしたら、襲うことになるのかな・・・
・・・
・・・・
・・・・・
うわ~!!
アクアちゃん、ごめんなさい
知らずに言葉は使わないようにします!!
ふー
襲うって、そういうことだったんだ・・・
それは、号泣しますよね
「わかっていただければ、それでいいです・・・唯ちゃんには優しくなら襲われても・・・いえいいです」
優しく??襲う??
矛盾しています
でも、何かあたしにはできそうな気がします
「それでも、ワタシは泣くと思いますが・・・それでもしますか??」
あれ??
これ、脅迫じゃないんですか・・・
「アクアちゃん・・・ごめんなさい」
お詫びではないですが、アクアちゃんがあたしを襲ってみたら??
あたしは、アクアちゃんになら、いいよ・・・すべて捧げても
きゃっ!!
恥ずかしいー!!
「・・・唯ちゃんの純粋さが薄れていく、でも無邪気さはそのままです」
何よ・・・
あたしが壊れるみたいな言い方して
「アクアちゃん、手じゃなくて腕組んでもいい??」
もう強引にしてやる
手をつないでいたけど
腕組みに変更してみた
より、密着できるんだよ
「この方が、カップルみたいでいいですね」
「あれ・・・反応が普通だ」
作戦失敗でしたか・・・
あたし、何でアクアちゃんを試してるんだろうね??
もう、変とか嫌とかあったらはっきり言ってね
あたし直すから
「いえ、本気で嫌なら・・・泣いてしまうと思うので」
うん、わかったよ
じゃあ、このまま次の場所まで~♪
ハートの形に花壇が作られている
この街って、恋人用だったりする??
「アクアちゃん・・・この愛引小屋って何??」
「!? 知りません!! 知らなくていいです・・・!! 危ないので」
え~、危ないの??
愛ってあるから、そういう家なのかと思ったけど
違うの??
恋人同士で泊まるホテルじゃないのかな・・・
絶対そうだと思うんだけど!!
アクアちゃんが拒絶してるから、あたしも閲覧できないよ~??
「もうぅ~!? あたしに知られたくないの・・・隠し事しないって言ったのに!! アクアちゃんのいぢわるぅ~」
「ううっ・・・唯ちゃん、もう勘弁して下さい。」
えっ、そっち・・・う~ん、泣かないで
もう、聞かないから
「・・・それでいいんですぅ、唯ちゃんには・・・ワタシにも早いです」
強引なアクアちゃんも素敵かも
あたしが泣かされるくらいな感じもあってもいいと思うんだけど
アクアちゃんは、そういうのやらないの??
アクア(恥ずかしいです)
う~ん・・・
一度、やって欲しいな~??
無理にとは言わないから、ね・・・泣かれてもあたしが困るから
「ワタシが泣かされる感じでいいんです・・・唯ちゃんの泣く姿は見たくない、寂しくなるから」
それで、あたしにあまり強く言ったりしないの??
何か、それも寂しい感じはあるけど・・・
もっと仲良くなれればかな
アクア(そうかもしれません、好き同士だと言ってもまだ2日しか経ってませんから)
唯(そうだよね~、2日でこれだけ仲良しなのも不思議だもん)
これから、毎日ラブラブしてどんどん仲良くなればいいんだ
楽しい時間を沢山作ろうね~??
「はいっ!!」
可愛い笑顔だった
凄く、胸がドキドキしてくるね
こんな笑顔をあたしもアクアちゃんに見せてるのかな??
「ふふふ・・・笑顔の唯ちゃんに、ちゅっ!!」
わっ、アクアちゃんにキスされっちゃった
あたしが不意打ちされてるんじゃないの!?
でもいいか、アクアちゃんも楽しんでくれてるから
あたしもアクアちゃんも一緒に楽しまないと意味ないもん!!
「あ、到着しました・・・あの行列の先に縁結びの祭壇があるらしいです」
「縁結び・・・もう結ばれてない?? もっとってこと!?」
アクア(二人で同じお守りを持って、より絆が深まるみたいです)
唯(おお~それはいい、共通のアイテムがってことだよね??)
ワクワクしてきました
アクアちゃんとお揃いの・・・お揃いの??
ああ~、ペアルックしたい!!
「ねえ、アクアちゃん・・・近くに洋服屋あるの??」
「洋服・・・仕立て屋ならありますが、完成品を売っているかまでは」
お揃いの服をあたしとアクアちゃんの作ろうよ~!!
ね??
「ダメかな??」
「いえ、大賛成です!!」
予定変更だけど、いいかな??
アクア(問題ありません・・・むしろ、優先します!!)
唯(あたしよりも、やる気だったりする・・・)
次の場所へ行く前に
仕立て屋へ向かったよ
「いらっしゃいませ~!!」
「すいません、お揃いの衣服をお願いしたいのですが??」
「あ、はい・・・では、生地と装飾と寸法を」
「よろしくお願いします」
アクアちゃんが仕切ってくれるみたいです
あ、デザインとかはアクアちゃんのおかませでいいよ??
楽しみにしてるから
アクア(わかりました、ある程度のイメージは・・・あるんです)
唯(・・・うん、可愛い~!!)
うわ~い!!
これ、アクアちゃんとお揃いなんだね・・・
完成が楽しみ
あたしとアクアちゃんとサイズを測って
「では、3日後にまたお待ちしております」
「はい、失礼します~」
アクアちゃんがカードを2枚もらっていた
これが引換になるんだね
「あ・・・お金は、あたし持ってないんだけど・・・この世界のお金」
「それは、問題ありません・・・デバイスに無制限でクレジットされていますから」
え・・・何それ??
このデバイスってクレジットカードの機能もあるの!!
アクア(クレジットカードとは何ですか??)
唯(あ、そうだよね・・・クレジットってお金のことか)
だから、あんな豪華そうな宿屋も泊まれるんだ
デバイスは簡単には外れないから
安心して、生活ができるってことかな
・・・まあ、それ以上に動物さんみたいな凶暴なのもいるから
何とも言えないんだけどね
「それでは、デート再開しましょうか??」
「うん・・・次はどこなの」
今は、先の話はどうでもよかった
とにかく、アクアちゃんと楽しいデートができていたから
本当に楽しかったんだよ
って、まだまだデート続くからね・・・