第十九話
~第一章~
第十九話『東京迷宮 空中庭園再挑戦編 その2』
唯(この会話に慣れたら、声出なくなりそう・・・)
アクア(それは、困りますね・・・できるだけ、普通の喋りもしましょう!!)
必死にあたしの両肩に迫ってきて
あたしもイヤだから、これからは普通の会話は喋るようにしよ~!!
グリーン(自分とノゾミを見送ったら、喋りながら待っててみてはどうですか??)
唯(うん・・・そうします、アクアちゃんとお喋りしてます)
今から、グリーンさんとノゾミさんが風の遺跡を攻略するんです
4人全員で行くのが普通だと
空の上にある遺跡
この調布から少し離れた小金井付近にある空中庭園
数日前に一度3人で向かったんだけど
何もなくて、戻ってきた
先に田無にある光属性の遺跡を攻略しました
その少し前、ノゾミさんと合流して
4人で、グリーンさんのためにと思うんだけどね
アクアちゃんが、高いところが苦手で
ずっと震えてあたしの手を握ったままだったし
だから、グリーンさんが気を使ってくれて
あたしとアクアちゃんがお留守番することになった
空の上の遺跡までの道のりをどうするのか
ジャンパーっていう、スキルで一気に移動できるみたいでね
それをあたしとアクアちゃんでつかうことになったよ
「4階でもやはり、高さがありますね・・・」
「アクアちゃん・・・あたしの手を握ってていいよ」
部屋にいるときも、窓を一切見なかったから
本当に高い場所はダメなんだね
片手でスキル使えるかな??
「こうなるのではと思いまして、ラビリア様から・・・ギミックを用意して頂きましたわ」
「ギミックですか・・・どういうことですか??」
「片手でも長距離スキルを可能とするために、お二人にも装備をお願いしましたわ」
装備??
何だろうね??
「装備って何ですか??」
「自分がスキルを使っている時の銃・・・あ、お二人のは大砲ですわ」
グリーンさんが使ってる銃・・・あのかっこいいのが、あたしも使えるの!?
大砲って・・・
「座ったままでもスキル使えますわよ・・・アクアちゃん」
「どこまでも他人に気を使うんですね」
大砲って・・・
これをどうやって使うんだろう??
大きいから、座ってってことなのかな
「お二人にそれぞれ、サモンブレイブのイメージを送りますわ・・・オープンで実装致しますわ」
グリーンさんから、システムの追加情報が転送されて
サモンブレイブ・・・武器や防具を具現化できるんだって
それで、ラビリアさんから伝言があるのね
ラビリア(唯さん・・・お久しぶりです、グリーンさんから主砲を用意して欲しいと言われて・・・あなた専用のソウルブレイブを作りました、より強い攻撃を武器に負担させることができますから 自分にかかる分を軽減できます、アクアさんとジャンパーを行うとの事ですが・・・普通に攻撃をするつもりで平気なので、変な緊張をしないようにして下さい、それでは失礼します)
あたしがこの世界やソウルの知識が増えたからかな
最初に聞いた時よりも説明が少しわかるかも・・・
でも、やっぱりラビリアさんの喋りは難しいです
アクア(唯ちゃんもラビリア様の伝言ありましたか??)
唯(うん、あったよ~装備とジャンパーについての説明だった)
今、アクアちゃんと隣り合わせで屋根に座ってるんだけど
ちょうどまっすぐ見た空が空中庭園なんだって
「では、お二人共武器を召喚して準備お願いできますか??」
「は~い!!」
「わかりました・・・」
あたしとアクアちゃんは座ったままで、武器の準備を始めたよ
と言っても、デバイスのシステムがやってくれるだけなんだけど・・・
「サモンブレイブ コール アクア エディション オープン!!」
まずは、アクアちゃんが装備を出したよ
水属性用の装備だから、青い・・・アクアちゃんみたいできれいだね
大砲って、思っていたイメージと違っていた!?
でも長さはすごいかも
何て言うんだろう・・・刑事ドラマとかで、ビルの屋上とかから狙う
スナイパーの銃みたいな感じかな
それが、未来世界の機械がくっついた!?
う~ん、あたしの説明じゃ無理だよ~!!
ああ~ん、あたしも出す!!
「コーリング ソウルブレイブ 唯エディション オープン!!」
少し、呪文??だっけ
呼ぶときの言葉がね違うんだよ・・・
これは、あたしのだけ特別なんだって
サモンブレイブではなくて、コーリングって別のスキルを使ってるみたい
サモンは装備を呼ぶ出すんだけど・・・
コーリングは装備を具現化させるんだって
あれ・・・逆だった
サモンが具現化で召喚させて、コーリングが別の世界から呼び出すんだっけ??
ああ~!! もうどっちでもいいや・・・
あたしの装備は・・・??
こっちは大砲みたいな感じだね
たまに見た戦争映画とかで、戦車を攻撃してたバズーカ砲だっけ・・・それの機械が付いているの
もう、説明って面倒だね~
「唯ちゃん・・・結構、適当な部分ありますよね??」
「だって~!! 難しいんだもん・・・」
「二人共、イチャイチャするのは後でお願いできませんか??」
って、グリーンさん・・・もう、アクアちゃんと話をしてると
いつも、イチャイチャしてるって思ってるよね・・・まあ、間違ってはいないんだけど
「わかりました、すいません・・・後でイチャイチャします!!」
アクアちゃん・・・否定しないし
あたしとイチャイチャするの・・・あとで!?
どうしよう~何か緊張してきちゃった
「準備ができたみたいですわね、座標を送りましたので・・・お二人でそちらへ攻撃スキルをお願いしますわ、長距離の主砲スキルで設定して下さい??」
長距離の主砲スキルって・・・フレイムキャノン(ロングレンジ)これだよね
このスキルは近距離も中距離も可能なんだ
万能ってこと
よし、フレイムキャノンを設定したよ~!!
ルビーシステム:フレイムキャノン ロングレンジ セット
ルビーシステム:座標固定 スキルスタンバイ
「ワタシの方は準備できました・・・リンクで発射タイミングを唯ちゃんに任せます」
「あたしも設定はしたから・・・あ、スキルの充填がまだだった~!?」
一度使ったから、あたしでもわかるよ
スキルを使うのに充填が必要だってことくらいは・・・
「100%で充填して下さいね、500%とかいりませんから!!」
「何で、怒ってるの?? あたしが無茶したから・・・でも、あれから何もなってないよ~♪」
って、あまり言うと・・・アクアちゃんの言う通り100%で設定します
充填が100%の場合は、連続使用可能なんだって・・・
でも、1回でいいんだよね
・・・あ、高い場所にいるからかな??
ごめんね、アクアちゃん・・・怖いからイライラしちゃうんだ
「間違っていませんが・・・今はどうしようもありません」
「アクアちゃんと唯ちゃんの仲が悪くなる前に、自分とノゾミを送ってくれますか??」
「ジャンパーに調整できるんだね・・・あたし、攻撃用のままだった!?」
ルビーシステム:ジャンパー スタンバイ セレクト モードジャンパー
変更したよ
これで、アクアちゃんとのジャンパーができるようになったかな
「大丈夫だと思います・・・後、発動は唯ちゃんに任せてありますよ」
「うん・・・じゃあ、始めようか??」
アクアちゃんも、震えが少し大きくなってきてる
急いだほうがいいよね
やり方を確認・・・
よし!!
「アクアちゃん・・・行くよ~!!」
「はい、お願いします・・・唯ちゃん」
声が震えてるね、本当に急いだほうがいいね
じゃあ、始めるよ
「ジャンパーアタック レディ フレイムキャノン&アクアウェーブ オープン!!」
あたしとアクアちゃんの主砲が同時に動き出してる
それぞれ、赤と青に輝いて
銃口が眩しく見えないくらい
目的地に向けて
二人のスキルが放たれる
左にあたしのフレイムキャノンの赤、右にアクアちゃんのアクアウェーブの青
「綺麗ですわね・・・唯ちゃん、アクアちゃん、自分とノゾミと行ってまいりますわ~!!」
「唯さん、アクアさん・・・行ってくるよ~♪」
詳しい説明を聞いていないから
これでどうやって移動するのかが、わかんない??
っと!?
二人の赤と青の真ん中が黒くなってきてるよ??
何かな、あれって・・・
「唯ちゃん、あれがジャンパーの空間湾曲です・・・次元の歪みによる加速を利用するんです」
アクアちゃんの説明でも、わかんない・・・ううっ、もういいや
「行ってらっしゃい~!!」
「・・・ワタシの説明無視ですか・・・ワタシ泣きますよ、もう高い場所もあって我慢できません」
本当に泣きそうになってる・・・どうしよう
アクアちゃん、二人が無事に到着するまで、だからね??
「ううっ・・・うん、ワタシ頑張る」
今、グリーンさんとノゾミさんが黒くなった空間の歪み??だっけ
そこに飛び乗るようにして・・・おお~!?
近づいた瞬間に、一気に空へ消えるように・・・
これがジャンパーなんだ!!
「座標目的地までは、ワタシも我慢します・・・空へ行かなくて済むようにしてくれたんですから」
もう、涙ぐんでいるアクアちゃん・・・
あとで、あたしが抱きしめてあげるね??
部屋に戻ったら、震えがなくなるまでだよ!!
「・・・はい、よろしくお願いします唯ちゃん、ワタシのためにすいません」
「いいよ~謝らなくても、恋人同士なら当然じゃないかな??」
そうだよ~!!
恋人だから、相手のためにできることはするんだよ!!
グリーン(唯ちゃん・・・自分とノゾミは上の庭園に到着しましたわ、もう部屋に戻ってもよろしいですわよ・・・風のパッシブですぐに可能ですわ!?)
唯(は~い、グリーンさん・・・頑張ってくださ~い!!)
こんなに速く到着するんだね・・・
ジャンパーって、スゴ~い!!
あ、アクアちゃん・・・部屋に戻ろう
グリーンさんが、あたしとアクアちゃんに風のスキルを用意してくれてて
今いる宿屋の屋根から、一瞬で部屋に移動できるように
だから、怖がる前に移動できるんだよ!!
「・・・ワタシのタイミングでは怖くてできませんから、唯ちゃんが心でも思わないでスキルお願いです」
「うん・・・そうだね、アクアちゃん」
移動する前に、この装備をどうすればいいのか??
戻す方法がわかんない・・・
「ジャンパーモードなので、ここに固定されていますから、自動で消えてくれます・・・」
「・・・って、説明に書いてあったよ、ごめんねアクアちゃん」
というのは、偽装なんだよ・・・ふふふ
少しだけ、怖がってもらっていいかな
今のあたしの心をアクアちゃんへわかるようにしてあるの・・・
じゃあ、スキル使うね~!?
「えぃ!!」
「・・・唯ちゃんのバカ~!!」
バカって、言われちゃった
こんなタイミングで使ったら、あたしでも思うもん
「・・・ ・・・」
うう、気絶しちゃったみたい
本当にごめんね、ショック療法ってダメだったかな??
「あぁ~ん、アクアちゃんと添い寝して待ってるから・・・」
ベッドにアクアちゃんを寝かせて
その横にあたしが寝てるの
アクアちゃんの寝顔って、可愛いんだよ!?
お人形さんみたいでね
横に長い耳とか
水のように透き通る肌とか
サファイアと同じキレイな髪とか
まあ、あたしと同じでお胸はペッタンなんだけど
そんなのは、これから成長するんだもんね
アクアちゃんもあたしもまだ未成年だから
エルフでは、400歳を超えると大人としての認められるって言ってたし
あたしも二十歳になったら、キレイなお姉さんだもん!!
ラインさんみたいなかっこよくてお胸もスゴいお姉さんに・・・
あ・・・ダメだ、眠気がやってきちゃった~!!
あたしもアクアちゃんと一緒に寝るね・・・おやすみ~♥
結局ね、あたしとアクアちゃんは寝てしまって
グリーンさんとノゾミさんが攻略して戻ってくるまで、寝てたみたい
だから・・・寝ていた間の時間は
空中庭園の様子をグリーンさんの心からで、あたしに教えてくれた部分と
それ以外の、その場の状況も含めてを見た感じに話してみるね
ジャンパーで現地に到着したところから・・・
「ノゾミ、転ばないように・・・気を付けるのですよ??」
「何ですか!! ノゾミはそんな簡単には、転んだりはしませ・・・きゃ!?」
またですか・・・全く、何もない所で転ぶなんて
ありえませんわ、ノゾミ・・・あ、お怪我はしていませんかね??
「ノゾミ・・・何処か痛む場所は、ございませんか??」
「わぁ~ん!! グリーン・・・お尻打ったぁ~!?」
やはり、風のパッシブをノゾミに施した方がよろしいでしょうか
困りましたわ・・・自分は心配で遺跡どころではありません!!
「グリーン・・・ダメだよ、遺跡はちゃんと攻略するんだからね!!」
「・・・ですが、ノゾミが心配ですわ??」
と、そこへノゾミからリンクの対話を持ちかけられました
ノゾミ(足でまといは嫌です・・・ノゾミはグリーンの恋人になったんです、しっかりとサポートしたい)
グリーン(・・・自分は、ノゾミのサポートは大歓迎ですわ・・・ですが、それ以上にあなたの事が心配なんです)
ノゾミ(お互い、必要以上に意識しているみたいです・・・だから、ダメダメになっちゃうんです!!)
う~ん、自分以上に二人の関係を把握しているんですわね
ノゾミは、自分以外の相手にはドジもしませんし
自分もノゾミ以外には、しっかりとしたお姉さん的ポジションだと思いますの
ノゾミ(あなたもわかってるんじゃないですか?? 好きな相手と二人きりだと、本領発揮できないと)
グリーン(・・・ええ、そのようですわね!! 思いたくありませんでしたから、考えないようにしていましたの・・・ノゾミ相手にミスする自分を??)
ノゾミ(こうやって、心が繋がっているのです・・・もう、恥ずかしがる必要もないんじゃなかってノゾミは思うんです!!)
そうですわね・・・今、こうやって考えている事も
ノゾミには伝わっているんですもの・・・
グリーン(わかりましたわ・・・もう、恥ずかしいとか心配とか・・・どうでもいいですわ!!)
ノゾミ(グリーン・・・どうでもいいは、ノゾミ悲しいよぉ~)
あれっ、吹っ切れすぎましたか??
自分の振り幅がわからなくなりましたわ・・・どうしましょう
ノゾミ(ドジっ娘と、ノゾミに言いますが・・・あなたの方がそんな部分があるんですよ~??)
グリーン(自分がドジっ娘・・・娘って年齢でもないと思うんですが、一応大人の女性ですわよ!!)
は~い、唯ですよ~!!
って、到着してすぐに
こんな話をしてたんだね??
あたしとアクアちゃん以上に、もうお互いをわかってるんじゃない
でも、ドジっ娘は本当だったね・・・二人きり限定だけど
それで、これから・・・気持ちを整理した二人が遺跡を攻略しますよ・・・