第四話
~序章~
第四話『東京迷宮 遺跡編 その1』
「あの・・・その娘どうなされたのですか??」
急に話しかけられた
他にも人いたんだと思ったんだけど・・・
冒険をするような格好の素敵な感じのお姉さんが心配そうにしている
「あ・・・アクアちゃんが急に動かなくなって、うううっ、どうしたらいいのかわからなくて~!!」
誰かもわからないお姉さんだったけど・・・
もう、助けてくれるなら~
「ふふふ・・・あなたの純粋な気持ちは、不思議と助けたくなるようになるわね~♥」
ニッコリと微笑むとあたしに帽子を渡して
アクアちゃんを見てもらう
「お姉さん・・・アクアちゃんをお願いします!!」
「君の大事な娘みたいだからね~少しだけ目を閉じてもらっていいかな、刺激が強すぎるから」
刺激が強い??
どういうことなんだろう
・・・まさか、ここで手術するとか!?
う~ん、お願いしたんだから
「はい、絶対に助けて下さい!!」
そして、目を閉じた
見たい気持ちはあったけど、お姉さんの言うように刺激が強くて
あたしが気絶しちゃったら意味ないもんね・・・
「アクアちゃんだっけ・・・ちょっと失礼~♥」
一体何をしているんだろう~
ああ、気になってしまうよ・・・
ライン(お~い唯?? デバイス越しなら、見れるぞ~!!)
唯(あ、ラインさん・・・)
ライン(すまん、アクアが急変したみたいだったが・・・用事があって、そこの奴に代理を頼んだから)
唯(え・・・代理ですか、ラインさんが呼んだんですか??)
ライン(すまんな・・・信用のできる奴だから、それとそのまま遺跡も同行してくれるぞ)
唯(仲間ということですか・・・)
ライン(まあ、そういうことだ)
唯(あの・・・アクアちゃんは、どうしちゃったんですか??)
ライン(ああ、アクアはトラップにかかったんだろう遺跡のな!!)
唯(遺跡のトラップ!?)
ライン(サーチしてると言ってなかったか??)
唯(あ、はい・・・言ってました)
ライン(その手の索敵系に反応するトラップがあるみたいだな・・・曖昧で申し訳ないが全てを話せないから、遠まわしな表現しかできん)
ラインさんの存在自体が曖昧なんだけどね・・・
でも、何かあたしをサポートしてくれているのは嬉しい
謎が多い神さまです
「え~と、唯ちゃん・・・もう、見てるんだよね?? 浮気だと思わないでよ、治癒スキルなんだから」
デバイス越しに本当に見えている!?
目は閉じたままなのに~♪
って・・・アクアちゃん、服が~!!
え、どういうことですか??
「サーチ系のトラップを受けてしまっていてね、宝石とのリンクが弱まっているのよ」
あ・・・青い宝石が身体の中から透けて見えている
あれがアクアちゃんの宝石ってことかな??
「一瞬だけ、同調するから・・・すぐに風のスキルで回復できるわ!!」
風のスキル・・・
このお姉さんは風属性
エメラルド保有者
コントロールクラス??
戦闘力14500・・・
ヒーリング オール 使用中
オールって何だろう??
全てってこと・・・これ、全部治せるんだ・・・
素肌同士での接触が必要、それで服を脱がせたんだ~
でも、治療だとわかっていても
どうしても、気持ちが抑えられないかもしれません
ああ・・・それで、刺激が強いから見ないほうがってことなのね
「あの・・・お姉さん、ごめんなさい・・・あたし、好奇心で見てしまって」
「ふふふ、別にこっちはいいですわよ・・・君の気持ちを思って、でも若さって感じかな~♪」
若さ・・・確かに14歳だから若いのかもしれない
そんな理由なのかな
「よし!! アクアちゃんはもう大丈夫よ~♪」
青く輝くアクアちゃん
服を着せて
そのまま起きるまで、助けてくれたお姉さんと話をして待っていた
「自己紹介したほうがいいよわね・・・話はライン様から聞いているかと思いますが」
「あ・・・え~と三紅 唯です14歳の中学生です~!!」
「唯ちゃんね・・・こっちは、事情があってね仮の名前なんだけど『グリーン』って呼んで」
「グリーンさん・・・はい、よろしくです」
お姉さんが記憶がなかったらしいです
緑系の持ち物が多かったから、グリーンと自分を呼ぶようにしたんだって・・・
髪も素敵な緑で・・・エメラルドも緑だよね
本当にグリーンさんって感じなのかな
「唯ちゃんの潜在能力が、相当凄いことになってるみたいだとライン様が言ってましたので自分は物凄く興味があるんです・・・無理のない程度でいいので、能力の解放を手伝うと決めました」
「あたしの能力ですか・・・そんなにすごいんですか!?」
「世界の頂点たる女神であるライン様があなたのことを特に注目されていますので」
一番凄い存在が注目する、あたしって・・・そこまでなんだろう??
自分でわからない分、どうなのか
「でも、じっくりと成長させたいみたいです・・・自分が一緒に付き合いますから、唯ちゃんとアクアちゃんの冒険にお供させて下さい」
「あたしは、是非お願いしたいんだけど・・・アクアちゃんがどう思うのか??」
あ・・・アクアちゃんは、優しいから
二人だけで楽しみたいと思うけど・・・
冒険には危険も多いし、仲間は多い方が進むよね??
アクア(ですね・・・助けていただいた、恩義もありますから)
唯(あ、アクアちゃん・・・よかった~!!)
アクア(ご心配をおかけして申し訳ありませんでした・・・トラップに掛かってしまったみたいで)
唯(ううん・・・気にはしてたけど、もういいの)
アクア(では、グリーン様へお礼をしたいので・・・目を覚まします)
唯(うん)
ああ、本当によかったよ~
と、アクアちゃん起きた
「おお、アクアちゃん起きましたか・・・無事で何よりです」
「グリーン様、的確な処置助かりました・・・御恩は一生忘れません!!」
アクアちゃん・・・本当にこういうのはちゃんとしてるよね・・・
あたしも、しっかりしないと~
「無駄な話は不要です・・・ライン様からワタシも話を受けましたので」
「あら・・・自分と同じでしたか、そこまで唯ちゃんを女神にしたいのかしらね??」
「え!? あたしが女神??」
グリーンさんとアクアちゃんが・・・
ラインさんはあたしを女神にしたいらしい
そもそも、あたしが何で女神になるの??
アクア(色々、隠していることがまだあるんです・・・というか、まだ開示できない情報なので)
唯(開示?? どういう意味ですか・・・)
「唯ちゃん・・・ワタシは、本気で一緒に居たいんです!!」
「アクアちゃんは、本気みたいよ・・・唯ちゃん、信じてあげてね」
心が繋がっていても
さっきの開示というのが邪魔しているんだよね・・・
だったら、そのうちわかるってことよね・・・なら、あたしは待ってればいいんだ
「大丈夫・・・アクアちゃんとは恋人同士だから、信じて待ってるから~♪」
「よかったわね・・・アクアちゃん、自分は風のように思ってくれればいいから」
「風属性・・・わかりました、ワタシと唯ちゃんを助けてくれるなら」
何か、グリーンさんとアクアちゃんが仲がいいみたいに思えるのは・・・
あたしの嫉妬なのかな~??
「ワタシは唯ちゃん一筋です・・・ご心配なく」
「そうそう・・・自分は考えないでね、このグリーンさんは風だから」
あれ・・・心読まれてる
アクアちゃんは知ってるから、必死にしてるんだけど
グリーンさんは、もしかしてスキルとかあったりするのかな??
アクア(ないと思いますよ・・・ワタシと唯ちゃんのこと応援してくれるようだし、頼りになるお姉さんだと接してみればいいかと)
唯(うん・・・アクアちゃんが言うなら、そうするよ~♪)
別に読まれてるわけではないのね
じゃあ、わかりやすいんだ・・・あたしの話だけで心がわかるってことは
う~ん、頼れる人が増えた感じかな~??
「自分が前を歩きますから・・・二人で後ろから来て下さい??」
「あ、わかりました・・・サーチ系は使用しません」
「そうそう・・・展開は注意してね、ソウルに反応するトラップいくつかあるようですからね!?」
「あたしは・・・??」
「そのまま、ワタシと一緒で行きましょう!!」
「そうですね、ラブラブカップルのようにしてて下さい~♥」
ラブラブカップルだって~♪
わ~い、本当にデートしている感じでいいのかな
遺跡って危険があるんじゃないの
でも、わからないし・・・言われるままでいいよね・・・ふふ~ん♪
遺跡の入口が自動ドアのように開いた!?
昔っぽい感じなのかと思った・・・
あたしの知る世界よりも、未来な建物だったんだ~
「遺跡って、何ですか??」
あ・・・間違って喋ってしまったよ~
デバイスに確認しようと思ったのに・・・
「遺跡はね、過去の文明の建造物などが残っている、その建物自体のことで石碑とか仏像などもそれに含まれる・・・昔の人類を知る重要なものですわ」
「・・・グリーンさん、ありがとうございます」
教えてもらっちゃった・・・
でも、あまり意味がわからなかったかも~
アクア(ワタシに聞いてくれても良かったんですが・・・まあいいです!!)
あ~ん、違うのよ・・・
デバイスに情報を確認したかったんです!!
アクア(そうでしたか・・・すいませんでした)
唯(何か・・・ううん、これ楽しいから)
アクア(わかってます、無意味に介入はしませんので・・・不要な場合はそのように思っていただければ)
唯(・・・うん、少しだけ寂しい気もするけど、あたしも疲れちゃうから)
アクア(ですよね・・・基本的に唯ちゃん発信で介入するようにするので、自由な気持ちでいて下さい)
唯(それでいいの?? アクアちゃんは・・・)
アクア(はい!! それでいいです、唯ちゃんを優先したいのですから)
ああ・・・アクアちゃん、抱きしめてしまいたいかも~
って、抱きしめちゃった・・・
「・・・唯ちゃん、(*''-''*)ポッ!!」
本当にラブラブカップルだ~♥
あたしもここまで積極的だったんだね
唯(アクアちゃん・・・急にごめんね、身体が勝手に動いてた)
・・・
あれ、アクアちゃん??
と・・・
「二人共・・・ストップです!!」
何??
グリーンさんが急に
「唯ちゃん・・・ワタシの後ろにいて下さい??」
「はい・・・」
敵でも!!
・・・あ、何あれ!?
変なボールみたいなのが浮いてる?!
「毒性のある攻撃をする敵なので・・・注意して下さい」
「ワタシのスクリーンで防御します!!」
「水属性でしたね、それなら安心できますわ」
アクアちゃんがスクリーンというスキルを使うみたいです
デバイスで確認したら・・・
水属性の防御スキルで
敵の攻撃を無効にできたり
姿が見えなくなって、かく乱や潜伏をすることができる
あとは中和効果があり、毒などの異常を回復することもできる
おお~
これって、この敵の防御に最適ってことだよね??
「スクリーン レディ オープン!!」
ヒーリングのスキルと同じみたいな青い空間があたしたちを包み込んでいる
水属性のスキルって、みんなこうなのかな・・・アクアちゃんに包まれているみたい~
「では、自分が攻撃を仕掛けます・・・一応、反撃に備えて下さい」
反撃・・・敵がこっちへ攻撃してくるってこと??
備えるって、どうするの・・・
わからないので、すぐに動けるように少しだけ腰を落として
敵の動きを眼鏡越しで確認してみる
ん??
フレイムレーザー・・・
弱点なの、先制攻撃スキル発動??
どういうこと・・・
「ファーストコンタクト リンク フレイムレーザー レディ オープン!!」
あれ・・・あたし、どうしたんだろう??
また、時間が止まっているみたい
敵も二人も止まっているの??
あたしの戦闘力が上がっていく・・・よ!?
ルビーシステム:リミッターブレイク承認
ルビーシステム:フレイムレーザー レベル15解放
ルビーシステム:セーフティロック解除
ルビーシステム:スキル発動
時間が戻ってグリーンさんが攻撃を開始しようとしている
それよりも早く、あたしのスキルが発動したみたいです
ルビーシステム:レコードリロード
ルビーシステム:戦闘力20000
ルビーシステム:ターゲットロスト
ルビーシステム:システム オールブルー ノーマルモード
凄い速さであたしから出た赤い光が敵に当たり
そのままがその光と同じ色に染まり
消えていった・・・
「あらら・・・敵が消失しましたわ!?」
「唯ちゃん!! 無理はしないで下さい~!!!」
えええっ~、これってあたしが敵を倒したんだ~??
急に何が起こったの・・・
勝手に攻撃しっちゃったのかな
「唯ちゃんの専用スキルみたいですわね・・・パッシブの先制攻撃」
「弱点の場合ですか・・・ワタシも反応できないくらいの速さですか??」
アクアちゃん、怒ってるのかな・・・
どうしよう~??
ねえ、アクアちゃん・・・あたし、ああ~ん、もうっ!!
アクア(怒ってません・・・びっくりしただけです)
唯(本当に?? あたしが無茶しっちゃったから・・・)
アクア(パッシブなら、仕方ないです・・・自動行動なので)
唯(その、パッシブって・・・あ、デバイス)
アクア(ワタシが説明します、デバイスには聞かなくていいです!!)
そのアクアちゃんは、多分怒ってたと思う
でも、あたしがデバイスに聞かないでアクアちゃんの説明を聞いたから
嬉しそうに話してくれました~(´∀`*)
唯(火属性の弱点の敵だったら、あたしはさっきみたいなことを勝手にするの??)
アクア(基本的にそうなります・・・そして、多分ボスクラスの強敵でもほぼ一撃で倒すと思います)
唯(ボス・・・最後の敵くらいの強さってこと)
アクア(唯ちゃんは、力が眠っているだけで・・・ライン様に匹敵するくらいの、もしかしたらそれ以上の能力があるかもしれませんよ!!)
唯(あたしが・・・神さまよりも上ってことなの??)
アクア(あなたが新たな女神となれば・・・そうなるかと思います!!)
う~ん、何か嘘っぽいよね~??
でも、アクアちゃんが言ってるし・・・
本当なんだろう
そんなにあたしすごいんだ
「自分、風なんで速さには自信あったんですが・・・パッシブとは言え、唯ちゃんのスキルは全く見えませんでした・・・火属性は攻撃に特化したスキルがありますが、速さは風の方が上だと思ってました」
「唯ちゃんが特別なんだと思います・・・火属性はある程度の速度はありますが、あそこまでは」
「そうですか・・・自信無くしそうです、でも特別な唯ちゃんだったらね」
「そんな、あたしで自信無くされても・・・グリーンさんはすごいですって!!」
なんで、あたしって
こういうの下手なんだろうって思う
フォローっていうんだっけ
上手くできるようになりたいな・・・