第二十三話
~第二章~
第二十三話『東京迷宮 迷宮の謎・探求編 その3』
「唯ちゃんは苦手な食べ物ってあるんですか??」
アクアちゃんがあたしをジッと見つめてる
好きなじゃなくて、嫌いのを聞くの??
「何で、嫌いなのを聞くの??」
「・・・今後のためにと思いまして、知っておいてワタシもそれは食べないようにします」
あたしに合わせてくれるのかな・・・
別にアクアちゃんが食べるのはいいんだけど
見せないようにってこと??
「それとも克服するために、あえて食べるようにしましょうか??」
「う~ん・・・できるなら、食べないでいたいんだけど」
「そうでしたら・・・モノによりますね」
「あたし、しいたけが苦手なの・・・」
「椎茸ですか・・・でしたら、無理に食べなくても問題はなさそうですが」
よく見ると、アクアちゃんがしいたけを美味しいそうに食べてる!?
・・・知らなかったんだろうけど
普通に食べてるね
アクア(椎茸は普通に食べるだけです・・・だけです問題ありません)
唯(あたしは別に自分で食べるのでないなら、アクアちゃんが食べてても気にしないよ)
逆に、アクアちゃんの嫌いなモノがあたしの好きな食べ物だったら
無理してでもアクアちゃんの前では食べないようにするかな・・・
・・・これは、あたしもアクアちゃんの食べ物について聞かないとダメだよね
「アクアちゃんの嫌いな食べ物は??」
「ワタシ・・・生魚が食べられません」
あ・・・あたしも生魚ダメだったんだ
しいたけと生魚は食べられない・・・
魚は、火を通して調理すれば食べることはできるんだけど
しいたけはどうしてもダメで
どんな料理に入ってても食べられないかも
「唯ちゃんも生だと食べられないんだね・・・そこは共通してるようなので、椎茸は大好物ではありませんから・・・特に食べなくても死にませんから」
アクアちゃんって極端だよね・・・
でも、あたしのために好きなものでも我慢するんだもん
すごいけど、嬉しいよ~♪
「食べるものくらいは自由でいいと思うのですが・・・そこまでストイックなんですのね??」
「いえ、こういうのは気持ちの問題ですから・・・お気遣いなく!!」
う~ん・・・アクアちゃん、別にいいんだよ
あたしが言ってるんだから・・・
アクア(気持ちの問題です・・・ワタシのワガママです!!)
唯(え~アクアちゃんのワガママなの~??)
アクア(はい・・・唯ちゃんのためにワタシはワガママになります)
何だろう、あたしのためにワガママって・・・
どう対応したらいいんだろう
少し、悲しくなってくる
アクア(ワタシだって、自分を貫きたい時だってあるんです・・・いいじゃないですか~!!)
いつになく、強気なアクアちゃんだな・・・
まあいいか・・・あたしのためだと思えば、無理だとなったら
無理だと思えば、元に戻るかな??
アクア(何か、ワタシに対してのイメージ悪くないですか・・・)
唯(そんなことないよ~)
アクア(そういう事にしておきます・・・唯ちゃんは嘘付かないと信じてます)
ううっ・・・アクアちゃん、怒ってるよ~??
あたしは、本気でそんなことないって思ってるのに~!!
何か食事どころではなくなったじゃないの・・・
って、アクアちゃんが悪いんじゃないよ
あたしが悪いんだから
「お二人共・・・食べないのですか??」
あたしとアクアちゃんが、好き嫌いの話をしてたから
無言で黙ってしまっていたので
心配そうに、語りかけてくれた
「グリーン様、申し訳ありません・・・唯ちゃんと大事な話をしてました」
「え・・・大事な話?? あ、ああ~大事な話ね・・・そうです、大事な話でした」
って、あたし焦ってちゃったじゃない
別に普通にしてればいいのに・・・
「そうですか・・・食事の時は、しっかりと食べて下さいね??」
「は~い、グリーンさん・・・わかりました~♪」
「お気遣い、感謝致します・・・グリーン様」
あれ・・・ノゾミさんがいない??
どこに行ったんだろう~??
「甘いお菓子貰ってきました~♪」
ニコニコしながら、ノゾミさんが戻ってきた
お皿にいっぱいのお菓子があった
「ノゾミ・・・自分もお菓子を頂いてもよろしいですか??」
「うん・・・みんなで食べようと思って、沢山貰ってきたから~♥」
嬉しそうにグリーンさんがお皿のお菓子を食べている
食後のデザートだね・・・あたしも
って、ああ~まだ食前だったよ~!!
アクア(大丈夫です、唯ちゃんの分はワタシが貰ってきます!!)
何か皿じゃなくて・・・鍋みたいなお椀を用意してるんだけど??
あたしが沢山食べるのは、嫌じゃなかったの・・・
もう、気にしなくなったのかな!?
アクア(思い切り、気にしていますよ!! できるだけ、唯ちゃんにわからないよう・・・泣いてます)
唯(・・・何でよ!!)
思わず、怒鳴ってしまった・・・
ごめんなさい、アクアちゃん
どうして、あたしのためにそこまでするの??
恋人だって、限界ってあるでしょ!!
アクア(ありませんよ、限界なんて・・・アクアちゃんへの愛は無限大なんだからね~♥)
そこまで言い切るんだ・・・
だったら、泣かせるつもりで食べるだけなんだからね
あたしは知らないから
自分のために食べるだけだから
アクア(・・・ううっ、いいんです、それでいいんです~!!)
何でアクアちゃんは、ここまでするんだろう
唯をどんな風に思ってるの??
あたしもアクアちゃんに何かしないと、恋人として不公平じゃない~!!
唯(アクアちゃんのために、あたしも何かしたいんだけど・・・)
アクア(・・・別にワタシは特には、要求とかは・・・あ、ではこれをお願いしましょうか??)
食事が終わったら、二人だけでお部屋でお話をします??
何があるんだろう・・・楽しみ~♪
唯(うん、わかったよ・・・)
アクア(唯ちゃんに・・・うふふ、うふふ・・・)
何かアクアちゃん、ちょっと怖いよ~!?
そんなにすごいのかな・・・
「唯ちゃん、アクアちゃん・・・先にライン様とラビリア様の来訪を済ませてからですわよ!!」
あっ!!
そうだった~
1時間後って、食事したんだったね
忘れてたよ・・・
「そうでしたね・・・ワタシ、忘れていました」
「あたしも、忘れてた」
「それを聞いたら、嘆きますわよ・・・ちゃんと謝罪しておくんですよ、わかってると思われますので」
神さまだもんね、ちゃんと謝っておかないとね
アクアちゃんと一緒に、忘れててごめんなさいって
許してくれるかな~??
アクア(誠意を持ってしっかりと謝罪すれば、わかってもらえると思います・・・)
唯(真剣にってこと??)
アクア(はい、思いをしっかりと伝えることが重要かと)
唯(うん、わかった・・・)
食事がみんな終わって、部屋に戻ってラインさんとラビリアさんを待つことに
さっきから、40分以上過ぎてるから
あと・・・20分くらい??
「唯ちゃん・・・お菓子食べますか??」
「あ、アクアちゃん・・・本当に持ってきたんだね、もらう~!!」
少し遅れてきたのは、お菓子をもらってきたからだったんだね
あたしのためにだよね・・・アクアちゃん、ありがとう~!!
「唯さんは、あれだけ食べて・・・まだ、食べるんですか??」
「唯ちゃんは、ソウル消費の激しい人なんです・・・その分、食べるんです・・・ううっ」
あ・・・また、泣く~!?
アクアちゃんは何で、あたしが食べてると泣くのよ~!!
「ノゾミ・・・あまりその話は、アクアちゃんにはしない方がいいわよ・・・悲しむから」
「・・・理由はわかりませんが、アクアさんが悲しむなら、もう聞きません!!」
うううっ・・・何か、あたしが悪いみたいじゃない~!!
どうして、普通に食べてるだけなのに・・・
アクア(悪いのは、こちらですから・・・唯ちゃんは悪くないです)
唯(じゃあ・・・何で泣くのよ!!)
アクア(うっ、それは・・・心では耐え切れないだけです、心配無用です)
無用じゃないよ!!
あたしも耐え切れないよ
無理には抑えられないけど・・・
アクアちゃん、どうしたらいいの??
アクア(唯ちゃんはそのままでいいんです、こちらが対応しますから・・・)
・・・それが一番困るんだって~
もう、いいや・・・アクアちゃんが泣いても知らないからね!!
「そろそろ、来る時間ですか・・・わざわざ、ありがたいですわね」
「1時間がもう少しで経過します」
ラインさんがきっちりと1時間で来るのかは、微妙な気がします
でも、ラビリアさんと一緒だったみたいなので
もしかしたら、ピッタリか少し前で来てくれる可能性もあるかも~??
アクア(ライン様のサプライズ的な演出がありそうです・・・)
唯(サプライズ的な演出??)
アクア(はい・・・既にもう来ていて、驚かせようとしているかもしれませんよ!?)
この時、アクアちゃんの言ったことがそのまま行われることになる
ラインさんは、アクアちゃんの後ろに立っていて
それと同じく、あたしの後ろにラビリアさんが立っていました
あたしは、ラインさんに口止めされ
アクアちゃんはラビリアさんに口止めされて
ビックリしたのは、このサプライズはラビリアさんが考えたってことです
さっきもアクアちゃんが言ったように
ラインさんが考えて、ラビリアさんと一緒にと思うのですよね
だからとは言えないんだけど
ラビリアさんのイメージがかなり変わることになります
ライン(この会話は唯にしか伝わらない、ラビリアの発案でアクアにサプライズをするらしい)
唯(・・・どういうことですか??)
ライン(何か仲良くなりたいらしいのだが・・・私は反対したんだぞ!! それだけはわかってくれ)
唯(あたしはいいですが、アクアちゃんには説明してもわかってもらえないかもです・・・)
ライン(ううっ・・・仕方ない、お前だけでもわかってればいい)
唯(あたしがアクアちゃんに言います・・・あたしのことは信じてもらえるだろうから)
ライン(すまん・・・どうもラビリアの行動は私にもわからないところがあってな)
唯(そうなの?? 何か逆に思えるんだけど・・・)
ライン(ああ、それはな・・・よく言われるぞ、見た目や性格から思われてしまうんだ)
唯(深く相手を知らないと、ってことかな・・・あたしもアクアちゃんに、あ、ダメ・・・これはナイショです!! ラインさんでも言えません!!)
ライン(ふふふ、唯・・・無理に話さなくていい、まあとりあえずラビリアのラプライズに協力してくれ)
唯(はい・・・わかりました、ラビリアさんのですね)
と、あたしとラインさんだけの会話があって
同じ時間で、アクアちゃんとラビリアさんの会話もあったんだって・・・
その部分はあとでアクアちゃんに聞かせてもらったんだけどね
内容はこんな感じだよ~♪
ラビリア(アクアさん・・・この対話は二人専用となっています)
アクア(・・・はい、ラビリア様!? どういうことなんですか??)
ラビリア(ラインが、どうしても唯さんともっと仲良くなりたいと言い出してね)
アクア(唯ちゃんとライン様とですか??)
ラビリア(ええ、あなた方の間柄に関しては知っているのですが・・・ルビー同士で深い繋がりが必要らしいの、女神にも関係する事なので・・・少しでいいの、協力してもらえる??)
アクア(う~ん・・・わかりました、お二人には色々として戴いておりますから、協力はするつもりです)
ラビリア(ごめんなさいね・・・歯止めは私がしっかりとしますから、それは安心して)
アクア(・・・歯止め!? 唯ちゃんを襲うつもりですか!! ラインさんは・・・)
ラビリア(しません・・・と言い切れませんので、リミッターを設けてあります)
アクア(そうですか、信用しますからね・・・)
ラビリア(はい、個人的に私もアクアさんと仲良くなりたいと思ってますから)
アクア(それは、ワタシも興味ありますし・・・聞きたい話もありますので)
ラビリア(では、終わったらゆっくりとお話しましょうか??)
アクア(はい!! よろしくお願いします♪)
と、アクアちゃんとラビリアさんがお話してたの
これを聞くまでは、本当にラインさんがやったんだと思ってました
ラインさんがラビリアさんの考えたことだと言ってたのも
信用してなかったんだろうね・・・
これもついでに謝ることになったんだよ
ラインさんがかなり悲しそうな感じだったんで、ビックリしたけどね・・・
それで、今の状況を説明してみるね
あたしとアクアちゃんが向かい合って話をしてて
そうしたら・・・
あたしの後ろにラビリアさんが
アクアちゃんの後ろにラインさんが立っていて
それぞれ口を塞いでいる
グリーンさんとノゾミさんは動いていないので
多分だけど、ラインさんがスキルを使ってるんだろうと思う
これ・・・何の意味があるんだろう
どういう意図でラビリアさんはサプライズをしたかったのかな??
アクア(ラビリア様から話を聞きました、唯ちゃんもライン様から聞きましたか??)
唯(うん・・・ラビリアさんのサプライズなんだって、どう思う!?)
アクア(わかりません・・・)
唯(あたしは、ラインさんがだと思うんだけど・・・)
アクア(う~ん、唯ちゃんがライン様に襲われる可能性があるんです)
唯(あたしがラインさんに襲われるの!? どういうこと・・・)
アクア(唯ちゃんには、教えられません・・・まだ、知らなくていいです!! 絶対ダメだからね!!)
アクアちゃんが必死になってるときは・・・
最近、わかってきちゃったから
無理に調べないようにしてるの
怖いことか、危ないことか、エッチなことのどれかだったりするんだよね
だからね、ラインさんはあたしにエッチなことをしようとしてるんだろう
アクア(ラビリア様がリミッターをライン様に施しているとのことです、安心してと言われました)
唯(だったら、いいんじゃない・・・安心なんでしょ??)
アクア(一応、この会話は二人に届かないようにしていますから)
唯(そんなことができるの・・・神さまを抑えるなんて)
アクア(ふふふ・・・リンクを通さずに話をしてるんですよ、ワタシのスキルで似たような事が可能になったんです・・・だから、それを詳しくラビリア様に聞きたかったんですが・・・)
唯(ああ~、それでだったんだね・・・正直に言わなければよかった~)
アクア(ライン様に謝罪したんですね・・・それは、いいと思いますが)
唯(ううん、謝罪はしてないの・・・思いを伝えただけ、と言うかラインさんに心を見られてと言うか)
アクア(これ・・・唯ちゃんにも教えておいた方がいいですね、リンクロックというスキルがあって)
こっそりとあたしとアクアちゃんで話をしています
後ろにラインさんとラビリアさんがいて
神さまとデバイスを作ったそれぞれの二人なので
普通に心も見透かされてしまう
それだからではないんだろうけど
アクアちゃんが新しいスキルを使えるって
唯(リンクロックは自分で簡単に切り替えできるんだね、すごいよアクアちゃん!!)
アクア(遺跡で覚醒されたみたいで、自分専用のスキルがある程度構築可能になって・・・それで、色々模索してみたんです)
迷宮の謎のヒントを知りたくて
ラインさんとラビリアさんにわざわざ来てもらった
サプライズで1時間よりも早く登場で
何か、アクアちゃんには悪いけど
少しだけワクワクしてしまったの・・・