第三十五話
~第三章~
第三十五話『東京迷宮 雷光の遺跡・超光速の戦い その7』
昨日は、コースの下見をして
乗る車と、手伝ってくれる助っ人さんと挨拶して
10キロを歩いたから疲れてすぐに寝てしまったんだよね・・・
だから、夜中にアクアちゃんに色々いたずらされちゃったりしたかも
って思ったけど・・・アクアちゃんも疲れてたみたいで
一緒に寝てたみたい
アクアちゃんが寝る前に癒しのスキルを使ってくれたみたいで
朝起きたら、足の痛みとかなかったんだよね・・・
ソウルってすごいよね~♪
あたしのは攻撃ばっかりだから、普通に生活してると使い道少なくて
でも、レースのときは大活躍ですよって
シャンファリーさんが嬉しそうに言ってたね
「唯ちゃん、おはようございます・・・ご期待に添えず、申し訳ありませんでした」
「ご期待って、別にあたしは・・・アクアちゃんにいたずらされたいとかじゃないんだけど」
と言いながらも
少しだけ、残念に思ってるあたしがいるんだよね・・・
いや~怖いね
「いよいよですね、レース・・・ワタシかなり緊張しています」
「あたしは、楽しみだよ~初めて運転する車にアクアちゃんとみんなで走るコースに」
何か・・・何て言ったらいいのかわかんないけど
すごく、ワクワクしてる
というのが、わかりやすい今の自分の感想かな??
帰るときにラインさんに言われたのが、気になってて
ライン(唯も火属性なんだな・・・どんな戦いでもワクワクしてくるだろ??)
って、言われて・・・
そうだと思ったんだ~
戦いを好むのが火属性特有らしい
世界で一番の破壊力を最も出力できるのは、火属性だけなんだって
そんな話、前は聞いただけで怖いとか思ったけど
今は、ワクワクしてるんだよね・・・
これって・・・あたしが火属性だから!?
でも、違う気もしてるの
本当のあたしが戦いに対してワクワクするんじゃないのって
まあ、どっちでいいんだけどね~
別にそれが悪いとか思ってないし
「唯ちゃんの考えは、超合理的です・・・でも曖昧すぎ」
「あたしだって、よくわかってないんだもん・・・曖昧だって言われても、どうしようもないの!!」
「別に、曖昧がダメだとは言ってません・・・ワタシ以上に柔軟な発想だと思うので」
「柔軟な発想・・・そうなのかな??」
どれこそ、どっちでもいいんだけどね
今を楽しめれば・・・アクアちゃんと一緒だし
1日目は午前の9時から2時間の練習走行があって
午後の2時から2周する予選があって
2日目の午前の10時から1時間の練習走行と最終調整があって
午後の1時から、セレモニーがあって
3時からレースの決勝がスタートするんだって
今の時間は7時15分だから
朝ごはん食べて丁度くらいかな
「おはようございます、唯ちゃんアクアちゃん・・・朝食はどうなさいますか??」
「ワタシも、流石に慣れましたので唯ちゃんと一緒に食べます!!」
「何で・・・まだ、そんな感じなの??」
アクアちゃんは、未だにあたしの食事に対して
意見してきます!!
食べる量は、これ以上減らしたら・・・あたし倒れるよ
別に減量することも必要ないんだよ!!
今日は、普通に食べてやるんだから~!!
「唯ちゃんが、ワタシをいじめにかかろうとしています??」
「それは、逆だよ・・・あたしが食事を制限されてるんだよ~!!」
「まあ、二人共・・・妥協という和平への道はありませんの??」
妥協って・・・和平って・・・う~ん、アクアちゃん??
グリーンさんの言ってるのってどういう意味なの・・・
アクア(ワタシの負けでいいんですけど・・・妥協というのは、自分の思いをある程度抑えて相手の思いを認めることです)
唯(うん・・・だったら、あたしの思いをアクアちゃんが認めてくれれば妥協だよね??)
アクア(唯ちゃんの思い・・・沢山食べたいんですよね、もう・・・唯ちゃんが普通に食べるところを楽しむようにしてるので、もう少しだけ待ってくれませんか??)
唯(え~!! まだ、ダメなの・・・じゃあ、今日と明日はレースだから・・・いいかな??)
アクア(そうですね・・・それは、別問題なので仕方ありません・・・自分の思うようにしていいです)
唯(やった~!! アクアちゃん、好き~♥)
アクア(和平の必要は、最初からない気がします・・・恋人同士な時点で和平ですから)
唯(平和と和平って違うの??)
アクア(ほぼ一緒と考えてもいいかと思います・・・)
唯(じゃあ、アクアちゃんとあたしは和平なんだね!!)
アクア(これって、ワタシが妥協すれば・・・全て丸く収まるのでは??)
唯(それは、ダメだって・・・あたしもアクアちゃんの思いを認めたいもん!!)
グリーンさんの言いたいことは、何となくわかりました
ケンカをしてしまうくらいなら
お互いを認めて、仲直りしよう~ってことだよね??
「グリーンさん・・・妥協に和平はできました~♪」
「あら?? 唯ちゃんに負けるかと思いましたが・・・アクアちゃん頑張りましたわね~うふふ」
「グリーン様・・・相当意地悪ですよ、ノゾミ様にもそうやって妥協させてますね??」
「何のことかしら~自分にはさっぱりですわ」
アクア(ワタシ・・・グリーン様に殺意を持っています、いざという時はワタシを止めて下さい??)
唯(え・・・何で・・・アクアちゃん??)
アクアちゃんが、グリーンさんを・・・
何で??
ねえ、何で??
「アクアちゃんは・・・真面目だからですわ、うふふ~唯ちゃん」
「グリーン様!! ところで、ノゾミ様とアイナ様は??」
あ、話題変えた・・・
アクアちゃん、本気で怒ってるね
怖いよ
アクア(ワタシに責任はありません、グリーン様が悪いんです!!)
う~ん・・・困ったね
何かいい方法はないかな??
「お二人は先に食堂ですわよ」
「そうですか・・・」
もう、知らない!!
アクアちゃん、自分で仲直りしてよ・・・
あたしは、それまではアクアちゃんとイチャイチャしないから!!
アクア(え!?)
唯(どっちにしても、レースの2日間はしないだろうけど・・・それ以降もしないからね)
これで、アクアちゃんもグリーンさんと仲直りしようとしてくれるかな
でも、アクアちゃんが一方的にみたいな感じだよね
普通にアクアちゃんが妥協だっけ、それをすれば解決じゃない
わかった??
アクア(・・・ううっ、わかりました・・・でも、すぐには難しいです、グリーン様は見かけによらず怖いんですよ??)
唯(うん、そうだね・・・あたしもたまに怖いと思うからね)
グリーンさんの何て言えばいいのかな
裏??闇??
何か怖い部分があって
それがある時とない時が、激しいんだよね
あたしよりもアクアちゃんがそれを感じるみたいで
今も多分、そうだと思う
でも・・・でもだよ、アクアちゃん
仲直りだからね!!
アクア(はい・・・唯ちゃんには嫌われたくないし、イチャイチャしてくれないのは・・・もっと嫌です)
唯(何か、あたしすごく恥ずかしいこと言ってない??)
アクア(言ってます・・・ワタシを束縛しようとしています、しかも・・・それにワタシは乗っかろうとしています・・・もう、唯ちゃんになら・・・何をされてもいいので)
ははは・・・アクアちゃん
一応、あたしのほうが上みたいだから
というか、上だよね??
アクア(サディスティックな唯ちゃんも嫌いではありません、強引なくらいの方がワタシも楽だったりするし・・・ワタシはそんな唯ちゃんも好きですから)
もう、恥ずかしくなってきて
アクアちゃんを見れないじゃない・・・
「唯ちゃん・・・無理に謝罪はいいんですわ、アクアちゃんも悪気はなさそうですし」
「そうですね・・・グリーン様の慈悲に感謝していますから」
食堂に到着・・・
何か、あたし
今のこの二人は嫌いです!!
「遅かったですね・・・場所は確保してありますよ??」
「グリーン・・・また、二人に何か言ったんですか~!!」
大きなテーブルに二人で待ってたみたいです
これって、あたしのためにかな??
「ノゾミ、違うの・・・アクアちゃんがあまりにも可愛かったので仕方なくですわ~!?」
「グリーン!! ノゾミは冗談のわかる人ではないんですよ~!!」
「ワタシでケンカするのはやめていただけますか?? 悪いなら、いくらいでも謝罪しますから」
「唯さん?? いつもこんな感じなんですが・・・最初からなんですか??」
アイナさんが、悲しそうにあたしに聞いてきた
最初からではないんだよね・・・
「途中からかな・・・どうも、グリーンさんとアクアちゃんが合わない気がするんだよね」
「合わない・・・そうですか、お互い頭のいい方同士だと・・・そうなるのかもしれません」
頭のいい同士
グリーンさんもアクアちゃんも
そうだね・・・頭いいよね
色々考えちゃうから、余計なことも??
だから、ケンカみたいになっちゃうのかな
だったら、考えないようにするって・・・
簡単にできないよね
唯(ノゾミさん・・・お手伝いをお願いしたいんだけど??)
ノゾミ(唯さん!? お手伝いですか?? グリーンとアクアさんですか)
あたしはノゾミさんを見つめて、頷くと
ノゾミさんも、似たようなことを考えていたみたいで
ノゾミ(唯さんにもお願いしようかと思ってましたので・・・多分、同じじゃないかな~♪)
唯(相手に対して、力があるのは・・・ってことでわかるかな??)
ノゾミ(はいっ!! ノゾミはグリーンを、唯さんはアクアさんをですよね!!)
やっぱり、わかってたね
これなら・・・仲良し作戦はできそう
もちろん、これはアクアちゃんには伝わってません
ノゾミ(具体的な話はどうするの??)
唯(あたしは、既に実行しています・・・アクアちゃんがグリーンさんと仲直りできないと、あたしはアクアちゃんとイチャイチャしないと言いました)
ノゾミ(なるほど~アクアさんは唯さんといつも何かしたいと言ってましたし、それができないと大変ですもんね・・・では、こちらも似た感じで言ってみますね)
アクアちゃんとグリーンさんと両方でなら、仲良く戻れるかな
戻れないなら、あたしは強行してもいいんだけどね
強行・・・最近ね覚えた言葉なんだよ~♪
ノゾミ(え~とですね、今グリーンにアクアさんと仲直りできなかったら・・・唯さんと付き合うって言っちゃました~!! アクアさんにも同じように言ってみて下さい??)
うわぁ~!?
ノゾミさん・・・あたし以上に大胆なこと言ったね
でも、そのくらいな方が有効なのかな
それこそ、強行だよね
唯(今、ノゾミさんからお話があって・・・今のまま仲直りができないのでしたら、あたしとお付き合いを始めようかなって・・・それ、あたしOKしたから)
ふふふ、完璧!!
アクアちゃんどうするかな~??
まずは、ノゾミさんを見てる
真剣だとアピールするノゾミさん
次は・・・あたしを見てるね
唯(考えは変わりません!!)
よし・・・
グリーンさんを見てる
「・・・あの、グリーン様??」
「・・・あの、アクアちゃん??」
おっ、同時に??
う~ん、どっちから先に話すかな
「グリーン様・・・もう、ケンカしないと誓います!!」
「アクアちゃん・・・自分も変な行動はしませんわ!!」
アクアちゃんはあたしを見てる
グリーンさんはノゾミさんを見てる
これは・・・どうしようか??
ノゾミ(握手??)
唯(そうだね・・・あたしが言うね、二人に)
「仲直りの印で握手して・・・」
おお~握手した!!
やったねノゾミさん、仲直りできたみたいだよ
ノゾミ(はい・・・グリーンに抱きついていいですか??)
唯(あたしもアクアちゃんに抱きついちゃおう・・・)
アイナさん、少しだけ待ってね
あたしとノゾミさんは、それぞれアクアちゃんとグリーンさんに抱きつく
文字通り元通り!?
「・・・私、お邪魔かしら??」
本当にごめんなさい
あとで、みんなでアイナさんに謝ったよ・・・