第二十六話
~第二章~
第二十六話『東京迷宮 迷宮の謎・苦悩編 その3』
「簡単な説明とは何でしょうか??」
アクアちゃんがラビリアさんに詰め寄る
何か、急に仲良くなってる気がするんだけど・・・
「5人目についてです!!」
・・・5人目??
ずっと気にはなってたけど
ついにわかるのかな
「ラビリア様・・・自分達の女神覚醒後ではないのですか??」
「それは、私が勝手に話しただけだ・・・ラビリアに怒られてしまった、ははは」
そんなのでいいの??
それとも、惑わすための作戦とかかな・・・
ラインさんは、謎が多い神さまです
「グリーンさんに対して、記憶前の感じで接しているんですかね」
「本当にすまない、特殊な環境だとは思わなかったんだ・・・」
ラインさんとグリーンさんが知り合いだったのは、何となくわかったんだけど
どんな感じだったのかは不明だよ・・・
「嘘を言ったわけではなければ、別に問題はありませんわ」
「そう言ってくれると、私も少しは助かるぞ・・・グリーンは本当にいい奴だからな」
ラインさんとグリーンさんが肩を組んでニコニコしてる
これは、友情の証だからノゾミさんも大丈夫だよね??
「ラビリア姉さま、5人目の情報は??」
ん?? 姉さま??
お姉さんだったの・・・違うよね
どういうことかな
「唯さんが困惑してるわよ、アクアさん」
「あれ・・・共有してるから、って・・・ああ~忘れてました、切断したままでした」
そう言うと、急にアクアちゃんはラビリアさんとのやり取りを説明してくれた
んだけど・・・何ていうのかな部分的に抜けてる気がするんだよね
アクア(すいません、どうしてもヒミツにしたいんです・・・)
唯(・・・わかったよ、あたしには知られたくないんだね)
アクア(そのうちお話しますから・・・)
唯(無理に話さなくてもいいよ、別に嫌いになったりしないから)
うふふ、アクアちゃん悲しそうな顔してる
隠してるつもりだけど、実はね・・・バレバレなんだよ~♪
だからといって、本当に嫌ったりはしないからね
「ラビリア・・・あまり二人をいじめるなよ??」
「って、私はそんな事してません!!」
そうだよね・・・別にあたしもアクアちゃんもラビリアさんから
どういうことかな??
冗談っぽい感じで言っただけ・・・
「ラインさんのお茶目なジョークじゃないか・・・みんな、私を怖い目で見るなよ??」
「状況や流れで冗談に思えないから、やめてくださいね!!」
「すまん・・・」
ラビリアさんに怒られるラインさん
本当に仲がいいんだね・・・ちゃんと相手を叱ることができるのは
あたしもアクアちゃんに、できるかな
アクア(唯ちゃんは、できていると思いますよ・・・)
唯(アクアちゃんは、優しすぎます・・・あたしをしっかりと導くようにしてね~??)
無言で何もしないであたしを見てる
ちゃんと言ってくれるんだよね??
う~ん、何でOKしてくれないの・・・
「唯ちゃん・・・後でじっくりと追求して下さい、話を再開したいですわ!?」
「あ・・・はい、わかりました」
まだ、グリーンさんが話を聞いていたように話をしてきたよ
まあ・・・言われたようにあとでじっくりとアクアちゃんと話をしよう
「じゃあ、ラビリア頼むぞ!!」
「はい・・・では、皆さんに5人目の情報を送りますね」
そう言ってラビリアさんがウインクをして
デバイスにデータが送信された
目の動きで操作したのかな
そんな簡単できるんだね・・・
「もう開示してもいいと判断しましたので、近いうちに合流するようにラインから伝えてあります」
「まあ、ワケありだけどな・・・強くて優しい女性だから、頼りにしてもいいぞ~!!」
どんな人だろうね
情報あるんだよね・・・見てみよう~♪
久遠アイナさんか・・・
アレキサンドライトの宝石を持ってるんだよね
属性は・・・火と風の混合??雷だって
雷属性って特殊みたいだよ
二つの属性が同時に使えるのかな
そういうことで強いって言ったのか~??
それに優しいなんて、素敵なお姉さんみたいな感じかな
アクア(見た目は年上ですね、でも妹らしいですよ・・・姉を探して旅をしているみたいです)
唯(あたしよりは年齢は上なんだね・・・)
ライン(ちょっとだけいいか??)
突然ラインさんが介入してきました
5人目の話かな??
唯(はい、何ですか??)
ライン(アイナについて少しだけ、話しておこうと思ってな)
アクア(基礎情報はデバイスで把握しますよ??)
ライン(補足だ・・・デバイスでは載らないから)
どんな話なんだろう
重要だったりするのかな・・・
ライン(彼女の探している姉は、天球で女神になった久遠愛理というサファイアを保有する)
唯(サファイアってアクアちゃんと同じだよね??)
アクア(はい、同じですね・・・)
ライン(まあ、それはいいんだが・・・愛理にこちらへ来るようにセッティングしてるんだ)
唯(姉妹再会ですか・・・!?)
ライン(ああ、そうなるな・・・ラビリアにアイナ専用のデバイスを用意させたから、本当の意味での再会になるぞ・・・私はその話を聞いたら泣いてしまったんだが・・・って、それはいいんだ!!)
何を言いたいのかな
まだ、話が終わってないみたいだから
続きで、答えがわかるといいな
ライン(アイナはな、両目共に視力が無いんだ・・・病気で眼球に致命的な損傷ができてしまったらしくて、Lの技術でも治すのは難しいみたいだから・・・女神になって開眼できるといいんだが)
アクア(ライン様・・・話が見えてきませんよ!! デバイスと本当の意味での再会の説明を??)
唯(アクアちゃん、これから教えてくれるんだよ・・・気が早いんだって~!!)
アクア(え~!! だって~ライン様が焦らすんだもの??)
ライン(ははは、唯にフォローされるとはな・・・すまない、アクアこれから説明する)
アクア(すいませんでした、ライン様)
ライン(本当の意味というのはな、アイナが盲目で両目共見えないんだ・・・だから、実際に姉の愛理を見たことは、かなり時期が遠くだと思うぞ)
アクア(別れてから、アイナさんは目が見えなくなったのですか??)
ライン(詳しくは、本人から確認したほうがいいだろう・・・私もわからん)
アクア(今ので、もう一つのデバイスに関してはわかりましたよ~♪)
あらら、アクアちゃんは頭いいからね・・・今の話でもうわかったんだって
すごいね・・・
ライン(唯はわかってないみたいだから、説明しておくぞ・・・)
唯(う、お願いします)
アクア(いえ、いいんですよ・・・ワタシが間違っている可能性もありますから)
ライン(まあ、アクアの思惑は多分合ってるとおもうけどな・・・デバイスの機能で目を閉じても見れるだろ?? あれって、一応目の機能が正常でないと無意味なんだ、だからなラビリアは盲目でも機能するシステムを新たにアイナ用に構築したんだぞ!!)
アクア(半分正解でした・・・あれって、盲目では無効なんですね)
ライン(愛理は妹が盲目なことは知らなかったから、泣いてたが・・・その話をしたら、率先してこちらに来てくれることになったんだ・・・お前たちの前で姉妹再会となるから、泣くんじゃないぞ!!)
唯(・・・それって、あたしは無理かも~アクアちゃん、あたしは泣く予定にしとくよ)
アクア(それは、ワタシも無理です・・・ライン様、どうにかして下さい??)
ライン(あ!? 私も無理だ、既に一回泣いたし・・・ははは~♥)
ラインさんが泣いたんだったら、あたしもアクアちゃんも無理だよ~!!
じゃあ、泣くで決定だね
ライン(もう、予定どうでもいいからアイナ連れてこようかな・・・私に権限を行使してやる!!)
アクア(そんな事していいんですか??)
ライン(何かな・・・どうでもよくなってきた)
唯(ラインさん・・・あたしに似てるかも~♪)
ライン(ははは~♪ ルビーの火属性はみんな同じかもしれないな・・・あいつも似た感じだったし)
ラインさんの言っている“あいつ”って誰だろうね??
あたしやラインさん以外にルビーの火属性な人いるんだね・・・
アクア(唯ちゃんに似ている!? ライン様が?? う~ん、ワタシは認めませんよ!!)
ライン(まあ、唯が女神になったらどうなるかだろうな・・・欲望の解放なんだぞ、全てが満たされた状態で好き放題出来る時に、それでも違うと言い切れるか)
アクア(深いですね・・・女神は欲望の向こう側ということですか??)
ライン(まあ、厳密には違うが・・・近い意味合いではあるだろうな)
女神って何でもできるんだね
制限をしてる分、大変そうだけど・・・
唯(ラインさんが、制限してるのは・・・もしかして、反動とかがあるんですか??)
ライン(ん!? あ、唯からその質問が出るとは思わなかったな・・・制限してるのはな、最愛の人を待っているだけだ・・・その人が帰るまでは私は力が発揮できんのだ)
最愛の人・・・ラインさんの恋人だよね??
もしかして、旦那さんかな
結婚してるかもしれないよね、ラインさん美人さんだしね
唯(最愛の人って、旦那さんですか??)
ライン(・・・ああ、そうだが・・・何で、恋人だと思わなかったんだ!?)
唯(思ったんだけど、ラインさん美人さんだし結婚してても、おかしくないかなって)
アクア(唯ちゃんは、この手のカンが鋭いんですよ・・・だからだと思いますよ)
ライン(そうか・・・詳しくは話せないが、素敵な旦那だぞ・・・うふふ~♥)
ものすごく嬉しそうにしてるね
本当に大好きな旦那さんなんだね
早く、戻ってくるといいのに
アクア(ライン様、ソワソワなされてますが・・・どうされましたか??)
ライン(・・・ちょっといいか、すまんな)
恥ずかしそうに移動していった・・・
お手洗いに行ったみたいです
・・・
アクア(ライン様・・・ワタシや唯ちゃん以上に繊細な方みたいですね、女神になると極端な形になるのかもしれません・・・色々と制限が無くなったという事は)
唯(いい部分も悪い部分も制限がなくなるってこと??)
アクア(はい・・・心の解放ということで言えば、そうだと思います)
う~ん、怖いけど・・・あたしは女神になってみたいかな
どうなるのか、楽しみ~♪
ライン(・・・アクア、察してくれて、すまなかったな)
アクア(いえ、無言で行動されてもよかったんですが・・・)
ライン(これだけは、どうも恥ずかしくてな・・・すまない)
唯(我慢はよくないですよ・・・)
ライン(ああ、わかってても難しいんだ)
アクアちゃんの言ってたように、ラインさんは繊細みたいです
何か、見た目から
カッコイイ素敵な大人の女性なイメージな分
このギャップは・・・可愛さを追加したより女の子な感じなのかな
アクア(ワタシも・・・あまり自分では、言い出せないかもしれません)
唯(そうなの!?)
アクア(唯ちゃん・・・それ以上は言わないで!!)
ライン(アクア、お前は唯にかなりの幻想を抱いてるな・・・)
アクア(いいじゃないですか・・・別にワタシが唯ちゃんに何を求めようと!!)
あら、アクアちゃんがラインさんに怒鳴ってる
うふふ、面白いね~♪
ライン(このタイミングでいいか・・・少し、待ってろアイナを連れてくるから~!!)
と、いなくなっちゃった
少し話すと言ってたけど、結構長かったね
それに、一方的にいなくなるし・・・
ラインさんって、不思議な人??あ、神さまか
女神になると、みんな・・・いや、多分ラインさんが特別なんだろう
と、勝手に思ってみた
アクア(そうだと、ワタシも思います・・・ライン様はリーア様に匹敵すると聞きましたから、それだけ欲望も深いと思われます、だから・・・だからですよ、バランスのための行動も多いかもしれません)
唯(バランス・・・自分を保つためってこと??)
アクア(はい・・・ライン様は、かなり苦労されているように思われます)
唯(苦労!? う~ん・・・)
ラインさんの苦労は、わかんないかもしれないね
あたしが女神になったら、じっくりと聞いてみよう~??
「ライン・・・急にいなくなって、唯さん何か聞いてますか??」
「あ、はい・・・アイナさんを連れてくると言ってますかよ」
「・・・はぁ、また暴走してますね・・・折角の予定をぶっ壊すなんて」
ラビリアさん、怒ってるね
やっぱり、ラビリアさんが計画とか考えてるんだね
だから、ラインさんが勝手にしてしまうと・・・
「ラビリアさん・・・ラインさんのこと嫌いですか??」
「え!? 好きですよラインは色々な意味でね・・・」
一瞬、驚いた感じだったけど
すぐに好きだって言ってるから
無茶なことをしないか心配ってことかな
あたしとアクアちゃんも、こんな感じで仲良くなれたらいいよね
アクア(これ以上仲良くですか・・・精進します!!)
唯(どこまで真面目なのか、わかんないよアクアちゃん!?)
アクア(全てです、ワタシは全てが真面目でできています)
うふふ、アクアちゃん面白い~!!
自分のことをギャグみたいに言うなんて・・・
あれ、アクアちゃん悲しそうな感じ??
もしかして、本当に真面目でできてるの・・・
もう、意味がわかんないよ
「はぁ・・・仕方ありませんね、アイナさん用のデバイスもシステムも構築済みですから」
「姉さま、ライン様が大好きでも・・・しっかりとしたスタンスでいないと振り回されますよ??」
真剣にラビリアさんへ意見しているアクアちゃん
そんなアクアちゃんの頭をナデナデしながら、優しく微笑んで
「既に無数に振り回されてますよ・・・だから、いいんです多少のワガママも許される立場だし」
「はあ!? そうなんですか・・・女神だからですか」
「そうね・・・基本的に女神は自由にできるから」
女神は自由にできるんだ
そっか、ラインさんも欲望の向こう側って言ってたもんね
欲望が叶うという事は、何でもできるってことだもんね
あたしの欲望って何だろう??
考えても、すぐには思いつかないかな・・・