第三十六話
~第三章~
第三十六話『東京迷宮 雷光の遺跡・超光速の戦い その8』
「はじめまして、唯さん・・・ベル=ガーネット=アステールと申しますわ」
思っていた通りのドレス
本当にこんなステキな方いるんだってくらい
お嬢様っていうよりも、お姫様みたい~!!
「はじめまして・・・美紅 唯でしゅ!!」
って、噛んじゃった
恥ずかしい~
「緊張なさってますの・・・唯さんなら、余裕で優勝できますわ・・・もっとリラックスですわよ!!」
「はい・・・すいません」
何だろう、変な緊張があって
昨日までは・・・普通だったのに
あたし、どうしちゃったのかな??
「わたくしは、唯さんを応援いたしますわ・・・シャンファリーとイリスは優秀なメイドなので、しっかりとサポートできると思いますわ!!」
「・・・頑張ります~」
ベルさんに頭をナデナデされたよ~♪
この世界の大人の女性は、みんなするのかな・・・
「あなた・・・同じ宝石じゃないですか~??」
「・・・サファイア同士!? 女神様ですね、ワタシはアクアと申します!!」
「うふふ、わたくしはトールですわ・・・アクアちゃん、頑張って下さいね」
「はい、ありがとうございます」
アクアちゃんがベルさんのような、お姫様な感じの人と話をしてるね
誰だろう・・・アクアちゃんと同じ髪の色だから水属性かな??
唯(アクアちゃん・・・今の人は誰だったの??)
アクア(女神のトール様と名乗られておりました・・・)
唯(女神のトールさん・・・??)
アクア(エリア様とお話されてますね、ライン様やラビリア様とお知り合いかもしれません)
今日はまだ予選なんだけど
かなりの人が来るって言ってたから
これから、沢山の観客が・・・来るんだろうね
ライン(・・・おはよう~!! さっき、トール来てただろう??)
アクア(あ、おはようございます・・・ライン様、トール様来ました)
唯(やっぱり、知り合いだったね~??)
ライン(ん・・・ああ、女神だからか、まあ色々あるが面白いヤツだぞ・・・)
見た感じは、そんな風に思えなかったんだけど・・・
清楚で可憐な・・・あたしの知ってる難しい褒めるときの言葉~!!
だと思ったんだけどね、仲良くなると楽しいことしてくれたりするのかな
ライン(あ、すまない・・・レースの打ち合わせ中だったんだ・・・またな~!!)
だから、ここにいないんだね
無理に話さなくてもよかったんじゃないのかな
アクア(打ち合わせなんですよね・・・あの方なら、退屈そうにしていると思いますから)
唯(う~ん・・・そうなの、何かサボりみたいじゃない??)
詳しいことはわかんないけどね・・・
ラインさんって、真面目な人だと思うんだよ
トールさんを注意して欲しいんじゃないのかな
何か、雰囲気が怖かったんだけど
アクア(唯ちゃんも・・・同じ思いでしたか?? では、ライン様の介入は信用しておきます)
怖いけど、悪い感じには思えなかったから
何かあるんだろうけど・・・無理に何もしない方がいいってことかな??
「お二人共・・・そろそろ、始まりますわよ・・・車へ移動して下さいな??」
「グリーンさん、わかりました~!!」
「はい、ワタシも移動します・・・唯ちゃん、またね~♪」
「またね~♪」
さ~てっと・・・ガレージの車の前まで来たよ~!!
あ、シャンファリーさんとイリスさんに挨拶してなかったね・・・
「おはよう~!! 2日間、よろしくお願いします~♪」
「唯様、おはようございます・・・基本的な調整は済んでいますよ」
「おはようございます、唯様・・・早速で悪いのですが、車へ搭乗して戴けますか??」
「あ・・・は~い!!」
って、この車どうやって中に入るのかな??
入口が見当たらないんだけど・・・
「唯様・・・デバイスをレース仕様へ変更なされてないのですね、ラビリア様が既にシステムは構築済みですから・・・あのですね、レースのアイコンわかりますか??」
「・・・レースのアイコン?? え~と、あ・・・あった~!! はい、仕様変更完了と出ました~!!」
「それでは、そのまま車へ近づけば中へ入れます」
ん!? おお~!!
勝手に車の中に入ったよ~♪
チーム唯専用チャット:ON(唯⇔シャンファリー・イリス)
シャン(文字略称させてもらいます、以後シャンとお呼び下さい)
イリス(こちらはそのままで構いません)
唯(はい!! シャンさん、イリスさん・・・よろしくね)
シャン(初めてだとお聞きしましたので、走行前に可能な限り教えておきます)
イリス(キャビン内は聖域が発動していますので、ほぼ内部への影響は外部からはありません)
シャン(手前のハンドルをお持ち下さい??)
唯(うん・・・ステアリングって言うんだね、リンクアジャストって出たよ~??)
イリス(それで、車との繋がりが完了です・・・いつでも発進可能となります)
シャン(右足で加速、左足で減速します)
唯(アクセルとブレーキだね・・・ギアって言うのは、どれ??)
シャン(唯様はレースゲームのご経験があるんでしょうか・・・!?)
唯(うん・・・お友達と少しだけあるよ~、ゲームセンターで箱みたいなのに入ってこれに近い感じだった・・・でも、ギアが横にあったんだけど??)
イリス(シフトチェンジは、パドルタッチになっていますので・・・ハンドルの左右裏側にボタンがあると思うのですが、わかりますか??)
唯(ハンドルの裏側・・・うん、左右にあるよ・・・これでギア買えるんだ!?)
シャン(右で1~7アップ、左sで7~1ダウンで調整できます、スタート時はオートパイロットですから、表側の赤いボタンを押して下さい・・・自動で前の車に付いて行きます)
色々知っておかないといけないことがあるね
デバイスである程度の補足はされるみたいだから
わかんなくなったら、確認はできるけど・・・
イリス(デバイスがフロントガラスと連動します、情報は全てガラスに表示されますよ)
唯(わぁ~!! おお~!! スゴ~い・・・これは、ゲームの画面みたいだね)
シャン(ゲームのご経験があるのでしたら、すぐに慣れると思います・・・唯様の独走も可能ではないですかね、火属性はレースにおいては最強ですよ!!)
イリス(シャンファがいつになく・・・やる気だ!! 唯様、イリスも本気で頑張ります~!!)
唯(うん・・・3人で優勝狙ってみよう~♪ なんてね・・・)
基本的な操作はデバイスのサポートで表示が全部出てるみたいだし
シャンさんとイリスさんもしっかりと教えてくれるし
あとは、走るのみ・・・かな??
シャン(分からない事は、その都度お教え下さい・・・実際にその場に遭遇しないとですからね)
イリス(そうですね、初めてだらけで・・・何がわからないかも不明だったりしますよね??)
唯(・・・ううっ、そうなんです)
二人には、色々と迷惑をかけてしまうんだろうな・・・
でも、あたしだって走るからには優勝は狙ってみたいし
シャン(迷惑だとか、2日間は一切考えなくていいです・・・むしろ、こちらはその方がやり易いです)
イリス(難しいと思いますが、お友達くらいな軽い気持ちで接して頂いて構いませんから)
お友達な感じって、年上で昨日会ったばかりじゃない・・・
かなり無茶なこと言うなぁ~
アナウンス:「只今より、2時間の練習走行を開始致します~!!」
ん・・・あ、9時になったんだ~!?
よ~し、まずはコースに慣れるんだよね・・・頑張ろう~♪
アナウンス:「フリー走行となります・・・加速系以外のスキルは使用不可となっております~!!」
練習だからかな、攻撃してもあまり意味ないから??
予選に出れなくするとか・・・少し考えてたけど
まあ、そんなことないよね
シャン(唯様・・・最初の30分は、オートパイロットで周回して車と唯様にコースを理解してもらいますね・・・レコードラインを走りますので、唯様はそのコースを出来るだけ覚えて下さい)
唯(うん・・・わかった~レコードラインね)
イリス(一応、一番短い時間で1周できる位置を走ります・・・レコードラインは最短距離だと思って下さい・・・勝負中は邪魔ありますので確実に走れませんが、予選ではそこを走ることになるので)
唯(ああ・・・あたしでも、意味はわかったよ~♪ 予選は1台で走るから、邪魔されないんだよね)
シャン(はい・・・一番速い車が最初にスタートできますので、予選順位は重要となります)
唯(それじゃあ、行ってきます~!!)
シャン(はい、まずは楽しむようにコースを見ていて下さい)
イリス(おっ、シャンファがいいこと言った・・・唯様、いってらっしゃいませ~!!)
ほかの車も走り出してるね
あたしも赤いボタンを押して・・・
「おお~!! 本当に勝手に動いた~♪」
って、思わず声出ちゃった・・・
ちゃんと、前の車と距離保ってるし
ラビリアさんのシステムだもんね
アクア(最初30分はオートパイロットですか??)
唯(あ・・・うん、アクアちゃんも??)
アクア(車とワタシがコースを覚える時間だそうです)
ノゾミさんもアイナさんもかな??
ほかの参加者は、わかんないけど・・・
まずは、このコースを知ること
って言っても、楕円をグルグルするだけなんだよね
でも、実際にレースが始まると
そんな簡単なことではないらしいよ
ノゾミ(最初はコース慣れですかぁ~??)
アイナ(そのようです・・・グリーンさんの指示なので私たちは基本的に同じだと思いますよ)
あ、そうか・・・グリーンさんがみんなのことサポートしてくれるんだもんね
3人とか言っちゃったけど・・・でも、直接はあたしとシャンさんとイリスさんだもん
唯(練習走行までですよ~、レースは・・・あたし本気で優勝狙ってみたいから)
アクア(唯ちゃん・・・わかりました、真っ向勝負を受けて立つ!!)
ノゾミ(ノゾミも頑張るよぉ~♪)
アイナ(余裕ですね・・・しっかりとレコードラインを覚えて下さいよ??)
仲間なんだけど、レースではライバルになるんだよ
でも、みんな優しいから・・・って、あたしも多分
う~ん、きっと無理にしておこう・・・
もしかしたら、普通にやってしまいそうだし
アクア(唯ちゃんが、怖いです・・・決勝でワタシたちを踏み台にしそうです)
ノゾミ(アイナさんが覚醒できれば、問題ないのですが・・・どうなんですかぁ~??)
アイナ(メンバーで挑んでいますから、誰かが優勝なら大丈夫じゃないですかね)
アクア(グリーン様は、何かわかりますか??)
グリーン(最低限、エリアボスの優勝を阻止が目標ですわね・・・でも、こちらが優勝をしないと祭壇は現れないかもしれませんわ・・・目的で言えば、それが一番になると思いますわ~!!)
唯(あたし・・・レースで精一杯だったよ~、アイナさんごめんなさい)
アイナ(ううん、いいのよ・・・唯さんがやる気なら、優勝に繋がって・・・結果が出ることが重要じゃないですか、躊躇しない方が戦いとして楽しめますよ)
ピットレーンと呼ばれるところから、周回するコースに出る
まずは、コースに慣れるため・・・オートパイロットだよね
自動で走ってくれるようになってるの
アクアちゃん、ノゾミさん、アイナさんと列になって走ってる
車で走ってるから、直接は会話できないけど
デバイスでリンクしてるから、今も5人で話をしてる
グリーン(お話もいいですが、しっかりとコースを覚えて下さいね・・・)
アクア(もちろんです!! 30分後にまた、話しましょうか??)
唯(うん・・・それがいいかな、アクアちゃんまた後でね~!!)
ノゾミ(わかりました、ノゾミも集中します)
アイナ(は~い・・・皆さん、またね~!!)
グルグルするだけなんだけど
一人で走るだけだと、別にコースを覚えなくてもいいんだけどね
30台で走るんだったら、邪魔もあって
レコードって言ってたところだけじゃなく
避けるとかもしないとダメだから
だから、コース全体を覚える必要があるんだって
「モニタに地面の凹凸が表示されるんだ・・・これが車が覚えるってことかな??」
予測走行機能というのがあって
車の挙動??と地面の環境で
一番最適なコースの部分を選んで誘導してくれる
それを的確に使えるようにする意味があるんだよ
でも、それをあたしが使えないとダメなので
自分でもコースを覚えて
予測を信じるか、自分を信じるかをすぐに判断できるかが
優勝に導くための近道なんだって・・・
しっかりと、あたしもコースを見て
頑張って、覚えるよ!!