第二十九話
~第三章~
第二十九話『東京迷宮 雷光の遺跡・超光速の戦い その1』
あたしが倒れて・・・1日過ぎたあと
「唯ちゃん・・・早く、良くなって下さい」
必死に看病をしてくれたみたいで、ずっと泣かずに頑張ってくれたんだよ
今でもだけど、お礼を言い切れないくらいの感謝だった
「アクアさん、少しは休まれた方がいいのでは??」
「いいんです、自分と唯ちゃんに癒しのスキルを施してありますから」
アイナさんも聞いたら、ほとんど寝てなかったらしい
もう・・・あたしはどんだけ心配をさせてるんだよ!!
だからね、気がついて起きたときは・・・
もう、アクアちゃんもアイナさんも号泣してて
あたしも、どうしたらいいか・・・わかんなくなって、一緒に泣いてた
更に翌朝
やっと、普通に動けるようになって
グリーンさんとノゾミさんにもお礼と謝罪をして
すぐに駆けつけてくれた、ラインさんには・・・
「唯・・・私が悪かった~!! でもな、どうしてもお前の力が必要なんだ・・・わかってくれ」
アクアちゃんやアイナさん以上に泣いてて・・・
本気で心配してくれたんだって、思ったら
怒る気はしなかった・・・
それで、ラインさんは
ついでにと次の遺跡で行うことを発表するのとあたしたちのコーデを持ってきてくれた
「デバイスにそれぞれのコーデを転送状態にしてあるから、自分のタイミングで自由に装着可能だ」
どういうこと??
ラインさんなのに説明が難しい・・・
アクア(ラインさんには、絶対に言わないで下さい・・・多分、怒られますから)
唯(え!? 何で??)
アクア(唯ちゃんは、ラインさんにとって最高位なライバルだと思われます・・・それだけではないでしょうが、プライドの高い方みたいです・・・特にその点は注意ですよ??)
唯(う~ん、よくわかんないけど・・・ラインさんには、注意すればいい)
アクア(それですね、さっきの説明をわかりやすくすると・・・ラインさんの作った服はデバイスのシステムのひとつと考えて下さい、自分がスキルを使うように服を着たいと思えばその服を着ることができます)
魔法少女??
だよね・・・何か、呪文考えてやってみようかな~♪
アクア(魔法少女とは・・・何でしょうか??)
そうか・・・魔法ってないんだった
ソウルが魔法と同じ感じだよ
微妙に違うと思うけど、一番近いのはそれだから
アクア(確かに、唯ちゃんの思う解釈はそうですね・・・魔法少女はワタシもやってみたいです!!)
何かアクアちゃんが気に入ってくれたみたいだから
今度、本気で考えようかな
「それとだ、遺跡では超光速バトルを行うことになる・・・ソウルデバイスの車を使ってレースだ!!」
車でレース??
あたし、車運転できないよ・・・
免許ないし、そもそも年がって・・・この世界では違うのかな??
「唯・・・免許ないしとか思っただろ??」
「え、そんなことないです!!」
「そうか・・・地球では、車運転するのにライセンスを取得するんじゃなかったか??」
「・・・わかってて、聞きましたね!!」
「当然じゃないか・・・私は唯だけ特別扱いするんだから」
特別扱いって、何かな??
あたし、やっぱりラインさんに狙われてるの・・・
「ライン様でも、唯ちゃんに手をかけるなら・・・全力で阻止します!!」
「・・・アクアはもう少しジョークを勉強したほうがいいぞ、私も気をつけるが」
なんだ・・・ラインさんのお茶目なジョークだったんだね
でも、本気だったら怖いから
アクアちゃんにも言っておこう
唯(アクアちゃんの言う様に、ラインさんには注意するから)
アクア(よかったです、ワタシの意図を理解してもらえて・・・)
今更かもしれないけどね
まだ、ラインさんもラビリアさんも信用してないんだ
だって・・・親切だけど、どうも偽善に思えるんだよね・・・
アクア(ワタシでもそこまで思ってません・・・唯ちゃんの考えは凄すぎます)
唯(そうなのかな・・・だって、勝手に呼び寄せたんだよ!!)
アクア(ですが・・・ある程度こちらにも意思があった上ですよ??)
唯(それも、どうなんだかわかんないし・・・あたしは、少なくとも、ないし!!)
アクア(でしたら、ワタシも唯ちゃんの意見に賛同します)
ここは、無理に合わせなくてもとは言わない
アクアちゃんがあたしに合わせてくれると嬉しいからね
「まあいい、開催日は来週になるから・・・あとで、ラビリアから詳しい説明をしてくれると思うぞ」
「次の遺跡は・・・雷属性ですわね、アイナさんの属性ですわよ」
「私の属性ですか・・・火と風の上位属性」
「私の知り合いにも同じ属性というかアレキサンドライト保有者がいてな・・・」
アレキサンドライトは・・・
赤と緑の二つの色を放つ特殊な宝石です
・・・ってことは、髪も赤と緑??
そうだ、アイナさんの髪普通に赤かと思ってたけど
今日は緑になってる!?
日によって色変わるんだ!!
「まあ、あとはラビリアに丸投げする・・・デバイスにはあいつが一番詳しいからな」
「大丈夫です、ライン様に期待はしていませんので!!」
「アクア・・・お前がいなくなっても、泣くのは唯くらいなんだぞ!!」
って、ラインさんを止めないと・・・アクアちゃんが危ないかも
と思ったけど・・・
アクアちゃんは、冷静であたしを見て微笑んでる??
「別に構いませんよ・・・唯ちゃんとラビリア姉さまとのリンクは伊達ではありません」
「ちっ!! そうだった・・・アクア、命拾いしたな・・・私の弱点をわかった上でのことか」
「あなたは信用していませんが、ラビリア姉さまは少しは信用に値する方だと思いますから」
「女神も形無しだな・・・ははは、アクアに言いくるめられるとは」
そう言って、ラインさんはいなくなった・・・
アクアちゃんすごいね
ラインさんに勝つなんて
「唯ちゃん・・・肩貸してくれませんか??」
「うん、いいよ・・・」
あらら・・・急にあたしに寄りかかったと思ったら
腰から崩れ落ちちゃった・・・
「本気で死ぬかと思いました・・・ライン様は怖すぎます、あれが女神の威圧ですかね??」
「ねえ、アクアちゃん・・・一緒にお風呂入ろうか~♪」
「お風呂ですか・・・いいですが、まだ昼間ですよ!!」
「いいから~!!」
少し強引だけど、どうしてもアクアちゃんを着替えさせる必要があった
それも本人が恥ずかしいと思う前に・・・
だから、無理にでもお風呂に誘ったの
「唯ちゃん・・・先ほど、お湯を浴槽に入れておきましたわ!!」
「グリーンさん、ありがとうございます」
何で、いつもグリーンさんは
あたしの行動をわかるんだろう
しかも、今回は急になハプニングみたいな感じだよ??
「ラビリア様が来られましたら、自分がお話を聞いておきますわ」
「うん・・・」
そして、あたしとアクアちゃんがお風呂に入ることになった
まあ、たまには昼間に入ってもいいよね??
アクア(唯ちゃん・・・急にどうしたんですか??)
唯(・・・あたしと一緒にお風呂は嫌??)
アクア(それを聞きますか・・・)
唯(だったら、素直にあたしに従うの!!)
アクア(久しぶりの強引な唯ちゃんです・・・何か意図的な事を考えてますね)
唯(あまり、変なふうに思ってると・・・もう一緒しないよ??)
アクア(わかりました・・・もう、出来レースなんですね)
出来レースの意味はわかんなったけど
何となく、今のあたしの行動に対しての言葉だと思えば
結果のわかるレースってことだよね、きっと・・・
アクア(何て、心地の良い小悪魔的な唯ちゃんなんでしょうか・・・)
唯(早く、脱がないと一人で入っちゃいますよ~!!)
わざと、急かすようにアクアちゃんを煽る
まあ、気づかれないようにというのもあったけど
普通に早く一緒したかっただけともいえる
アクア(・・・唯ちゃんの意図がやっとわかりました!!)
唯(あ・・・わかっちゃったの??)
脱いだ時に異変をわかっちゃったか・・・
まあ、あたしでもそれはわかるだろうから
ごめんね、でもその場では言えなかったの
アクア(これは、感謝です・・・ライン様の威圧で粗相していたんですね)
唯(アクアちゃんの足見たら・・・もう、これしか思いつかなかったの)
アクア(いえ、最良の方法だと思います・・・ワタシもここまでわかりませんでしたから)
唯(グリーンさんが、あたしよりも先にわかっててお風呂準備してたの)
アクア(グリーン様にも感謝しておかなければいけませんね)
唯(うん・・・いつも助けてくれるよね~♪)
アクア(ええ、怖いくらいにです)
唯(でも、よかったよ・・・アクアちゃんがラインさんに襲われるんじゃないかって心配したんだよ)
アクア(ごめんなさい・・・どうしても唯ちゃんを守らないとって思ってしまって)
唯(あたしを大事に思ってくれるのはいいけど、まずは自分を一番大事にしてね??)
アクア(・・・唯ちゃんが言うなら、そうします)
唯(ラインさんは信用できるかわからないけど、まだ・・・あたしもアクアちゃんも使えると思ってるみたいだし、すぐに何かするとは思えないんだよ!!)
アクア(う~ん・・・ワタシにはそのへんは不明です、唯ちゃんが何かを知っている存在を持っているみたいなので・・・そこをどうにかできれば、追求することが可能だと思うんです)
唯(そうだよね・・・デバイスの機能で確認したら、あたしが別人みたいだったから)
アクア(女神になると、ああなるのかなって・・・ワタシ悲しくなりましたが、あれが本来の唯ちゃんなのかなって・・・思って)
唯(あたしにもそれは、わかんないです・・・)
念入りにアクアちゃんの身体を洗いながら
あたしもアクアちゃんも泡だらけ~♪
汚れと一緒に悪い心もキレイに流せればいいのにね・・・
アクア(唯ちゃんに悪い心なんてあるの??)
唯(あると思うよ・・・今だって、アクアちゃんの身体を見ながら・・・ドキドキしてるし、お胸とかモミモミしちゃってるし・・・あたしだって、こういうことしたくなるんだよ~!!)
アクア(・・・唯ちゃんになら、何をされても許せます)
唯(好きな人にモミモミされると大きくなるって・・・聞いたことがあるの??)
アクア(そんなのは、考えられません・・・胸の大きさは、環境だと思います)
そうなの??
せっかく、あたしもアクアちゃんにモミモミしてもらって
大きくなれると思ったのに~!!
アクア(・・・気持ちの問題もあるかもしれませんね、ホルモンバランスは心も影響すると聞きました)
唯(そっか・・・じゃあ、環境と気持ちが大事なのかな??)
アクア(そうですね、モミモミだけでは流石に難しいと思いますので・・・胸を大きくできる栄養の摂取と正しい生活じゃないですかね)
やっぱりアクアちゃんは色々知ってて、頼りになるよね
お胸の大きさだけが全てじゃないんだけど
でも、大きいほうが色々と楽しめる??んじゃないかって・・・
アクア(ライン様に、胸に関してだけは質問したいです!!)
唯(らいんさんのお胸・・・すごかったよね)
アクア(ラビリア姉さまもですが・・・あ、姉さまでもいいのか!!)
唯(ラビリアさんに聞くの??)
アクア(ライン様の大きさは現実味がありません、ラビリア姉さまは期待が持てるサイズじゃないですか)
女神ではないラビリアさんのお胸も大きかった
何か努力しているかもってことだよね
そうだね、今度聞いてみたい
隅々まで洗い終わり
泡を流して、二人で一緒に湯船に入る~♪
「ふわぁ~」
思わず声が出ちゃった!!
だって、気持ちよかったんだもん
お風呂に入ると何で、声が出るんだろうね??
「唯ちゃん・・・お年寄りみたいです~?!」
「え!! あたし、まだ14歳よ??」
「そんな事わかってます・・・実際の年齢ではなくて、お風呂に入る際声を出すのがと思っただけです」
うわ~ん!!
アクアちゃんが、あたしを老人扱いするよ~!!
だって~声出ちゃうじゃない・・・
って、アクアちゃんは出さなかったね??
「地球の習慣ですか・・・ワタシは入る際に声出ませんけど」
「・・・何で、出ないの!!」
「何でと聞かれても・・・ワタシにはわかりません、根本的な生体の違いかもしれませんんし」
エルフと人間で違いがあるの??
だったら、どうしようもないね
じゃあ、これはわかんないか・・・
「色々と人間の生活については、今後接触があるからと教わったりはしましたが・・・完全に把握しているわけではないので、まだまだ、勉強中なんです」
「そうなんだ・・・あたしで参考になるなら、いくらでも利用していいから」
「唯ちゃんを利用するんですか・・・ワタシ、変な想像をしてしまいました~♥」
アクアちゃんがニヤニヤしてるよ・・・
あたしをどんな風にしたんだろう
まあ、アクアちゃんにだったら・・・と考えるとアクアちゃんにも伝わっちゃう
「何で、止めるんですか!!」
「だって~恥ずかしいじゃない・・・あたしがアクアちゃんに利用されるのを想像するなんて」
「・・・少し残念ですか、無理なら仕方ありません」
そんなに期待してたのかな
でも、やっぱり恥ずかしいから・・・ダメ!!
「唯ちゃん、そろそろ上がりましょう・・・身体が耐えられなくなりました!!」
「え・・・大丈夫?? デバイスがないからか・・・そうだね、上がろうか」
普段、寝る時でも装備をしているデバイスだけど
身体を洗うので、お風呂の時は外すようにしてるんだ
これって、身体機能の安定もしてくれるんだよ
それだけではないんだけど、アクアちゃんは基本的に皮膚が薄いみたいで
すぐに体温が上昇してしまうんだって
それに、あたしも火照ってきたし
「アクアちゃんって、本当にキレイな身体してるよね・・・♥」
「唯ちゃんだって、キレイじゃないですか・・・♥」
何この空気!?
お互いを褒めるから、二人して恥ずかしいって感じになってるよ
でも、恋人同士なら・・・普通に交わす言葉なのかな
あたしもアクアちゃんも下着姿で部屋に戻る
そこには、丁度ラビリアさんが来ていた
「アクアさん・・・平気でしたか?? ラインには私からキツイお仕置きをしておきます」
「いえ・・・あまりお気になさらず、変にされると余計に恥ずかしくなります」
グリーンさんに聞いたんでしょうか??
昼間に二人でお風呂ですから、不思議に思ったんだね
「唯さんに救われた形になってしまいましたね・・・ラインに変わり謝罪します」
「ラビリアさんは、本当にステキなお姉さんって感じだよね・・・アクアちゃんも姉さまと呼びたくなるわけだ、あたしもお姉さんって呼んでもいいかな??」
「アクアさんに唯さんと妹が二人もできたのね・・・何か兄弟姉妹がいなかったので嬉しいわ」
笑顔であたしとアクアちゃんの頭をナデナデしてくれた
この人なら、信用しても大丈夫かな??
ラインさんも、包容力で一緒にいるのかもしれない
「ラビリア様、お話は自分が二人にいたしますわ」
「わかりました、お願いしますね・・・唯さん、アクアさん早々ですが・・・ラインを懲らしめに帰ります、レース当日は様子を見に来ますので・・・その時にまた会いましょう」
ラビリアさんは女神ではないんですけど
瞬間移動が使えるみたい
あのスキル・・・早く使ってみたい
あ・・・でも、気持ち悪くならないかな??
少し、心配だけど
そうだった・・・お胸の話聞くの忘れちゃった・・・