第三話
~序章~
第三話『東京迷宮 その3』
話がまだ、あたしには整理できていません~!?
いきなり巻き込まれた東京という名の迷宮に
森の入口で出会った、眼鏡のラビリアお姉さん
高そうな機械をあたしにくれた
デバイスという名前らしい、眼鏡が出てくる凄い機械です
使い方は機械が教えてくれるってラビリアさんは言ってたんだけどね
いろいろ情報が出るんだけど・・・その説明がわかんなかったりする
その機械を使おうとしていた時に
動物さんに襲われそうになった
そしたら、アクアちゃんが助けてくれた
一目惚れだと、あたしと恋人になりたいと言われて
どうしたらいいのか、わからなかった
そこに、ラインさんという神さまが頭に話しかけてきた
近い存在らしい、あたしを助けてくれると・・・
それで、急に目の前にやってきて
今、ラビリアさんがいなくなって
助けてくれたアクアちゃんとやってきたラインさんがいるよ
そのアクアちゃんとラインさんが、どうやら詳しい話をしている・・・
「リーア様とお会いになられたんですか??」
「ああ、リーアには何度も会っているぞ・・・今は天球にいるんじゃないかな」
「天球・・・女神の聖地ですよね??」
「詳しくは私もわからないが、女神誕生に関わる重要な場所ではあるようだな」
「ライン様も天球出身なんですか・・・」
「ああ、そこはまだシークレットなんだ・・・別の事象との兼ね合いがあってな、まあ違うとだけ言っておこうか」
「そうですか・・・では、深くは聞きません」
「察してくれて助かる、その代わりではないが・・・唯と仲良くなれるようにしてやるからな!!」
そう言うと、ラインさんが自分の指を口に当てて
その指をアクアちゃんの口に当てている・・・
何かの、おまじないみたいだった
「唯、アクア・・・また、そのうち会おう・・・じゃあな(^_-)-☆」
ウインクして、薄らと姿が消えていった
本当に神さまみたいだったよ
「アクアちゃん・・・ラインさん凄くかっこよかったね!?」
「ええ・・・女神様ですもの、素敵でした」
アクアちゃんの目が少し怖かったんだけど・・・
そう、急に動けなくなって
そのままアクアちゃんに抱きしめられてね
キスされっちゃったんだよ~!?
ああ~、これってファーストキスだったんだよ~?!
「唯ちゃん・・・少し、卑怯だけど・・・本気になってくれるまで偽りの恋人でいて下さい!!」
え・・・何、目の前がぐらぐらしている
ん??
「アクアちゃん・・・頭がクラクラしてるの~??」
抱きしめられているの!?
そのままアクアちゃんに身をゆだねてしまった
少しの間だけ、気を失ってしまったみたい
目を開けたら
アクアちゃんに膝枕されていて
あたし・・・その気になったのかな
ドキドキしてきて、アクアちゃんのこと好きになってるみたいなんだけど・・・
「唯ちゃん、頭の痛み治りましたか??」
「・・・あ、あのアクアちゃん!! 恋人になってもいいよ~♥」
はわわ~あたし、何を言ってるの・・・
自分じゃないみたいだったよ~!!
でも、言っちゃったし・・・あたしもその気になってるんだよね
「はい、ワタシもそれを望んでおりましたから・・・凄く嬉しいです~♥」
最初に見つめ合った時に見せていた笑顔だ~
あ~何か、モジモジしていた自分がもったいないよ~
もっと早くに言って、この笑顔を見れればよかったのに~!!
「これで、ワタシは唯ちゃんをより強力に守ることが可能になりました~♪」
「どういうこと??」
アクアちゃんの種族??のエルフさんは
特定の相手と相思相愛??になれると
その相手を守る力が増えるんだって・・・
更に契??を交わすと、一生涯それを維持できるらしい
契って何だろう・・・??
「唯ちゃん・・・契はまだ調べなくていいから!!」
「何で、あたしが契を調べるってわかったの??」
まあいいや・・・そのうちアクアちゃんから聞いてみよう~♪
気分もかなり良くなってきたの
膝枕にお礼をして
アクアちゃんと冒険を始めることになった
「冒険って、何をすればいいのかな~??」
「この東京という都市がどうして迷宮化してしまったかの調査ですかね・・・近くに遺跡があるみたいなんですが、それはこの東京には存在しない遺跡だとあります」
「う~ん、森がここにある時点で東京とは別なんだけど・・・遺跡って外国のイメージがあるかな~??」
ピラミッドだっけ・・・遺跡ってあれだよね??
あんなのがこの近くにあるんだ~!!
ちょっと、ワクワクしてくるよぉ♪
10分くらいかな・・・詳しく時間を見なかったからわかんないけど
多分そのくらい、歩いたと思う
「唯ちゃん・・・あれが遺跡だと思います」
アクアちゃんが前の建物を指している
あ、本当に遺跡ってあった・・・
「・・・やっぱり、別の世界なんだね」
見たことのない建物が見知らぬ森の中にある
この付近に植物公園とか林みたいなのは多いかとは思うんだけどね
こんなジャングルみたいな森に、外国にあるような遺跡が・・・
「調布市深大寺北町・・・あれ、三鷹市から変わってる??」
確か、野崎という町だったけど・・・!?
ここって隣の市みたい
やっぱり、東京じゃないよね??
住所だけそのままって、あたしに対しての何か嫌な感じ!!
「唯ちゃんの住んでいた都市と同名の都市何ですよね?? 東京というのは」
「うん・・・あたしは、この辺じゃないけど・・・東京の別の場所」
アクアちゃんに言ってもわかんないかもしれないと思って
あたしの住んでいるところは言わなかった
実際、後で話してもわかんなかったから
「遺跡には何か情報があるかもしれません、中に入ってみましょうか??」
「・・・あたしも戦えたら、よかったのにな~?!」
「唯ちゃんは、無理しなくてもいいです・・・ワタシが守りますから」
「そうだけど・・・何かヤダ、アクアちゃんに危険がいっぱい来るのは!!」
とは、言ってみたけど
あたしには何もできないよ・・・
あ・・・できなくはないんだ、でもやり方がわかんない
ううっ・・・どうしたらいいんだろう
説明もわかんないし
ラビリアさんも話しかけても答えてくれないし
あれ、ラインさんは・・・テレパシーってどうやればいいんだろう??
何か、他人に頼ってばかりだな~
でもでも・・・わからないものはわかんないよ!!
「唯ちゃん?? どうしたんですか・・・」
「あ、お・・・ああ、あのね・・・機械、あ、デバイスの使い方がわかんなくて、火属性の何かが使えそうだったんだけど・・・どうしていいのか説明もわかんないの」
「ソウルスキルですかね・・・火属性、赤毛・・・もしかして、ルビーですか??」
ここでも、出てきたルビー
ラビリアさんもルビーって言ってた
それに、システムだっけ
何かがパージ??してたよね
「うん、このデバイスをくれた人が言ってた・・・あたしにはルビーがあるって」
「ちょっといいですか・・・戦闘力を測定してみます」
同じ機械・・・あ、デバイスから眼鏡が出てきて
何かをしている
「火属性、戦闘力1200!! 1200ですか・・・いきなりそんな数値を持っているんですか??」
「あたしもよくわかんない・・・それって凄いの??」
1200と言われても
他と比べることがないと・・・
あ、そうだアクアちゃんを見てみよう~
「え~と・・・アクアちゃん、身長133センチ・体重30キロ・バスト67・ウエストって身体データじゃないよぉ~」
「唯ちゃん、酷いです~!! 表示されても口に出さなくてもいいじゃないですか・・・うううっ」
涙目であたしに訴えている??
あ・・・つい、普通に読んじゃった
これは・・・ああ~ごめんなさい!!
「アクアちゃん・・・ごめんなさい、無意識で読んじゃった・・・ああ、どうしよう??」
「(´⌒`。)グスン・・・キスしてくれたら、許します!!」
え・・・キスって
そこまでの・・・いや、いいの
あたしが悪かったんだから・・・
「わかった・・・ごめんねアクアちゃん、ちゅ(^ε^)-☆!!」
もう、一度しちゃったんだから
二度目もいいよね
アクアちゃんのくちびるにとろける魔法でもあるんじゃないのかな
さっきのキスもすごかったけど
今のキスはあたしがとけてなくなりそうな感じだったよ
「あれ・・・!?」
何か、立てなくなって膝から崩れるようにしゃがんでしまった
急に座ってしまったから、アクアちゃんが心配してくれた
「唯ちゃん!! どうしたんですか・・・立てますか??」
「う、ん・・・あ、無理かも~足に力が入らない!?」
足だけじゃなくて、全身の力が抜けてしまったみたいに
フニャって地面に倒れちゃったよ・・・
ああ~また、アクアちゃんの膝枕のお世話になってるよ~
あたし、何かわざとやってるんじゃないのかな・・・
って、そんなわけないよね・・・本当に立てないんだもん!!
「戦闘力放出の反動じゃないですかね・・・唯ちゃんの身体がまだ高い能力に耐え切れないんだと思います、制御できるようにワタシが同調してみましょう」
同調??
何をするのかな・・・
って・・・あたし、無理してたの!!
「あたしの身体・・・壊れっちゃったの??」
「いいえ、壊れたら死んでますよ・・・体力が極端に少なくなったんだと思いますよ」
疲れたってこと・・・
いきなりなのかな、そんなに凄いことしてないよね??
「戦闘力の上下を自由に操作できるようになるまで、ワタシが支えます」
「よくわかんないけど・・・アクアちゃんになら、任せるよ!?」
無駄な力を出してるってことだよね
でも、疲れた感じはまったくないんだけど・・・
別のことで力が抜けてる可能性はないのかな??
まあ、そこはこれからわかるよね・・・アクアちゃんは頭良さそうだし
頼り切るのもどうかと思うけど、あたしじゃ頼りないもん
「もしかしたら、複数の原因も考えられるので・・・わかり次第、唯ちゃんに教えますね」
「あ・・・ありがとう、アクアちゃんお願いします」
少し、気持ちが楽になってきたかも
でも・・・まだ力は入らないよ~ううっ!!
この感じは、どうしたらいいんだろう~??
「癒しのスキルも同時に展開してみましょうか・・・少しは回復するかもしれません」
ん?? 癒しのスキル・・・
そんなのもあるの!?
「レベルがまだ低いので、オールまでは使えませんが・・・ヒーリング レベル8 オープン!!」
「わっ!! 何これ~青い世界だ~♪」
あたしとアクアちゃんの二人を包むように青い水のような空気みたいな
これが癒しのスキルなのかな
アクアちゃんに包まれてるみたい~♪
「レベル10まであれば、疲れも癒せるんですが・・・申し訳ないです」
「・・・そんなことないよ~十分、癒しになってると思うから」
何か、効いてないみたいな言い方をしてしまった・・・
でも、アクアちゃんは聞いてなかったのかな??
それとも、アクアちゃんが無理してるんじゃないのかな??
「アクアちゃん・・・あたしのために無理してない??」
「・・・え、そんなことはありません、範囲内ならスキルは負担にはならないの」
なら、問題はなさそうだよね・・・
でも・・・あたしを心配させたくなくて
嘘を言ってたら・・・ううん、そんなこと
あっても、黙っているのが・・・仲間、いや恋人だった
恋人同士なら、相手を想うんだよね・・・でも
「アクアちゃん・・・嘘じゃないよね!! 」
思わず、聞いちゃった~!?
信じてないかと思われちゃうよね・・・
ああ、どうしよう~って、もう言っちゃったし
「ワタシを心配してくれてるんですか・・・恋人同士の相手ですから、仕方ないですね」
「う、うん・・・あたしもアクアちゃんが心配なの!!」
そう、心配なのよ
あたしの心をわかっているような感じ
「唯ちゃんがいる限り、ワタシは死なないから・・・」
「じゃあ、あたしずっとアクアちゃんと一緒に居るよ~!!」
勢いで話してるけど
どうして、あたしがいる限り何だろう・・・
これも安心させるための??
もう、深く考えるのはやめよう~
「お互いの心をもっとわかる感じの方がいいですかね・・・ワタシは唯ちゃんに晒すだけの覚悟はあります、むしろ知ってほしいです!!」
「心・・・アクアちゃんはあたしの心を知りたいの?? だったら、あたしはいいよ」
より、もっと仲良くなれるよね
アクアちゃんと身も心も近づけるんだ~!!
すごく嬉しくなってきた・・・
「このデバイスでリンクして、宝石同調を行えば・・・ワタシと唯ちゃんの心が共有できるんです」
「この機械はそんなこともできるの・・・やっぱりあのラビリアさんって天才科学者なんだ~!!」
機械で心が一緒にできるなんて・・・
どういう仕組み何だろう~考えただけでワクワクしてくる
でも、ちんぷんかんぷん
ちんぷんかんぷんって何・・・あたし、変なこと言ってるよ
「唯ちゃん・・・あまり気にしなくてもいいかと思います」
「へ!? 何?? どういうこと!!」
あれ・・・もうつながってるのかな??
アクアちゃんのこともわかるの
どうなんだろう~
アクア(同調は完了しましたよ・・・意識すれば、このように対話も可能です)
唯(わわっ?? これって、ラインさんがテレパシーって言ってたのと同じだ~♪)
アクア(システム的には、ほぼ同じです・・・ただ、ライン様の場合はもっと高い能力で通じてます)
唯(へぇ~、やっぱり神さまなんですねラインさん・・・今度、会ったらお礼しないと)
アクア(そうですね・・・ワタシと唯ちゃんを結んでくれましたし)
唯(ううっ~それ、やっぱりラインさんが手伝ったんですか~!!)
アクア(あ・・・すいません、どうしても唯ちゃんと仲良くなりたかったんです)
唯(・・・じゃあ、問題ないよ)
アクア(正直、どんな手を使ってもって・・・純粋な唯ちゃんには想いをわかって欲しかったので)
唯(あたしが恋愛に対して、わかんないことだらけだから・・・ごめんね)
アクア(・・・謝られると、ワタシの立場がありません)
唯(え、何で・・・あたしも好きな気持ちがあったんだよ、それをわかんないでいたから)
気持ちが素直に出ているんだ~!?
心を直接相手にわかってもらえているからかな
不思議な感じだね
アクア(不思議ですか・・・そうかもしれませんね、ワタシもこれは初めての試みでしたので)
唯(素直に気持ちをアクアちゃんに伝えられるのが、すごく素敵です)
アクア(あ、そうだ・・・唯ちゃんがソウルスキルを発動できなかった原因なんですが??)
唯(あ~!! それ、あたし気になってて・・・開くってどういうことだったのか)
アクア(ソウルスキルは具現化させるのに心を開くとの意味合いで“open heart”を思って使用するスキル名を言ったら、オープンって合図で発動するんですよ)
唯(使うスキルの名前はデバイスでセレクトできる・・・これ、戦いや場面で適切なものを選んでくれるんだ・・・で、最後にオープンって言えばいいのね)
アクアちゃんとデバイスと助けてばっかりだな~
でも、あ・・・アクアちゃん聞いてるんだよね
頼りにしてるからね~!!
アクア(うふふ・・・嬉しい~♪)
唯(本当に頼りにしちゃいますよ~♥)
アクア(そろそろ、遺跡に入っても問題なさそうですね)
唯(どういうこと??)
アクア(今、ずっと・・・内部をサーチしてたんです、トラップとか強い敵とか危ないのはない感じです)
唯(うううっ・・・本当に頼りになるアクアちゃん~あたし、お荷物じゃないのかな??)
アクア(絶対にそんなことはありません・・・ワタシには必要です~!!)
唯(そこまで・・・あたし嬉しい~♥)
アクア(ワタシこそ、唯ちゃんに頼られていることが嬉しいです!!)
唯(アクアちゃん・・・)
あれ・・・強制的に終わっちゃった!?
アクアちゃんが・・・??
「アクアちゃん!?」
あたしが元気になったんだけど・・・
今度はアクアちゃんが、気を失ってるの??
どうしちゃったんだろう~
「アクアちゃん・・・どうしたの?? ねぇ・・・アクアちゃん??」
わ~どうしよう・・・
アクアちゃんが動かなくなってるよ~!!
あたしもスキルでどうにかできないのかな・・・
デバイスの・・・あっ、わかんないよ~!!
どうしたらいいんだろう・・・
ラビリアさんもラインさんも助けてくれるのかな??
でも、自分でアクアちゃんを助けたいかも~!!
慌てるあたしはどうすることもできずに
アクアちゃんを抱き止め遺跡の入口で
ただ、無駄な時間を過ごすだけだった・・・